「お粗末さまでした」という言葉をご存知でしょうか。「お粗末さまでした」は日常会話でも使われていることが多い言葉となります。では、「お粗末さまでした」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。見聞きしたことがあるという人もいれば、初めて聞いたという方も多いかもしれません。「お粗末」と聞くと、あまり良いイメージは浮かびませんよね。一体どのような場面で使うことができるのでしょうか。適切に使うには、意味についてきちんと知っておく必要があります。そこで今回は「お粗末さまでした」の意味や使い方、返事、類語について解説していきます。正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「お粗末さまでした」は「他人に提供したものが、特に取り立てて言うほどではないと謙遜して言う語」です。 相手に与えたものについてのお礼を言われた際に、へりくだる気持ちを込めた表現となります。 料理が粗末である、用意がしっかりとできてなくてもてなしが粗末だったというニュアンスが含まれます。
自分が相手に提供した料理やものが粗末なものであると、謙遜の思いを伝えるために「お粗末さまでした」が使われ始めるようになりました。 「お粗末さまでした」を使うことによって、「大した料理ではありませんが」という気持ちを伝えられます。 「お粗末」は「下等であったり手際が悪いことを、自嘲の気持ちを込めて、相手に関することだったら皮肉の気持ちを込めて使う語」となります。 実際は豪華だったり、手が込んでいる料理だとしても、本当のことを言うと相手に自信過剰なイメージを与えてしまうため、「お粗末さまでした」が使われるようになったのです。 「お粗末さまでした」は方言ではなくて、一般的に使われている言葉となります。
「お粗末さまでした」は基本は、自分が料理をしてふるまったときに使います。 例えば、自分が作った料理を出して、相手が食べて『ごちそうさま』と言ったときに、『お粗末さまでした』と答えます。 「ごちそうさま」は料理を食べた人が、「お粗末さまでした」は料理を作った人が言います。 食事だけではなくて、自分が作った作品を相手に見てもらったときなどに『お粗末さまでした』と言うことができます。自分のものを謙遜して、相手に対して感謝の気持ちを伝えられます。 ただ、一般的に「お粗末さまでした」は食事に関して使われることが多いです。 レストランなどで自分が料理をしたわけではなくおごったときに「お粗末さまでした」と使う人もいます。 自分がお店を選定し料金を出してふるまった料理に対する謙遜と受け取ることができます。 一方で、ご馳走している人は自分で料理を作ってるわけではないのだから「お粗末さまでした」を使うのは不自然だ、という人もいます。 筆者としては、「お粗末さまでした」は自分で料理を作ったときに限定しておくのが無難ではないかと考えております。
例文
「お粗末さまでした」への返事としては、
などとなります。 「美味しかったです」は食べ物や飲み物の味が、とてもよかったことを伝えることができます。 「ありがとうございます」は、相手に対して感謝の気持ちを伝えることができます。 「うまかったです」と言うこともできますが、「美味しかったです」と比べると丁寧さに欠けている表現となってしまいます。 具体的な料理の感想を述べるのも良いです。「お粗末さまでした」と言ってきた相手に対して料理の感想を述べれば、粗末な料理ではないということが伝えられます。
「お粗末さまでした」の言い換え表現を紹介します。
「どういたしまして」は「お礼を述べられた際などに、答える挨拶の語」です。 相手から感謝の気持ちを述べられた場合に「そんなに遠慮する必要はない」という気持ちを伝えるために、「どういたしまして」を使います。 『ごちそうさまです』の返しとして『どういたしまして』を使っても問題ありません。 「どう」+「する」の謙譲語「いたす」+丁寧語「ます」で成り立っているので、丁寧な表現です。 ただ、「どういたしまして」は目上の人に使うのは失礼だとされています。「どういたしまして」は「気を使わなくて良い」というニュアンスが含まれているため、少々上から目線な印象を与えてしまいます。
例文
「よろしゅうおあがり」は「ごちそうさまに対しての、応答として用いる語」です。 「よろしゅう」は「調子が良い」、「おあがり」は「事柄の終わり」を意味します。 「よろしゅうおあがり」には「よく食べてくれました、ありがとうございます」と感謝の気持ちが込められています。食べてくれた相手が『ごちそうさま』と言った場合に、『よろしゅうおあがり』と返すことができます。 「よろしゅうおあがり」は、関西方面において多く使われています。 「おあがり」と使うこともあります。主に関西地域で使われているので、一般的に使われてはいません。
例文
「お口に合いましたか」は「ごちそうさまに対しての、応答として用いる語」です。 「口に合う」は「食べ物や飲み物などが、自分の好みに合っていること」を意味します。 「お口に合いましたか」には、へりくだる気持ちが込められています。単に好みにあったかどうか聞くというよりは、相手に対して謙遜の気持ちを表す表現として使われています。 「お粗末さまでした」と言うよりかは、料理の感想をスムーズに聞くことができます。 「美味しかったですか」だと、相手に軽い印象を与えてしまうので、代わりに「お口に合いましたか」を使うのが良いです。
例文
「お粗末」の類語についても紹介します。
下らない (意味:話題にするだけの価値や中身がないこと) 「そんな下らないことをしているのなら手伝って欲しい」 稚拙(ちせつ) (意味:幼稚で不十分なこと) 「随分と稚拙な犯行である」 粗悪(そあく) (意味:質が悪くていい加減であること) 「粗悪な品物はすぐに返してしまおう」 貧弱(ひんじゃく) (意味:みすぼらしくて情けないこと) 「彼は貧弱なので、出来るかどうか心配だ」 粗雑(そざつ) (意味:いい加減で質が悪いこと) 「粗雑な作りなのですぐに壊れそうだ」 低質 (意味:質が良くなくてひどいこと) 「低質な食事をしないように心がける」 劣悪 (意味:状態が劣っていて良くないこと) 「劣悪な環境でも負けないように頑張る」 不良 (意味:ものの状態が悪いこと) 「不良品を回収してもらうように頼む」
「お粗末さまでした」の英語表現は存在しません。 英語圏では自分をへりくだる言い回しというのは一般的ではありません。 料理をご馳走した相手に対して「お粗末さまでした」というニュアンスでなにかを言いたい場合は「Thank you for coming today.(今日は来てくれてありがとう)」などがよいでしょう。 言われた相手は、「わざわざ料理をご馳走してくれたのに逆にお礼まで言われちゃって、なんて謙遜な人なんだろう」と思うでしょう。
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「お粗末さまでした」について理解できたでしょうか? ✔︎「お粗末さまでした」は他人に提供したものが、取り立てて言うほどではないと謙遜して言う語 ✔︎「お粗末さまでした」は自分が料理をして、相手にふるまったときに使う ✔︎「お粗末さまでした」の返しとしては、「ありがとうございます」「美味しかったです」などが良い ✔︎「お粗末さまでした」の言い換え表現には、「どういたしまして」「よろしゅうおあがり」などがある