「胸を借りる」という言葉をご存知でしょうか。「胸を借りるつもりで」「胸を借りて頑張る」といったように使います。では、「胸を借りる」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。日常会話でも時々使われている言葉なので、見聞きしたことがある方が多いかもしれません。ただ、聞いたことはあっても意味が分からないということがありますよね。正しく使うには、適切に意味を知っておくことが必要です。そこで今回は「胸を借りる」の意味や使い方、語源、類語について解説していきます。正確に知って、上手く使えるようにしましょう!
「胸を借りる」の意味は「下の者が、自分より実力や実績が上の者に練習の相手をしてもらうこと」です。 実力が下の人が、優れている人に挑戦することを表します。 力を伸ばしたり、自分の能力を試すためにあえて強い人に相手をしてもらうことが「胸を借りる」です。自分よりも優秀な人と練習をすると、レベルアップしやすくなります。 「借りる」は「協力する、手助けする」という意味があります。
元々「胸を借りる」は相撲において、下位のお相撲さんが上位の力士にぶつかり稽古の相手をしてもらうことを表していました。 ぶつかり稽古は受ける側とぶつかる側を区別して、進める稽古のことです。上位の力士に相手をしてもらうことによって、大きな成長を遂げることができます。 実力のある力士の胸を目指して猛進する様子を指して「胸を借りる」というようになりました。「横綱の胸を借りる」「大関の胸を借りる」といったように使われています。 相撲の世界で使われていた言葉が、だんだんと「優れている人に練習の相手をしてもらう」という意味で一般的に使われるようになったのです。
「胸を借りるつもりで」という表現をよく使います。これは「優れている相手に対して、積極的に挑む」という意味です。 試合や勝負事において、強い相手に挑む場合に『胸を借りるつもりで』と発言することが多いです。 例えば、「次の大会で戦う相手は前年度優勝しているから、胸を借りるつもりで頑張る」といったように使います。 「胸を借りて頑張る」という表現もあります。「指導を受けて頑張る、積極的に頑張る」という意味です。 「胸を借りる」を使うことによって、成功するか上手くいくか分からないが、思い切ってやってみるという強い気持ちを伝えることができます。 自分よりも強い相手、実力を備えている相手に対して使うので、実力がなかったり能力が低い人に対しては使うことはできません。
例文
「胸を貸す」は「実力がある人が、能力のない人に対して相手をすること」です。 「貸す」は「自分の能力や技術を、相手に有利になるように使うこと」を意味します。 「胸を貸す」も「胸を借りる」と同様に、元々相撲用語として用いられていました。 「胸を貸す」と「胸を借りる」は、反対の意味を表す言葉となります。実力を備えている人が、経験が浅かったりレベルが低い人の練習相手になることを表す場合に「胸を貸す」を使います。 「胸を貸していただく」「胸を貸してください」といったように用います。 例えば、上の者に対してお願いする場合に「胸を貸していただけませんか」と言うことができます。
例文
男性が女性に対して「泣きたい時は俺の胸を貸すよ」と言ったり、女性が「泣きたい時は彼の胸を借りる」と言ったりすることがあります。 この「胸を借りる」「胸を貸す」は上記で紹介した慣用句とは意味が異なります。 物理的に胸に顔をうずめて泣く行為を指しています。泣いてる相手に対して「胸を貸す」ときは、相手に対して心を開いている場合がほとんどです。好意を寄せている、すでに恋愛関係にある場合もあるでしょう。女性が男性に対してすることが多いですが、男性が女性に対してやったり、同性間でやることもあります。
相手をする (意味:一緒になって事を進めること) 「子供の相手をする」 稽古をつけてもらう (意味:力を伸ばすために、練習相手になってもらうこと) 「大会で良い結果を残すために、稽古をつけてもらう」 かまう (意味:面倒を見たり、相手をすること) 「誰かがかまってあげないと、彼女は拗ねてしまうよ」 付き合う (意味:相手に合わせて物事を行うこと) 「ちょっと買い物に付き合ってくれないかな」 取り合う (意味:相手になること) 「あの人を取り合う必要はないよ」 応じる (意味:状態の変化に合わせて、行動すること) 「状況に応じた対処をすることが大事だ」 話を聞く (意味:相手の話を耳に入れること) 「しっかりと彼の話を聞いておく」 挑みかかる (意味:張り合って臨むこと) 「強い相手に挑みかかる準備はできている」 挑戦する (意味:試合や勝負事に挑むこと) 「優勝経験者に挑戦する」
「胸を借りる」の英語表現を見ていきましょう。 「自分よりもうまい選手に練習の相手をしてもらう」という英語表現はありません。自分よりも実力が上だろうと下だろうと、「practice with...」で問題ありません。 「悲しいときは俺の胸を貸すよ」は英語で、
Cry in my chest when you are sad.
になります。
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「肩を貸す」とは「物事を手伝う、協力する」という意味です。 何か物事を行っている人に協力して、役に立つこと表します。例えば、「困っている人に肩を貸す」「悩んでいる人に肩を貸す」といったように使います。 また、怪我をした人や具合が悪い人を肩につかまらせて倒れないようにする、ものを運ぶことを助けるという意味でも使います。 怪我や体調の悪さが原因で歩行することが難しい人を、自分の肩につかまらせて支えることを表します。「足を怪我している彼に肩を貸す」「肩を貸して机を運んだ」などと言えます。 「肩を借りる」という言葉は日本語に存在しません。 「胸を借りる」と「肩を貸す」が混同して、「肩を借りる」が使われるようになったとされています。
例文
「胸を借りる」について理解できたでしょうか? ✔︎「胸を借りる」は「下の者が、自分より実力や実績が上の者に練習の相手をしてもらう」という意味 ✔︎「胸を借りるつもりで」「胸を借りて頑張る」といったように使う ✔︎「胸を借りる」の反対の意味を表す言葉には、「胸を貸す」がある ✔︎「胸を借りる」の類語には、「相手をする」「かまう」「付き合う」「挑戦する」などがある