「少々お待ちください」と「少しお待ちください」の違いは何でしょうか?会社によってはお客様に対して「少々」ではなく「少し」を使うように指示しているそうです。「少々」と「少し」には意味や使い方に違いがあるのでしょうか?今回は「少々お待ちください」と「少しお待ちください」で正しい表現はどちらなのか解説していきたいと思います!
まず初めに「少々お待ちください」と「少しお待ちください」の違いについてですが、意味の違いはありません。 「少々」と「少し」を辞書で調べると共に「数量・程度などがすくないこと」と書いてあります。 つまり、「少々」と「少し」は同義語にあたります。 よって、「少々お待ちください」と「少しお待ちください」も意味は全く同じ、ということになります。 「お待ちください」という表現に関しては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「少々」と「少し」は基本的に数量を表す時に使用します。 なので、「少々頑張ってください」「少し頑張ります」などと表現すると、やや不自然さを感じます。 具体的な数量のイメージが持ちづらいからです。 しかし、「少々お待ちください」「少しお待ちください」に関しては時間を量として捉えれば、何の不自然さも感じません。 また、「少々」「少し」は数量だけではなく程度を表すときにも現在は使われています。 程度とは、物事の高低・強弱・優劣などを意味する言葉で、幅広い意味を持ちます。 そのことを加味すると、数量を表さない場合でも「少々」と「少し」はかなり広く使うことができると言えます。
品詞についてですが、「少々」は元々名詞です。 なので、「少々の◯◯」という形で使うのが基本です。
例文
一方で、「少し」は副詞です。
例文
よって、「お待ちください」と一緒に使うのは副詞である「少し」の方が適切だ、と言えるでしょう。 しかし、「少々」は現在では副詞として使用するのも正式に認められています。 したがって、この解説は「少々お待ちください」が不適切な理由にはあたりません。
お客様に対して「少々お待ちください」を使用するのを禁止している企業があるようですが、以上のことを踏まえると、 「少々お待ちください」が目上の人には失礼で不適切な日本語だとは言えないでしょう。 基本的にはそこまで意識しすぎる必要はないと思われます。 ※会社によって決まっていることは、会社に従うのが社会人としてはベストだとは思います。
では違いは何か?という、漢語か和語かが違いになります。 漢語とは音読みする熟語を指します。和語とは訓読みする言葉です。 「少々」は「ショウショウ」と音読みするので漢語にあたります。一方、「少し」は「すこし」と訓読みするので和語です。 「ビジネスシーンで目上の人に漢語を使ってはいけない」というルールはないものの、漢語はやや偉そうに聞こえ、和語は柔らかい印象になり好まれる傾向があります。 したがって、「少々お待ちください」と「少しお待ちください」はどちらも正しい日本語ですが、どちらか一方を選ぶならば「少しお待ちください」の方がベターでしょう。