「陳謝」という言葉をご存知でしょうか。「陳謝する」「陳謝申し上げます」などと使います。ニュースでは、よく不祥事を起こした人や会社の代表などが記者会見を行っています。何かあやまちを起こしたときや、悪いことをしたときには謝らなくてはいけません。日常でも仕事でも謝る場面はたくさんありますよね。「陳謝」はそういった場合に使う表現です。では、「陳謝」の意味について正しく理解しているでしょうか。似た言葉に「謝罪」があります。あまり違いはなさそうですが、実は異なる点があります。正しく使い分けるため、適切に意味を覚えましょう!そこで今回は「陳謝」と「謝罪」の使い分けについて解説していきます。
▶︎「陳謝」・・・ある物事について事情や訳を述べた上で、詫びること ▶︎「謝罪」・・・あやまちや罪を素直に認めて、詫びる行為そのもの
「陳謝」と「謝罪」はどちらも「謝ること」を表す語ですが、意味合いが異なります。 例えば、不祥事を起こした場合。 <陳謝>『この度は不祥事が起きてしまったのは、私の判断ミスが原因です。心よりお詫び申し上げます』 <謝罪>『不祥事を起こしてしまいました。本当に申し訳ございません』 といったようになります。 「陳謝」は「謝罪」の中の一つの形と言うことができます。
「陳謝」は<ちんしゃ>と読みます。 「陳」は音読みで「チン」、訓読みで「つらねる・ならべる・のべる」と読みます。 「陳」は「述べること」を意味します。 「謝」は音読みで「シャ」、訓読みで「あやまる」と読みます。 「謝」は「あやまること。お詫びすること」を意味します。 「陳謝」の意味は、
です。 2つ意味がありますが、基本的に「陳謝」は相手に対して謝る場合に用いる表現です。 「陳謝」は有名人や政治家などが、不祥事についてお詫びする場面で聞くことが多いですよね。 「陳謝」は「単に謝る」ということではなく、「ある物事について訳や事情を述べた上で、謝る」ということになります。 ですので、『すみません』『申し訳ありません』と謝るだけでは、「陳謝」と言うことができません。 使い方としては、「陳謝申し上げます」「陳謝いたします」などとなります。 きちんと訳を話したり、今後の対策について述べる場合は「陳謝」を使った方が、誠意を尽くしていることをアピールできます。
例文
「謝罪」は<しゃざい>と読みます。 「謝」は音読みで「シャ」、訓読みで「あやまる」と読みます。 「謝」は「あやまること。お詫びすること」を意味します。 「罪」は音読みで「ザイ」、訓読みで「つみ」と読みます。 「罪」は「悪いこと。過失」を意味します。 「謝罪」の意味は「罪や失態についてお詫びすること」です。 「謝罪」は、謝る行為そのものを広く表す語です。 単に『すみません』『申し訳ありません』と謝ることが、「謝罪」です。 お詫びの言葉を述べる以外にも、頭を下げたり、土下座をして詫びたり、損害を賠償することを「謝罪」と言います。 「こういうことが原因で、起こってしまい〜」などと経緯について述べてしまうのは、「謝罪」ではありません。
例文
「陳謝」と「謝罪」について理解できたでしょうか? 2つとも似ていますが、それぞれ意味が異なります。違いを正しく知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
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