「無下」と「無碍」という言葉をご存知でしょうか。「自由無碍」「無下に扱う」などと使います。では、「無碍」と「無下」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「無碍」と「無下」は日常会話でも時々、耳にすることがあると思います。ただ、聞いたことはあっても具体的な意味については分からないという方が多いかもしれません。「無碍」と「無下」は二つとも「むげ」と読むので、違いが区別しにくいですよね。適切に使うためには、意味の違いを正しく知っておく必要があります。そこで今回は「無碍」と「無下」の使い分けについて解説していきます。
「無碍」・・・何ものにも邪魔や束縛されることなく、自由自在であること 「無下」・・・冷たくて、思いやりがないこと
「無碍」は<むげ>と読みます。 「無」は音読みで「ム・ブ」、訓読みで「ない・なみする」と読みます。 「無」は「〜ではない、〜はしない」を意味します。 「碍」は音読みで「ガイ・ゲ」、訓読みで「さまたげる」と読みます。 「碍」は「進みを妨害して止めてしまうこと」を意味します。 「無碍」の意味は「何にも妨げられることなく、自由自在であること」です。 何かにこだわったり、邪魔されることなく、考えや行動が自由であることを表します。 言い回しとしては、
などとなります。 「融通無碍」「自由無碍」は「考えや行いにとらわれずに、思うがままにすること」を意味します。 主に「融通無碍」が使われることが多いです。「融通無碍な考え」「融通無碍に処理する」と言います。 「無碍」の類語には、「自在」「自由」「柔軟」「思いのまま」「縦横無尽」「天衣無縫」などがあります。
例文
「無下」は<むげ>と読みます。 「無」は音読みで「ム・ブ」、訓読みで「ない・なみする」と読みます。 「無」は「〜ではない、〜はしない」を意味します。 「下」は音読みで「カ・ゲ」、訓読みで「した・しも・もと・さがる」と読みます。 「下」は「程度や状態が低いこと」を意味します。 「無下」の意味は、
です。 言い回しとしては、
などとなります。 主に、「無下にする」という形で用います。「無下にする」は「粗末にする、素っ気なくする」を意味します。 例えば、「相手の依頼を無下に断ってしまう」「相手の立場が下であっても無下に扱ってはいけない」などと言います。 「無下」の類語には、「無益」「無駄」「顧みない」「放っておく」「捨て置く」「なおざりにする」などがあります。
例文
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