「省みる」という言葉をご存知でしょうか。「己を省みる」「自身を省みる」などと使います。比較的見聞きすることが多い言葉ですよね。では、「省みる」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。なんとなく使い方から、「過去を振り返る」「反省する」などという意味を思い浮かべるのではないでしょうか。実は「省みる」と間違えやすい言葉に「顧みる」があります。どちらも「かえりみる」と読みます。あまり違いはないように思いますが、実はこの二つは異なります。正しく使い分けるためにも意味を適切に覚えましょう。そこで今回は「省みる」と「顧みる」の違いについて解説していきます。
▶︎「省みる」・・・自分自身の言動の善悪を振り返ってよく考えること ▶︎「顧みる」・・・過ぎ去ってしまった物事や人に対して思いを起こすこと。相手を気遣うこと
「省みる」は「反省」、「顧みる」は「回顧」と覚えておきましょう。
「省みる」の意味は「反省する。ふりかえってよく考えてみること」です。 自分の行ったことをもう一度よく考えてみること・言動や考えを振り返ってじっくりと考えることを表します。 「省」は音読みで「セイ・ショウ」、訓読みで「かえりみる・はぶく」と読みます。 「省」は「振り返ってよく考えてみる」を意味します。 「省みる」は一言で言ってしまうと「反省」です。 例えば、「自分を省みる」などと言いますが、これは「自分の言動を振り返ってよく考える」という意味です。 「自らを見つめ直す」「自問自答を繰り返す」「胸に手を当てて考える」などと言い換えることができます。 「省みる」は自分の行いに対して使うので、「◯◯さんが省みる」などと相手の行いに対してはほとんど使いません。 類語には、「考える」「振り返る」「顧慮する」「省察する」などがあります。
例文
「顧みる」の意味は、 1.過去のことを思う。回想する 2.気にかける。心配する 3.背後を振り向いて見る 4.もう一度来て見る です。 「顧」は音読みで「コ」、訓読みで「かえりみる・かえって」と読みます。 「顧」は「振り返って見る。思い巡らす」を意味します。 「顧みる」には4つの意味がありますが、主に「過去を振り返ること」と「気にかける」という意味で使うことが多いです。 過ぎ去った過去を思い返してそれについて考えること・相手のことを気にかけたり、心配することを表します。 「顧みる」は単に「過去を振り返る」ということではなく、「過ぎ去ってしまった物事や人に対して思いを馳せる」という場合に使います。自身の言動だけでなく、人や時代などあらゆるものが含まれます。 時々、3つ目の「後ろをふりむいて見る」という意味で「顧みる」を使うこともあります。 この場合は「背後を顧みる」「後方を顧みる」などと言います。
例文 1の「過去のことを思う」という意味
2の「気にかける」という意味
3の「背後を振り向いて見る」という意味
「鑑みる」の意味は「手本や先例に照らし合わせる」「参考にして考える」です。 前例や規範に照らし合わして考えること・他と比べ合わせて考えることを表します。 何かを参考にしたり手本にして考えるため、単純に「考える」だけでとは異なります。 主に「~に鑑みる」という形で使うのが正しいです。 「鑑(カガミ)」は「武士の鑑」「スポーツマンの鑑」などと使われるように、「手本」や「見習うべきもの」といった意味があります。 「手本」「見習う」は「手本にする」「〜に見習う」といった使い方をします。 「鑑みる」は「鑑」を動詞化して「手本を参考にする」「先例に照らし合わせる」といった意味を持ちました。 これからを理解した上で使うと「〜に鑑みる」が正しいことが分かると思います。 そのため、「〜を考える」のように「〜を鑑みる」といった使い方は間違いになるので注意しましょう!
例文
「省みる」と「顧みる」の違いについて理解できたでしょうか? 同じ「かえりみる」でも意味が異なります。 違いを正しく知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
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