「都合がつく」という表現はビジネスシーンでよく見かけませんか。何気なく使うことも多い表現ですが、どういった場面で使用するのか戸惑っている方もいると思います。また、敬語であるのか、目上の人に使っても失礼ではないのか、と疑問に感じますよね。そこで今回は「都合がつく」の意味や使い方。正しい敬語表現について解説していきます。「都合がつく」の正しい使い方を知って、是非、ビジネスシーンで役立ててみてください。
「都合」の意味は、
となります。 「つく」の意味は「その様子になる」「実現・決着が望まれていたことが実現・決着する」です。 「都合がつく」は「予定や予算などを工面して、割り当てることができる」を意味します。 「都合がつく」は”日程や日付け、曜日などについての予定を調整する”、”予算・費用を割り当てる”ということを表します。
「都合がつく」は漢字だと「都合が付く」と書きます。 「つく」の漢字は、「着く」「就く」などとたくさんあります。 「付く」は「付着する」「加わる」を意味します。 「利息が付く」「知恵が付く」「決心が付く」などと言います。 「着く」は「達する」「ある場所を占める」を意味します。 「東京に着く」「席に着く」「衣服を身に着ける」などと言います。 「就く」は「仕事・役職などに身を置くこと」を意味します。 「職に就く」「帰路に就く」「役に就く」などと言います。 「都合がつく」は一般的には、ひらがなで表記することが多いですが、漢字で「都合が付く」と表記できるということも覚えておくと良いでしょう。
尊敬語を表す接頭語の「ご」を付ければ、「都合」はそのまま尊敬語になります。 例えば、「都合がつく日程を教えてください」というよりも「ご都合がつく日程を教えてください」といった方が丁寧に聞こえますよね。 ビジネスシーンでは、予定を調整して日程を合わせることが日常的に行われます。 そんな場合に「都合がつく」という表現を使うことができます。
「ご」は敬語を表す接頭語です。 接頭語「ご」は
ということです。 例えば、「ご連絡ください」「ご利用ください」など、相手に行為や所有物に対して使う場合の「ご」は尊敬語になります。 一方で、「ご連絡いたします」「ご説明させていただきます」など、自分の行為でも目上の人に対する行為の「ご」は謙譲語になります。 また、「ご親切に」「ごゆっくりに」など、ものごとを丁寧にする場合の「ご」は丁寧語になります。 このように、接頭語「ご」は使い方次第で尊敬語、謙譲語、丁寧語と様々な敬語になります。
一般的に、「お」は和語につけて、「ご」は漢語につけるとされています。 ”和語”は訓読みをする熟語で、”漢語”は音読みをする熟語です。
例 「お」をつけたもの
「ご」をつけたもの
中には、「お時間」「お食事」「お天気」などのように”漢語”に「お」がつく例もあります。また、「お返事・ご返事」といったように、「お」と「ご」の両方がつく言葉もあります。 ただ、「おコーヒー」や「おワイン」といったように、外来語には「お」や「ご」はつけません。 「都合」は漢語なので、「ご都合」が正しく、「お都合」とは言いません。
ビジネスシーンでは、予定を調整して日程を合わせることが行われます。 そのような相手の予定を伺う場合に、「ご都合がつく」を使います。 「ご都合がつきましたら〜」「ご都合がつく日をご指定ください」などと、相手の予定を聞くことができます。 「ご都合がつく」の言い回しは、
となります。 例えば、相手の予定を聞きたい時に、「ご都合のつく曜日をご指定ください」などと言います。これは「あなたの事情に問題がない曜日を教えてください」という意味になります。 「ご都合がつく日程」「ご都合がつく時間」などは正しい表現ですが、少々回りくどい印象があります。 このような場合は、「ご都合のほど」と言い換えるとスマートになります。
例文
例えば、「恐縮ですが、◯日までにご都合がつく日をお聞かせください」などと使います。 これは、「◯日までに予定を知りたいので、連絡をお願いします」ということを伝えたい場合に使用できます。
例文
例えば、「◯月◯日に懇親会を予定しております。ご都合がつきましたらご参加ください」などと使います。 これは「すでに日程の決まっている事に対しての予定を伺う」場合に使用します。 決定している事へ参加できるかどうかを伺いたい時には、”ぜひ参加してほしい”という気持ち表します。 日程を指定しているということもあって、相手もいくらか返答がしやすい言い方になります。
例文
例えば、”都合がつくかどうか”聞かれた場合、「大丈夫です」や「参加できます」などと言うこともできますが、これらは敬語表現とは言えませんよね。 こういった場合は、「その日は特に他の予定はございませんので、お待ちしております」「◯日の△時でしたら、空いております」などと言うのが正しいです。 しっかり「◯月◯日の◯時」などと日時を詳しく書くと、”きちんと把握した”・”確認した”ということを伝えることができます。
言い回し
例えば、「来週、ミーティングを行う予定ですが、ご都合はよろしいでしょうか」と聞かれた時に、自分の都合が悪い場合、「都合がつかないです」と直接的に言うのは失礼です。 こういった場合は、
などと言うと丁寧な印象になります。 「都合がつかないです」「都合が悪いです」と答えても間違いではありませんが、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。 「都合がつかない」を使いたい場合は、「都合がつかず、欠席させていただきます」「都合がつかず、申し訳ございません」などと「都合がつかない」の後に謝罪の言葉を付ける必要があります。
自分の「都合がつく」ことを目上の人に言う場合の謙譲語はあるのでしょうか? 結論から言うと、「都合がつく」の謙譲語は特にありません。 自分に対して「都合がつく」を使う場合は、そのまま「私の都合がつきましたら、」「私の都合がつき次第、」などと表現するしかありません。 文法上は相手に失礼に当たることはありません。 しかし、そもそもビジネスにおいて目上の人に対して自分の都合本位で物事を進めること自体が失礼になる可能性が大なので、注意が必要でしょう。
「都合が合う」は「うまく物事を行える状況であるさま」「差し支える事情がなく、行うことが可能な状況」を意味します。 「合う」の意味は「よく調和すること」「二つのものが一致する」です。 「都合が合う」は、「AさんとBさんの都合が合う」「お互い都合が合うときにまた会いましょう」などと相手と予定が一致するときに使います。 「都合がつく」は、「今週の金曜日は都合がつく?」「来週だったら都合がつきます」などと相手の予定を聞いたり、自分の予定を述べるときに使います。
「都合がつく」の類語を紹介します。
都合が良い (意味:ある物事をする際の状況が好ましい様子) 「私としては◯日が都合が良いですが、いかがでしょう」 好都合 (意味:条件などにかなっていて、都合がよいこと) 「好都合にものごとが運ぶ」 支障がない (意味:ものごとを進めるにあたり問題となるものがない様子) 「その怪我は仕事をする上では支障ない」 おあつらえ向き (意味:要求・条件などにぴったり合っていること) 「出掛けるにはおあつらえ向きな天気である」 差し支えない (意味:不都合でない) 「その日程で差し支えありません」 最適の (意味:いちばん適していること) 「歌を練習するには最適な設備が揃っている」
「都合がつく」の英語表現を考えていきましょう。 「都合がつく」の英語表現は色々なパターンが考えられます。 例えば、「来週の月曜日なら都合がつきます」を英語で言うと、
I am free next Monday.
I can free up my time next Monday.
I can make it next Monday.
I am available next Monday.
Next Monday would be perfect.
It is convenient for me to meet up with you next Monday.
などの言い回しがあります。 「make it」は「うまくいく、成功する」という意味の慣用句です。「it」が何か具体的に指してるわけではありません。 「convenient」は「It is convenient for me to...」という形で使うのが自然なので、「あなたに会うなら」という文章を後半に付け加えました。☓「Next Monday is convenient for me.」という言い方はネイティブはしないので不自然です。 疑問文で相手に「いつが都合がつきますか?」と聞くときは、
When would be convenient for you?
What date do you have time?
When are you available?
などと表現すればよいでしょう。
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「都合がつく」について理解できたでしょうか? ✔︎「都合がつく」は「予定や予算などを工面して、割り当てることができること」を意味 ✔︎「都合がつく」の敬語表現は「ご都合がつく」になる ✔︎ 相手の予定を伺うときに、「ご都合がつきましたら」「ご都合がつく曜日は〜」などと使う ✔︎「ご都合がつく」の類語は、「都合が良い」「支障がない」などがある