「内約」と「内訳」という言葉をご存知でしょうか。「内約を結ぶ」「内訳を示す」といったように使います。では、それぞれの意味についてきちんと理解しているでしょうか。初めて聞いた、聞いたことはあるが意味は分からないという方が多いかもしれません。見聞きしただけでは、二つとも同じように使うことができる感じがしますよね。非常に似ていますが、実は意味が異なります。そこで今回は「内約」と「内訳」の違いについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「内約」・・・当事者だけで決定して、周りには公表しない約束 「内訳」・・・金額、物品の合計に対して、それを項目ごとに細かく分けて品名や数量を表したもの
「内約」と「内訳」は字面は似ていますが、意味は異なります。
「内約」は<ないやく>と読みます。 「うちやく」とは読まないので注意しましょう。 「内」は音読みで「ナイ・ダイ」、訓読みで「うち」と読みます。 「内」は「仲間内で、うちうちに」を意味します。 「約」は音読みで「ヤク」、訓読みで「つづめる・つづまやか」と読みます。 「約」は「取り決めの印のこと」を意味します。 「内約」の意味は「表沙汰にしないで約束すること、内輪の約束」です。 外部の人を交えないでその中だけで約束すること、公式ではない取り決めを表します。 当事者だけで決定して、外部の人には詳しい内容を教えない約束事を表す場合に「内約」を使います。例えば、「昇給を内約する」だったら「本人とその関係者だけが知っている約束」を意味します。 周りの人も知っている約束、公表している取り決めは「内約」と表すことはできません。 使い方としては、
などとなります。 「内約」の類語には、「密約」「黙約」「裏約束」「内定」「非公式の約束」「口約束」などがあります。
例文
「内訳」は<うちわけ>と読みます。 「内」は音読みで「ナイ・ダイ」、訓読みで「うち」と読みます。 「内」は「ある部分でのうちがわ」を意味します。 「訳」は音読みで「ヤク」、訓読みで「わけ」と読みます。 「訳」は「他の言葉に置き換えること」を意味します。 「内訳」の意味は「金額・物品の合計に対して、その内容を細かく分けて品名や数量を表すこと」です。 金額だったら総高、物品だったら総量に対して、その内容を項目別に分けることを表します。 「内訳」=「明細」ということです。 「内訳」はものに対して使うこともできますが、金銭に対して使うことが多いです。例えば、「旅行費の内訳」だったら、宿泊料・交通費・食費・その他のお小遣いなどとなります。 このように、「生活費の内訳」「領収書の内訳」「請求書の内訳」といったように使います。 使い方としては、
などがあります。 「内訳」の類語には、「種別」「類別」「区分け」「区分」「細目」「詳細」「小分け」などがあります。
例文