「所存です」という言葉をご存知でしょうか?「〜したいと思います」という意味合いのある言葉ですが、主にビジネスシーンで使われているため日常生活で耳にすることはほとんどないかもしれません。今回は、「所存です」の正しい意味使い方を例文つきで解説します。類語「存じます」「次第です」との違いや英語表現も紹介しますので参考にしてください。
「所存です」は「しょぞんです」と読みます。 「しょそん」は誤読になるので注意しましょう。
「所存です」は「〜したいと思っています」の謙譲語になります。 「所存」には「心中に思うところ・思惑・考え」といった意味です。 「所存」は「存ずるところ」を省略した表現で、「存ずる(ぞんずる)」は、「思う」「知る」の謙譲語です。
「所存」は「〜する所存です」と使い、「〜するつもりです」「〜したいと思っています」と、決意や意向を伝える際に使用するのが適切です。
といった場面で主に使われています。 またビジネスメールでもよく用いられていますが、一つのメールで何度も使うとしつこく感じられるため多用は控えるようにしましょう。
例文
履歴書などの志望動機でも、「所存です」は用いられます。 特に自己PRの欄では入職できた場合の意気込みや決意表明をします。 その際に「〜していく所存です」「〜する所存です」と使われています。
「ございます」は「です」をより丁寧な表現にした言葉です。 「所存でございます」は「〜したいと思っています」をとても丁寧にした言葉であり、社内や日頃から関わっている先輩などに使うとややくどい印象があります。 そのため、取引先や役員などより敬意を払うべき相手に対して使うようにしましょう。
例文
▶「所存です」・・・「〜をしたいと思っています」「〜という考えがあります」などの謙譲語 ▶「存じます」・・・「思います」「知っています」の謙譲語
「存じます」の意味は「思います」「知っています」の謙譲語です。 主に、「存じます」は「意見やお願い、事実を伝えるとき」に使い「所存」は「自分の気持ちや意志を伝えるとき」に使われています。
例文
▶「所存です」・・・自分の考えを伝える際に使う表現 ▶「次第です」・・・物事の報告や説明をする際に使う表現
ビジネスシーンで「〜という次第です」と使う場合の「次第」は名詞で、意味は「事情、状況」です。 「〜といった状況です」「こういった経過です」と事実を説明するときに使います。 「所存です」は「事実よりも自分の気持ちや意志を伝えるとき」に使うのに対し、「次第です」は「なぜそうなったか、どうしてそうしたのかと事実を説明するとき」に使います。 また「君次第です」と名詞のあとに使う場合の「次第」は「(名詞の後について)その物事によってどうにでもなる、成り行きに任せる」となります。
例文
「意向です」は、「こう考えいてます」「こうするつもりです」といった意味を持ちます。 ビジネスシーンでは自分自身の考えや思惑を伝える際に「〜する意向です」と使います。 また「私の意向としては」などといった使い方もします。 ただ「意向」は敬語ではありませんが、相手の「意向」に対して「○○様のご意向です」と尊敬語として使うことができます。
例文
「所存です」は敬語のため、一般的に使うと堅苦しい印象があります。 その場合は「つもりです」を使うと良いでしょう。 「つもり」は「意とするところ」「意図、考え」といった意味があります。
例文
「所存です」は「したいと思います」と言う意味なので、「I think I want to...」としたくなりますが、この表現は誤用です。 「think」と「want」を併用して使うことはありません。
「したいと思います」は、「I would like to...」が最適です。 「I want to」でも可能ですが、より丁寧な表現は「would like to」になります。
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「所存です」について理解できたでしょうか? ✔「所存です」の意味は「〜したいと思っています」の謙譲語 ✔「所存です」はビジネスメールや履歴書でよく使われる ✔類語には「存じます」「次第です」などがある