「碩学」という言葉を知っていますか? 普段あまり使われていない言葉ですが、古くからある言葉です。 今回はそんな「碩学」について説明します。 正しい意味や使い方を例文付きで分かりやすく解説します。 類語や英語表現も紹介するのでぜひ覚えてください! また似た意味をもつ「博学」「顕学」との違いも説明します。
「碩学」は<せきがく>と読みます。 意味は「修めた学問が広く深いこと、またその人のこと」を指します。 「碩」という漢字には「大きい」「優れている」「立派である」といった意味があります。 それに「学」が組み合わさり「学問が広く深い」といった意味になりました。
「碩学」という言葉は普段あまり使われていません。 使うとならば、主に「さまざまな学問を修め、それぞれに深い知識を持っている人」のことを指して使います。 呼称として使われることはほとんどありませんが、「碩学の講義」などと言うと「広く深い学問を修めた人の講義」といった意味になります。 そのため「科学者」や「博学者」のように「碩学者」と「者」を付けることはありません。 例えば、「五山碩学(ござんせきがく)」といった言葉があります。 これは、江戸時代の話ですが、京都五山のうち、天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺の「学問に優れた僧」の中から選ばれ手当を受けた者のことを指します。 また、「碩学の○○」などとも使います。 「碩学の徒」「碩学の学者」「碩学の僧侶」などです。 この場合の「碩学」は人を指しているわけではなく「修めた学問が広く深い」といった意味になり、「碩学の僧侶」は「修めた学問が広く深い僧侶」となります。 詳しい使い方は例文を参考にしてください。
「あそこのお寺にいる碩学の僧侶は、文学から算術はたまた地学まで詳しいそうだ」 「作曲家で琴の名手とは、さすがの碩学だ」 「彼はフランス文学者であり、翻訳家であり、詩人という日本人の碩学であった」 「ドラマーかつピアニストで、さらにはオーケストラの作曲までするYOSHIKIは稀代の碩学だ」
「博学(はくがく)」とは、「広い分野にわたって、豊富な知識を持っていること」です。 「博学」は昨今でもよく使われている言葉です。 「博」という字には、「ひろい」「ひろめる」といった意味があります。 また、「博学」には人を指す意味はなく、「博学」な人のことは「博学者」と言います。 「碩学」は、「広く深い学問を修めること、また修めた人」 「博学」は、「知識が広い分野にわたって豊富なこと」
「顕学(けんがく)」とは「世に名が高く勢力のある学問、学派のこと。有名な学者」のことを指します。 しかし、辞書によっては記載されていないこともあり使用頻度はかなり低い言葉となっています。 「碩学」と「顕学」は「学問を深く修めた人」を指す点では似た意味を持ちますが、同義語ではありません。 「碩学」は、「広く深い学問を修めた人」 「顕学」は、「有名な学者」
○博学 意味:知識が広い分野にわたって豊富なこと ○顕学 意味:世に名が高く勢力のある学問・学派のこと、有名な学者のこと ○博識 意味:広く知識があること、そのさま ○有識 意味:学問があり見識の高いこと、また、その人 ○物知り 意味:なんでもよく知っていること、そういう人 ○篤学 意味:熱心に学問に励むこと、またその人
「碩学王」とは、ノルマン朝第3代イングランド王(在位:1100年から1135年)だった、ヘンリー1世のことです。 博学であったことから「碩学王」と呼ばれていました。
「碩学」の英語表現を見ていきましょう。 「深い知識がある」を英語で表現するならば、「have a deep understanding of...」「have an extensive knowledge of...」などと表現できます。 「intelligent」を使い、「知的だ」と表現するのもよいでしょう。 人を指す場合は、「distinguished scholar」などと表現可能です。「scholar」は「学者」という意味です。「distinguished」は「区別された」という意味で「他人とは違いずば抜けた能力がある」というニュアンスです。
He has an extensive knowledge of all kinds of music.
彼はあらゆる音楽の知識があり、碩学だ。
She is a distinguished scholar of German literature.
彼女はドイツ文学の碩学だ。
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「碩学」について理解できたでしょうか? ✔「せきがく」と読む ✔意味は「修めた学問が広く深いこと、またその人のこと」 ✔主に「さまざまな学問を修め、それぞれに深い知識を持っている人」のことを指して使う 普段あまり使われず難しい言葉ですが、しっかりと覚えておきましょう。