「切磋琢磨」という言葉をご存知でしょうか。自分では使ったことがないけれど、「切磋琢磨しながらが頑張る」「切磋琢磨する」などと聞いたことがあるという方が多いと思います。よく使われているわりには意味がわかりにくい感じがしますよね。ただ、前向きでポジティブな言葉なので、個人的な抱負や座右の銘として用いられていることが多いです。具体的に「切磋琢磨」がどのような意味なのか気になりますよね。そこで今回は「切磋琢磨」の意味や使い方、語源、類語について解説していきます。「切磋琢磨」を正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「切磋琢磨」は<せっさたくま>と読みます。 「磋」は「瑳」と書くこともできます。 「磋」と「瑳」は音読みで「サ」、訓読みで「みがく」と読みます。 どちらも「みがくこと」を意味します。 「切磋琢磨」でも「切瑳琢磨」と書いても意味は同じですが、一般的には「切磋琢磨」とすることが多いです。 また、「切磋琢磨」の「琢」という漢字はよく間違えられます。 「琢」は音読みで「タク」と読みます。 「琢」は「鑿 (のみ) などで打って玉の形をととのえること」を意味します。 「豚」「啄」「涿」などと迷いがちですが、意味が全く異なるので注意しましょう。 「豚」は家畜の名、「啄」はくちばしでつつく、「涿」は中国の河北省中部の都市を意味します。
「切磋琢磨」の意味は 1.玉・石などを切り磨くように、道徳や学問に勉め励んでやまないこと 2.また、仲間同士で互いに励ましあって学徳をみがくこと です。 学問や人徳を磨くために努力に努力を重ねること・仲間同士で励まし競い合い向上することを表します。 勉強やスポーツ、仕事などに取り組む様子を表現している言葉です。 ”相手を蹴落として上に進む”といったマイナスなニュアンスではなく、”ライバルではあるがお互いを高めながら上を目指す・技量を上げる・熱心に行う”といった前向きでポジティブな意味合いとなります。 「切磋」は「骨・角・玉・石などを刻み磨くこと。転じて、道徳・学問などに勉め励むこと」を意味します。 「琢磨」は「(玉などをすり磨く意から)学問・技芸に励んで、修練すること」を意味します。 「切磋」と「琢磨」はどちらも、「学問・道徳・人格などを向上させる」という意味です。 この2つを合わせることによって、”向上させる”という意味合いを強めます。
「切磋琢磨」は中国最古の詩集『詩経』に由来しています。 「切」==> 骨を加工するときの作業 「磋」==> 象牙を加工するときの作業 「琢」==> 玉(ぎょく)を加工するときの作業 「磨」==> 石を加工するときの作業 「切磋琢磨」のそれぞれの漢字の意味はこのようになります。 『詩経』には「切するが如く磋するが如く琢するが如く磨する如し」という一文が出てきます。 「骨は切り、象牙は磋ぎ、玉は琢ち、石は磨く、といった精細な加工を施すこと。互いに探求・研鑽し合うこと」を意味します。 衛の国の第十一代君主:武公を、優れた細工品や細工師の技巧に喩えて褒め称えた一文となります。 このように、「切磋琢磨」は元々「材料を加工するための作業・手間と緻密さが求められる作業」を表す言葉でした。 これが、転じて「勉強・道徳に励んで人間を成長させること、仲間同士で競い合い互いに磨くこと」という意味で「切磋琢磨」が使われるようになりました。
学問や人徳を磨くために努力を重ねること・仲間同士で励まし競い合い向上することを表す場合に「切磋琢磨」を使います。 「切磋琢磨」は”学問や仕事に励み、自らを高めること”を表す場合に使いますが、実際には”複数の人がお互いを高め合う”という意味合いで使うことが多いです。 どちらの意味で使われているかについては、前後の文脈から判断する必要があります。 「切磋琢磨」の使い方としては、
などとなります。 例えば、「私たちはお互いに切磋琢磨し合って、学力の向上を図る」といった場合は、「私たちはお互いに励まし競い合いながら、学力の向上を図る」という意味になります。 「切磋琢磨」は仕事やスポーツ、学問・技芸・徳芸などと様々な分野に対して使うことができます。
例文 「学問や人徳を磨くために努力に努力を重ねる」という意味
「仲間同士で励まし競い合い向上する」という意味
砥礪切磋<しれいせっさ> (意味:学問や人格を高めるために努力すること) 「困難にあっても諦めずに、砥礪切磋する」 修業 (意味:学業または技芸を習い修めること) 「高校を修業する」 修練 (意味:精神や技能をみがきたたえること) 「一人前になるために修練を積む」 鍛錬<たんれん> (意味:修養・訓練を積んで心身を鍛えたり、技能を磨いたりすること) 「疲労にも耐えることができるように体を鍛錬する」 研鑽<けんさん> (意味:学問などを深くきわめること) 「彼は二年間にわたり師匠の元で研鑽を積んだ」 腕を上げる (意味:腕前・技術を進歩させる) 「ひたすら練習をして腕を上げた」 レベルアップ (意味:水準が上がること。また、上げること) 「勉強に熱心に取り組み、学力のレベルアップを図る」
競い合う (意味:きそうこと。競争すること) 「彼とは物事を競い合う仲である」 高め合う (意味:互いに刺激し合って互いの品格や能力を向上させるさま) 「お互いを高め合うながら、学力を向上させる」 磨き合う (意味:互いに努力して学問や芸をますます上達させるさま) 「仲間と磨き合うことでだんだんと上を目指していく」 しのぎを削る (意味:はげしく切り合う。また、はげしく争う) 「年末商戦にしのぎを削る」 決闘する (意味:両者の間に恨みまたは解決し難い争論がある場合に、取り決めた方法で闘い勝負をすること) 「自分に恨みを持っている相手を決闘する」 対立する (意味:二つのものが反対の立場に立って張り合うこと) 「両者の間で意見が対立してしまう」
「切磋琢磨」の英語表現を見ていきましょう。 「切磋琢磨」にピッタリな英語表現は実際は存在しません。無理矢理英訳を考えることは可能ですが、「切磋琢磨」という概念自体が英語圏ではあまりないので、発言してもネイティブは「?」という感じかもしれません。 「切磋琢磨」に近いのは、
などの表現になります。 単に「inspire」という文言のみを使い、下記の例文のように言った方がネイティブには分かりやすいと思います。
We can inspire each other in the workplace.
職場で我々はお互いにインスパイアできる。
Steve and Bill inspire one another and work collaboratively to get things done.
スティーブとビルは仕事を終わらせるために、お互いに刺激し合い協力して働いている。
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「切磋琢磨」について理解できたでしょうか? ✔︎「切磋琢磨」は<せっさたくま>と読む ✔︎「切磋琢磨」は「学問や人徳を磨くために努力を重ねること・仲間同士で励まし競い合い向上すること」を意味 ✔︎「切磋琢磨」は仕事やスポーツ、学問・技芸・徳芸などと様々な分野で使うことができる ✔︎「切磋琢磨」の類語には、「修練」「鍛錬」「競い合う」などがある