1. TOP
  2. 日本語
  3. 意味の違い
  4. 「折衝」と「交渉」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説

「折衝」と「交渉」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説

「折衝(せっしょう)」の意味は、利害の一致しない相手と双方が納得するようにお互いに妥協をして折り合いをつけることです。例えば「折衝がうまい」「折衝につとめる」などと使います。「交渉(こうしょう)」の意味は、お互いが納得できるまで相手と話し合うことです。例えば「値段を交渉する」「賃上げ交渉中」などと使います。

「折衝」と「交渉」の違い

折衝(せっしょう)
双方が納得するように、お互いが妥協して折り合いをつけること。
交渉(こうしょう)
ある事を実現させるために、お互いが納得できるまで相手と話し合うこと。

「折衝(せっしょう)」の意味は、利害の一致しない相手とかけひきをして問題の解決をはかることです。 例えば「彼は折衝がうまい」「取引先との折衝に当たる」などと使います。 「交渉(こうしょう)」の意味は、取引をするために相手と話し合うことです。 例えば「取引先と交渉する」「現在交渉中だ」などと使います。 「折衝」は、目的を達成するために両者が妥協をしてお互いに納得する形にすることを表すのに対して、「交渉」は、お互いが納得することを目標に話し合うことを表します。 「交渉する」には「妥協する」という意味合いはありません。 また、「折衝」は組合対会社、国家対国家など公の場合に用いられる言葉で、個人対個人の場合に使うことはまれです。 一方「交渉」は、個人対個人や個人対団体など広く一般的に使われます。

「折衝」の意味と使い方

「折衝(せっしょう)」は

  • 利害の異なる相手と問題を解決するために話し合うこと
  • 外交的、政治的な談判またはかけひき

を意味しています。 「折衝」は元々中国の言葉で、敵が衝突してくるのを止めたり、攻めてくる敵の矛先を折ることが語源となっています。 「折衝」は主に、会社と組合・国家と国家といったように、公の取引に対して使います。 「折衝」は基本的に、個人と個人・個人と団体などの取引に関しては使いません。 「折衝」は、「折衝を重ねる」「外交折衝」といったように使います。 ビジネスシーンにおいての「折衝」は、「ある目的を達成するため、相反する意見の相手と話し合い、有利に事が運ぶように折り合いをつけること」を表します。 例えば「顧客折衝」といった場合は、顧客と見積もりの内容や納期などについて話し合い、合意点を見つけることを表します。

例文

  • 彼は日々、顧客との折衝に奮闘している。
  • 彼女は中国語が堪能なので、外人との折衝には非常に役に立つ。
  • 事件は現在、折衝中である。
  • 入社して早々に、取引先との折衝を命じられた。

「交渉」の意味と使い方

「交渉」は、

  • 相手と取り決めるために話し合うこと
  • かかりあい、関係

を意味しています。 「交渉」は「ある事を実現させるために、相手と話し合うこと」を意味します。 「折衝」と違い、「交渉」は「お互いが納得することを目標に話し合うこと」という意味合いになるので、利害関係が一致する場合と一致しない場合があります。 「交渉」はビジネスシーンだけではなく、日常会話においてもよく使われます。 「交渉」は、個人と個人・個人と団体・国家と国家などの取引といったように、幅広く用いることができます。 例えば日常生活において、「お小遣いを上げてほしいんだけど、いくらまでなら良いかな」といったやりとりも交渉と言えます。

例文

  • 私は彼女に値下げ交渉をする。
  • 締め切りを伸ばすことができないか交渉してみる。
  • 休めるかどうかわからないけど、取り敢えず上司に交渉してみよう。
  • 今度の交渉は計画通りに進んでいる。

「渉外」の意味と使い方

「渉外」は

  • 外部(主に外国)と連絡・交渉をすること
  • ある法律事項が国内だけでなく、外国にも関係すること

を意味しています。 「渉」は「各方面にわたって見聞する」「離れている先方にまで関係する事」を意味しています。 「外」は「外国」「会社外」「店舗外」を意味しています。 「渉外」は、具体的には「外回りの営業や外国との連絡・交渉」を意味します。 「渉外」は、「渉外担当」「渉外業務」「渉外部」「渉外活動」といったように使います。 渉外は一般的な企業ではほとんど存在しない業務です。 「渉外」は特定の業界や企業、主に金融業界や百貨店業界において、営業職という言葉の代わりに使われます。 基本的に、銀行や百貨店などの特定の顧客を対象とした営業活動を渉外と言います。特徴としては、不特定多数の顧客を相手にする一般営業と違い、対象となる顧客が限られている部分です。

例文

  • 私の希望している職種は銀行の渉外職です。
  • 彼のお兄さんは渉外弁護士です。
  • 私の家には頻繁に、百貨店の渉外担当が訪ねてくる。

まとめ

「折衝(せっしょう)」の意味は、自分も相手もある目的を達成するために妥協をしてお互いに納得できる形にすることです。 一方「交渉(こうしょう)」の意味は、お互いが納得することを目標に話し合うことです。 例えば、お互いに損のない金額になるように話し合うという場合は「交渉」を使います。

敬語・ビジネスマナーを学びたい方におすすめの書籍

敬語の使い方が面白いほど身につく本

元NHKアナウンサーの著者が教科書通りの敬語ではなく、様々なシーンで使うことができる生きた敬語表現を紹介しています。文法的に正しい敬語でも、言い回しや場面によっては相手に不快感を与えてしまう場合があります。こちらの本では ”気の利いた敬語” の使い方を、言葉のプロがコンパクトに解説しています。

この本の詳細を見る

入社1年目ビジネスマナーの教科書

ビジネスシーンでの正しい敬語の使い方から身だしなみ、電話対応などビジネスマナーについて幅広く書かれている書籍です。新入社員からベテラン社員まで使える大変便利な一冊です。イラスト付きで分かりやすくまとめられているので、スキマ時間でスラスラと読むことができます。

この本の詳細を見る

こちらの記事もチェック

言質を取るの「言質」の読み方と意味は?使い方や英語表現も紹介

WURK

「いただきたく存じます」は二重敬語?正しく意味と使い方、類語を紹介

WURK

「世知辛い」の正しい意味と使い方!英語表現や「世知辛い世の中」についても

WURK

敬語表現?「早々」の意味とビジネスでの使い方とは?迅速・早速との違いも

WURK

「心中お察しします」は上司に使える?正しく意味とビジネスでの使い方を解説

WURK

ビジネスでの「この度」の意味と使い方、類語、例文、英語表現を紹介

WURK

「予めご了承ください」の意味と場面別の使い方、類語、敬語表現を解説

WURK

「折を見て」の意味と正しい使い方、読み方、例文、英語表現を解説

WURK

「つきましては」の意味は2つある!正しい使い方、類語、例文、英語表現を紹介

WURK

敬語「お目にかかる」の意味と使い方、漢字、類語、その他の「会う」の敬語表現

WURK

「ご多忙」の意味とビジネスメールの使い方、「ご多用」との違い、類語や英語も紹介

WURK

「ご多忙」と「ご多用」の意味の違いと使い分けを例文付きで解説!

WURK

「感謝申し上げます」の意味は?手紙・ビジネスメールなどの例文、英語も紹介

WURK

「よろしければ」は正しい敬語?意味、漢字、類語、英語表現などを解説

WURK

「よろしかったでしょうか」は間違い!?理由とビジネスで使える正しい敬語を紹介!

WURK

「当方」の意味とビジネスでの使い方、例文、読み方、反対の表現、類語

WURK

「申し上げます」の意味とビジネスでの使い方!「いたします」との使い分けも解説!

WURK

「重ねてお詫び申し上げます」のビジネスでの使い方!例文、類語、英語も紹介

WURK

「深謝」の意味は?お詫びメールの使い方、「陳謝」違い、英語表現も紹介

WURK

「ささやかですが」「ささやかながら」の違いは?意味や漢字、類語、英語も紹介

WURK

トレンド

カテゴリーランキング

  1. TOP
  2. 日本語
  3. 意味の違い
  4. 「折衝」と「交渉」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説