「始祖」と「開祖」の違いはわかりますか?どちらも「祖」という漢字が使われており、「始」と「開」も意味が似ていますよね。そこで今回は「始祖」と「開祖」の使い分けを徹底的に解説していきます。
「始祖(しそ)」・・・「元祖」「先祖」と同義で、「ある物事を最初に行った人」という意味 「開祖(かいそ)」・・・「宗教・学問・伝統芸能において、はじめて一派を開いた人」
「始祖」も「開祖」も、「ある物事を一番最初に始めた人」と同じ意味合いを持つ言葉です。 ただ「開祖」は特に、宗教で宗派を最初に開いた人、学問・学芸で最初に流派を開いた人のことを指します。
「始祖」は「しそ」と読みます。 「始祖」の意味は、
です。 「始」は「新しい物事を行う」という意味で、「開始」「創始」などの熟語で使われています。 「祖」は「一族・家系のもと」という意味で、「高祖」「教祖」などの熟語があります。 「先祖(せんぞ)」「元祖(がんそ)」と同義です。 「始祖」は「家系の初代」を表します。この場合は「◯◯家の始祖」という使い方をします。 また、「ある物事を歴史上最初にやり始めた人」という意味で、「流派の◯◯」などと用いることができます。「創始者」と表現することもあります。 「始祖」は競馬用語としても使われています。競馬においては、世界中のサラブレッドの父方の血筋をたどると全て3頭の馬のなかの一つに当てはまるため、この3頭の馬が「サラブレッドの三大始祖」と呼ばれています。
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「開祖」は「かいそ」と読みます。 「開祖」の意味は、
です。 「開」は「今までなかったことを新しく行う」という意味があります。「開祖」とすることで、「一番はじめに行う」という意味になります。 「開祖」は「ある物事を最初に始めた人」を表します。特に、宗教・芸道・学問において流派をはじめに開いた人、宗派を開いた人を指します。 例えば、「浄土宗の開祖は法然だ」と使うことができます。この場合は「浄土宗という仏教の一宗派を開いたのは法然という人物である」というニュアンスになります。 宗教において宗派を開いた人物は「宗祖」と言うこともあります。 宗派によって、「開祖」「宗祖」「太祖」「教祖」「門祖」などそれぞれ異なった名称が使われます。
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