「招聘(しょうへい)」の意味は、礼儀を尽くして丁寧に招くことです。また、ある地位や待遇などを用意して必要な人に来てもらうことです。「招聘する」「招聘される」などの形で使います。「招請(しょうせい)」の意味は、一時的に頼んで来てもらうことです。例えば招聘する側が、招聘される側に渡す手紙を「招請状」といいます。
まず「招聘」「招請」「招待」の3つの意味をおさらいします。 「招聘」は、「礼儀を尽くして丁寧に人を招くこと」 「招請」は、「一時的に頼んで来てもらうこと」 「招待」は、「客を招くこと」 さらに、「招聘」には「目上の人が目下の人に対して地位などを用意して招く」ことといった意味も含まれ、「招請」には「一時的に地位や実績のある人を招く」といった意味が含まれます。 サッカーで例えていえば 「監督が選手を日本代表メンバーとして招聘する」 「日本チームのオリンピックへの強化に向け海外のコーチを招請する」 「友人をサッカー観戦に招待する」 となります。 相手や状況によって使い分けましょう。 それでは1つずつの使い方を例文とともに詳しく見ていきましょう。
「招聘」は<しょうへい>と読みます。 意味は、「礼儀を尽くして丁寧に人を招くこと」です。 「招」という字は、「招く(まねく)」と訓読みします。 意味も「招く」「手招きする」「呼び寄せる」となります。 「聘」という字は、「とう」と訓読みし、これは「訪う(とう)」と同じ意味です。 「訪ねる」「訪れる」「礼を厚くして、人を招くこと」「礼を厚くして他国を訪れること」といった意味です。 ※「聘」は、常用漢字ではないためニュースや新聞などでは「招へい」と記されることが多くあります。
「招聘」は、「礼を尽くして人を招くこと」ですが、「ある地位や待遇などを用意して、必要な人に来てもらうこと」といった意味で使われています。 この場合は、招く側の人の地位が、招かれる側の人の地位よりも上の場合に用いられます。 要するに目上の人が目下の人を呼ぶということです。 例えば、スポーツにおける監督が「日本代表」といった地位などを用意して選手に来てもらうことを指します。 この場合は「監督が○○選手を日本代表メンバーとして招聘する」と使います。 戦国時代で言えば、豊臣秀吉が竹中半兵衛を軍師として招くことを「秀吉が半兵衛を招聘する」と使います。 言い回しは、
となります。 詳しい使い方は例文を参考にしてください。
○招聘者 意味:招聘をする人、必要な人に来てもらうように頼み招いた人のこと ○非招聘者 意味:招聘された人、来てもらうように頼まれて招かれた人のこと ○招聘事業 意味:主に規定を定めて外国人を日本に招き研修やプログラムを行う事業のこと …専門知識を持った外国人研究者を呼んだりや国際的なプログラムのためにその国の人を呼んだりします
企業のグローバル化が進む中で、知っておくべき言葉のひとつに「招聘状」というものがあります。 これは招聘する場合にもされた場合にも、招聘された人が入国をする際にビザの発行が必要になります。 そのビザの発行での審査で必要となるのが「招聘状」です。 これは招聘する側が、招聘される側に渡す招待状のようなものです。 この「招聘状」はビジネスだけではなく、例えば外国に住む日本人が日本から家族を呼び寄せたり、また海外にいる家族などを日本に呼び寄せたりする場合するケース。人から人への招聘の場合にも必要になります。 「招聘状」は、招聘理由や招聘者との関係などを記入します。 またその書類は「招へい理由書」とも呼ばれています。 書面には「招へい理由書」と書かれている場合が多くあります。
「大学の教授として招聘された」 「優秀な学者を招聘したい」 「ここの劇団は外部俳優の招聘も多く行い、観客を楽しませるために尽力している」 「副社長は若かりし頃に社長から直々に招聘されたらしい」 「美術に造詣の深い彼女はアメリカから招聘を受けていたが、それを断り地元の美術館に勤めた」 「この街では昨年からさまざまな指揮者やピアニストを招聘して、音楽祭のプロデュースを委託している」
「招請」は<しょうせい>と読みます。 また、<しょうじょう>とも読みます。 意味は、「頼んで来てもらうこと、招き迎えること」です。 「請」という字は、訓読みで「請ける」の他に「請う(こう)」があります。 この「請う」には、「願う」「どうか〜してほしい」といった意味があります。 「招請」にはその「願う」「どうか」の意味が使われ、「頼んで招く」といった意味なりました。
「招請」は、「頼んで来てもらう、招き迎えること」ですが「一時的に、地位や実績のある人に来てもらうこと」といった意味でも使われています。 分かりやすく言うと、講演会や大きなイベント、また専門的なプロジェクトを行う時など、一時的に地位や実績のある人に、お願いして来てもらうといったことです。 例えば皇太子夫妻をオリンピック開会式に招く時も「招請する」と使えます。 また、光化学に関係のある事業を始めようとしたときに、その会社には専門家がおらず、外部から光化学における専門家を事業の間だけ頼んで来てもらうことも「招請する」と言います。 地位などを関係なしに使うこともあり、その場合は「頼んで来てもらう」ことを表して使います。 言い回しは、
となります。 詳しい使い方は例文を参考にしてください。
○招請状 意味:招いて来て貰うための書類や書簡のこと、招請するための書類 ○招請講演 意味:招請された人による講演のこと ○意見招請 意味:入札公告に先立って、調達の仕様書案について企業から仕様書案への意見を求めること ※入札公告…発注する機関が入札情報などの調達に関わる情報を公開すること ※調達…発注元が欲する物件を企業に対し、公募や入札等を使い用立てること これは入札用語のため、難しい言葉ですね。 また、「招請者」や「招請事業」といった言葉は基本的に使われていません。 「招聘者」や「招聘事業」と混同している場合がありますので、注意しましょう。
「皇太子夫妻をオリンピックの開会式に招請する」 「我が社の新プロジェクトにあたり光化学における専門家を招請した」 「外国人選手がやっと招請に応じてくれた」 「取り急ぎ、招請状の準備が必要となった」 「招請講演に向けてスタッフの配置を調整する」
「招待」は<しょうたい>と読みます。 意味は、「客を招くこと、招いてもてなすこと」です。
「招待」は一般的にも広く使われている言葉です。 日常生活から、ビジネスシーンなどどのような場面でも使うことができます。 また、誰が相手でも使えるため、目上の人に使っても失礼にはあたりません。 結婚式なども、招待状として家族や友人、会社の同僚や目上の人にまで同じもので送ります。 言い回しは、
となります。
「友人を誕生日会に招待する」 「結婚式の招待状の絵柄を決める」 「招待されてパーティーに行く」 「彼だけは彼女の招待に応じなかった」 「私の招待を受けていただけますか?」 「あんたのことなんか招待していないわよっ!!」
「招請(しょうせい)」の意味は、頼んで来てもらったり、招き迎えることです。「請」には願うという意味があります。「招聘(しょうへい)」の意味は、礼儀を尽くして丁寧に人を招くことで、招く側の人の地位が招かれる側の人の地位よりも上の場合に使います。
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