「ご足労おかけしますが」「ご足労いただき」は、結婚式のスピーチなどで耳にしたことがあるフレーズだと思いますが、正しい意味と使いかたはご存知でしょうか?今回は、「ご足労おかけしますが」と「ご足労いただき」のそれぞれの意味と使い方を例文付きで紹介しますので参考にしてください。
「ご足労おかけしますが」は、「わざわざ足をお運びいただき申し訳ありませんが」というような意味合いで使用される言葉です。 「ご足労おかけしますが」は、「ご足労」という言葉と「かける」という言葉が使用されています。 「ご足労」の意味は、「相手にわざわざ足を運んでもらう」という意味のある言葉です。 「おかけします」は、「時間・費用・労力などをそのために使うこと」を意味しています。 「ご足労」に使用されている「労」には「ねぎらう」という意味があるので、「労力や時間を割いてもらうことへの申し訳無さ」を表現した言葉になります。 つまり、「わざわざ足を運んでいただき申し訳ありませんが」というような意味合いになります。 主に、すでに足を運んでもらうことが決定している場面で足を運んでもらう前に使うと「面倒をおかけして申し訳ありませんが」というニュアンスで使われる表現です。
「ご足労おかけしますが」は、足を運んでもらうときに使用する感謝の言葉です。 「足労(そくろう)」は、「 足を疲れさせること・足を運ばせること 」という意味がある言葉で「足を運んでもらう時」つまり、「来てもらう」というような場面で使用します。 相手に足を運んでもらうことが決定しているような場面で「わざわざ足を運んでいただきもうしわけありませんが〜」という意味で「ご足労おかけしますが〜」と使用されます。 例えば、「ご足労おかけしますが、よろしくお願いいたします」というような使い方です。
「ご足労おかけしますが」は敬意を示した表現であるため目上の相手にも使用することができます。 目上の相手にお願いをしたりする場面で、「お忙しいところ〜」というような言葉の前に添えて使用するクッション言葉で「ご足労おかけしますが」と使用することができます。 足を運ぶという行為以外の目上の人が行う行為に対して使用することもありますので頭に入れておくといいでしょう。 しかし、目上の人に対してであっても、取引先で同席している社内の上司に「ご足労をおかけしますが」と使用することはできません。 社外の人も前で社内の人を敬うような言い回しを使用することは誤用なので注意しましょう。 例えば、自分が担当する商談に上司に一緒に来てもらうといった場合に、社内やメールで「ご足労おかけしますがよろしくお願いいたします」というように伝えることはできますが、取引先相手のいるすの場で自分の上司に対して「ご足労おかけしますが」と使用するができないということです。
「ご足労をおかけしますが」は、申し訳ない気持ちを表す表現です。 「ご足労」は、自分が赴くところを相手にわざわざ来てもらうということに対して申し訳なく思っていることを伝える表現となります。 「おかけする」は、「ご足労おかけしますが」の意味でも説明したように、「時間・費用・労力などをそのために使う」ということを意味しています。 「足をは運んでもらう」ということは、相手に来てもらう時間や費用、労力を使わせてしまうということですので、申し訳ないという労う気持ちを「ご足労おかけしますが」という言葉で言い表します。
「ご足労おかけしますが」の後は、「よろしくお願いいたします」を使用することがほとんどです。 「ご足労おかけしますが」は、相手に来てもらう前に使用する言い回しなので、後のは「よろしくお願いします」というように続け、「足を運んでいただき申し訳ありませんがよろしくお願いします」という気持ちを伝えます。 相手が来てくれるということが決定したタイミングで「よろしくお願いします」と伝えるのに使用し、 結婚式などでも、遠方から来られる人に対して使用することができますので覚えておきましょう。
「ご足労おかけしますが」より丁寧な言い回しは、「ご足労おかけし恐縮ですが」となります。 「恐縮」は「相手の厚意を受け入れて恐れ入る」という意味なので、感謝やお礼を伝える場合に使用することで、「相手の好意をありがたく思っている」という意味合いを強めます。 また、「恐縮ですが....」と依頼することによって、「迷惑をおかけしますが...」などと謙遜した気持ちを表すことができ、「申し訳なく思う」という相手への配慮も示すことができます。
さらに、より丁寧な言い回しは「ご足労おかけし恐縮ですが、「何卒よろしくお願い申し上げます」となります。 「恐縮」については上述の「ご足労をおかけし恐縮ですが」を参考にしてください。 「何卒よろしくお願い申し上げます」の「何卒」は、「どうぞ」をより固く表現した言い回しとなります。 「期待する」というニュアンスが含まれていて、相手に何かを強くお願いする場合に用いる表現となり、依頼の強調表現になります。 「何卒よろしくお願い申し上げます」の「よろしく」は希望の実現のために相手になすべき配慮を期待していう語になります。 従って、「ご足労おかけし恐縮ですが、何卒よろしくお願いもうしあげます」はかなり丁寧な労いの言葉であり、さらに丁寧によろしくお願いしますという気持ちを伝えられる言い回しであることがわかります。
「ご足労いただき」の意味は「わざわざ足を運んでくださって」です。 「ご足労」は、先程も説明したように「相手にわざわざ足を運んでもらう」という意味のある言葉です。 「ご足労いただき」の「いただき」は、「〜をしてもらう」という補助動詞として使われている為、漢字ではなく平仮名で表記します。 つまり、「ご足労いただき」は「わざわざ足を運んでもらう」という意味の言葉であるということがわかります。
「ご足労いただき」は、主に足を運んでもらった後に使用する言葉です。 「いただき〜」という言葉は「〜をしてもらう」という意味のある言葉で、何かをしてもらった後に「〜をしていただき」と使用することが基本です。 例えば、「〜をしていただきありがとうございます」というような使い方です。 よって、「ご足労おかけしますが〜」は、「足を運んでもらう前」に使用する言葉であり「ご足労いただき」は「足を運んでもらった後」に使用する言葉であることを頭に入れておきましょう。
「ご足労いただき」は目上に相手にも使用できる言葉です。 「いただく」という言葉は、「〜してもらう」という言葉の謙譲語なので、目上の人に対して敬意を示すことができる表現です。 よって、「ご足労いただき」を目上の相手に使用しても問題はないといくことになります。 ただし、「ご足労おかけしますが」と同様に、社外の人が居合わせている場合に同じ社内の人間を「ご足労いただき」という言葉をかけるのは不適切ですので注意が必要です。
「ご足労いただき」は、「感謝の気持ちを表す言葉」です。 「ご足労いただき」の「〜いただき」は、何かをしてもらった後に使用することが基本であるということを先程も説明しましたが、何かをしてもらった後には、してもらったことに対するお礼の気持ちを述べるのが自然な流れだと思います。 つまり、「ご足労いただき」は「足を運んでもらったことに対する感謝の気持ち」が込められている言葉だということです。
「ご足労いただき」の後は「ありがとうございます」が基本です。 「ご足労いただき」の「〜いただき」は、何かをしてもらった後に使用することが基本であり、お礼の言葉が込められているということを前述しました。 「ご足労おかけしますが」は、足を運んでもらう前に「足を運んでいただき申し訳ありません」といったように「申し訳ないという」という気持ちが込められていますが、「ご足労いただき」はその逆で、足を運んでもらった後の「感謝の気持ち」が表現されています。 従って、「ご足労いただき申し訳ありません」というような使い方をするよりも「ありがとうございます」というようなお礼の気持ち使用すことが基本となります。
結婚式などでも使う「お足元に悪い中、ご足労いただきありがとうございます」という言い回しを紹介します。 「お足元」というのは、「足がついている地面」を意味しています。 「お足元が悪い」というのは「地面がぬかるんでいる」といような「歩きにくい」という状況を言い表しています。 つまり、来てもらった日に雨が降っていたというような悪天候な日に足を運んでいただいた場合に「お足元に悪い中、ご足労いただきありがとうございます」というような良い回しを使用します。
「おご足労いただき恐縮ですが、〜」は、来る前に使うこともある言い回しです。 「恐縮」という言葉は先程も説明したように「相手の厚意を受け入れて恐れ入る」という意味があり「申し訳ない」という気持ちが込められている表現となります。 この場合は、「いただき」を使用している言葉ではありますが、「わざわざ足を運んでもらうことになり大変申し訳ないのですが〜」というように、相手が来る前に使用することもありますので覚えておきましょう。
「ご足労いただきますようお願いいたします」というように、こちらに出向いてもらうようにお願いする時に使用する場合もあります。 「ご足労いただきますようお願いいたします」は、相手に来てもらわなければならないときに使用する言い回しです。 「いただきますようお願いします」は、「〜してもらうようお願いします」というように、丁寧で柔らかいニュアンスのお願いの仕方になります。 さらに、「ご足労賜りますようお願い申し上げますという言い回しをすると、よりかしこまった表現となり、取引先相手やお客様に出向いてもらうような場面にふさわしいです。 「大変恐縮ですが」や、「お忙しいところ申し訳ありませんが」というような、クッション言葉を前につけると印象が良くなります。
「ご足労おかけしますが」のようにクッション言葉的に使う英語表現はありませんが、来てくれたことに対する感謝をいう表現はもちろん存在します。 「Thank you for coming all the way to visit us.」などと言えばよいでしょう。「all the way」で「はるばる」という意味で、相手がわざわざ来てくれている、というニュアンスを出すことができます。
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「ご足労おかけしますが」「ご足労いただき」について理解していただけましたか? ✓「ご足労おかけしますが」の意味は「わざわざ足をお運びいただき申し訳ありませんが」 ✓「ご足労おかけしますが」は足を運んでもらうときに使う ✓「ご足労おかけしますが」は申し訳ない気持ちを表す言葉である ✓「ご足労いただき」は、「わざわざ足を運んでくださって」 ✓「ご足労いただき」は、主に足を運んでもらった後に使う言葉である ✓「ご足労いただき」は感謝の気持ちを表す など
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