「相対的」「絶対的」という言葉をご存知でしょうか?「相対的な評価」や「絶対的な評価」というような使い方をします。今回は「相対的」と「絶対的」の意味と使い方の違いを例文つきで紹介します。また、「相対的」「絶対的」のそれぞれの類語も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
▶「相対的」・・・「物事が他との関係や比較の上に成り立つさま」 ▶「絶対的」・・・「他の何物ともくらべようもない状態・存在であること」
「相対的」とは、対象となるものを、「他のものと比較した時のそのものの価値」であり、「絶対的」は「他のものと比較できないぐらいに価値がある」ということです。 例えば、「相対的に少ない」という使い方をすると、「他と比べて少ない」という意味になり「絶対的に少ない」という使い方をすると「他と比べようもないほど少ない」という意味になります。 つまり、「相対的」と「絶対的」の違いは「比較する対象があるか・ないか」です。
「相対的貧困」は「そうたいてきひんこん」と読みます。 「相対的貧困」とは「ある国や地域社会の平均的な生活水準と比較して、比較が著しく低い状態」であることをいいます。 「絶対的貧困」とは「各国の最低生活保障制度で定められる基準値以下の収入の状態であること」をいいます。 わかりやすく言い表すと、「相対的」は、「一般的な家庭と比べると貧困である」ということであり、「絶対的貧困」は「比較の対象がないほどに貧困である」つまり、「最低限度の生活を維持することも困難であるほどの貧困」ということです。
「欠格」とは「資格を失うこと」で、「欠格事由」とは「資格を失う事柄」のことです。 「相対的欠格事由」は、「そうたいてきけっかくじゆう」と読みます。 「相対的欠格事由」の意味は、「場合によっては欠格となり得る事柄」です。 「絶対的欠格事由」は「ぜったいてきけっかくじゆう」と読 みます。 「絶対的欠格事由」の意味は、「直ちに欠格となる事柄」です。 簡単に違いを言い表すと、「相対的欠格事由」は「資格を失う可能性のある事柄」「絶対的欠格事由」は「絶対に資格を失う事柄」ということです。
「相対的」は「そうたいてき」と読みます。 「相」は、音読みで「そう・しょう」訓読みで「あい」と読みます。 「相」は、「みる・外にあらわれたかたち」「たすける」「あい・たがい」「うけつぐ」といった意味のある漢字です。 「対」は、音読みで「たい・つい」訓読みで「むかう・つれあい」と読みます。 「対」の持つ意味は「むかう・むきあう」「つりあう・みあう」「つれあい」「こたえる・応ずる」「つい・そろい」です。 「的」は、音読みで「てき」訓読みで「まと」と読みます。 「的」は「まと・めあて・ねらい」「あたる・たしか・あきらか」という意味がある漢字です。
「相対的」の意味は「物事が他との関係や比較の上に成り立つさま」です。 「相対」とは、「そのものが他との関係の上で存在あるいは成立すること」です。 つまり、「相対的」とは「他のものとの比較した場合の状態や価値」ということです。 「他のものと比較の上に成り立つさま」である為、比較する対象のものによって基準が変わります。 例えば、「学力の相対的評価」とは、学年全体の成績を比較したときの個人の成績を評価する制度のことをいいます。 つまり、学年全体の成績のレベルによって個人の評価も変わってくるということになります。 個人のみで判断するのではなく、全体的なものと比較するのが「相対的」です。
●比較的 「比較的」は「ひかくてき」と読みます。 「比較的」の意味は「他の同種のものや一般的な標準と比べて考えると」です。 例えば、「比較的簡単だ」という使い方をすると「一般的な基準よりも簡単だ」という意味になります。 〇「比較的」を用いた例文 「小学生にしては比較的運動神経の良いほうだと思います」 「彼は比較的冷静な人なので、取り乱しているところを見て心底驚いた」 「比較的いつも暇だからいつでも声かけてね!」 ●割と 「割と」は「わりと」と読みます。 「割と」の意味は「予想された程度をやや超えている様」です。 「思っていたよりも・予想より比較的」といった意味合いで使用されます。 例えば、「割と元気だね」とは「思っていたよりも元気だね」というような意味になります。 〇「割と」を用いた例文 「はじめて手作りでケーキを作ったが割と上手にできたと思う」 「数学は割とできるほうだったので理系に進学しました」 「割と本気で結婚したいと思ている」 ●比べると 「比べると」の意味は「二つ以上のものをつき合わせて差異や優劣を調べると」です。 例えば、「昨年に比べると今年は~」というような使い方をします。 〇「比べると」を使用した例文 「昨年に比べると今年の冬の雨量は少ない」 「平均的な小学生男児の身長に比べると、かなり低いほうではある」 「昨日と比べると今日は身体の調子がだいぶいいです」
「絶対的」は「ぜったいてき」と読みます。 「絶」は音読みで「ぜつ」訓読みで「たえる・たやす・たつ」と読みます。 「絶」には「たつ・やめる」「たえる」「へだてる」「ことわる」「すぐれる・このうえない」「きわめて」という意味があります。 「対」は、音読みで「たい・つい」訓読みで「むかう・つれあい」と読みます。 「対」の持つ意味は「むかう・むきあう」「つりあう・みあう」「つれあい」「こたえる・応ずる」「つい・そろい」です。 「的」は、音読みで「てき」訓読みで「まと」と読みます。 「的」は「まと・めあて・ねらい」「あたる・たしか・あきらか」という意味がある漢字です。
「絶対的」の意味は「他の何物とも比べようもない状態・存在であること」です。 「絶対」とは、「比較や対立を超えた存在である」ということを表した言葉です。 例えば、「絶対的な存在」というのは「神のような比較対象がいない圧倒的な存在というような意味です。 「相対的」は、比較対象があり、比することで価値がついたり評価も変わるものですが、「絶対的」は他のものと比較することがないので、そのものの価値は変わりません 「相対的」の意味で「相対的評価」の説明をしましたが、「相対的評価」の対義語は「絶対的評価」になります。 「絶対的評価」とは「個人の能力を評価したもの」になります。 組織や集団の成績に左右されることなく、「個人のみの能力」を評価することを「絶対的評価」といいます。
●完璧 「完璧」は「かんぺき」と読みます。 「完璧」の意味は「まったく欠点がないこと」です。 「欠点や不足がなく非常に立派なこと」を「完璧」といいます。 〇「完璧」を用いた例文 「顔もよくて性格もいいなんて、彼女は完璧な女性だね!」 「初心者にしては完璧な出来栄えに驚きを隠せなかった」 「完璧に作業をしたはずだったが、抜けがあったようで指摘されてしまった」 ●完全無欠 「完全無欠」は「かんぜんむけつ」と読みます。 「完全無欠」の意味は「欠点や不足がないこと」です。 「欠点や不足がなくて、非のうちどころがないような様」を「完全無欠」といいます。 〇「完全無欠」を用いた例文 「いくら完全無欠な人間だと言っても、ミスすることだってありますよ」 「彼の長年月をかけた完全無欠な計画は、成功したようだ」 「完全無欠の生命体を発見してしまったかもしれない」 ●唯一無二 「唯一無二」は「ゆいいつむに」と読みます。 「唯一無二」の意味は「ただ一つだけあって二つとないこと」です。 〇「唯一無二」を用いた例文 「彼は私にとって唯一無二の存在です」 「このお店には唯一無二の絶品ラーメンがある」 「彼にとってこのぬいぐるみが唯一無二の宝物だった」
「相対的」と「絶対的」の意味と使い方の違いを理解していただけましたでしょうか? ✓「相対的」は「そうたいてき」と読む ✓「相対的」の意味は「物事が他との関係や比較の上に成り立つさま」 ✓「絶対的」は「ぜったいてき」と読む ✓「絶対的」の意味は「他の何物ともくらべようもない状態・存在であること」 ✓「相対的」と「絶対的」の違いは「比較する対象があるか・ないか」 など
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