「感謝の念に堪えません」という言葉をご存知でしょうか。かなり堅苦しい表現なので、日常生活では使用されることはほとんどないかもしれませんが、退職する場面などかしこまった場面で感謝の気持ちを伝えるのに使用することができます。今回は、「感謝の念に堪えません」の意味を正しい使い方を紹介します。また、「感謝の念に堪えません」の言い換え表現や英語表現も紹介しますので参考にしてください。
「感謝の念に耐えません」の読み方は「かんしゃのねんにたえません」と読みます。 「感謝の念に耐えません」や、「感謝の念には絶えません」は間違いですので、特に文章で使用する場合には誤表記に注意しましょう。
「感謝の念に堪えません」は、「抑えきれないほど沸き上がる感謝の気持ち」を表現している言葉です。 「感謝」は、「ありがたいと思う気持ちを表すこと・その気持ち」のことで、「念」には「思い・気持ち」という意味があるので「感謝の念」は「ありがたいと感謝する気持ち」という意味であることがわかります。 「堪えません」は「耐える」に打ち消しの助動詞「ない」をつけた「堪えない」の丁寧語です。 「堪えない」は、「感情などを抑えることができない」という意味です。 したがって、「感謝の念に堪えません」は「抑えることができない感謝の気持ち」を表現している言葉であり、「謝をしている」という気持ちを強調する言葉であるということがわかります。
「感謝の念に堪えません」の「ません」は丁寧語なので、「感謝の念に堪えません」は敬語表現となり、目上の人に対して使うことができます。 上記でも説明したように、感謝の気持ちを強調する言葉としてお礼を伝える場面で使用される言葉ですが、 「感謝の念に堪えません」は、とても丁寧な表現なので、日常会話ではもちろんのことビジネスシーンでさえもあまり一般的には使用されない表現です。 「感謝の念に堪えません」は、非常に堅苦しい表現となるため特別な場合に使われます。 「感謝の念に堪えません」の主な使用場面については後述します。
「感謝の念に堪えません」は退職や転職の際の挨拶として使用することができます。 「感謝の念に堪えません」は、退職や転職、移動の際に今までお世話になった方々へ深い感謝の気持ちを伝えることができる表現です。 例えば、「今春より、〇〇部へ移動することとなりました。こちらの部署では沢山のことを学ばせていただき、感謝の念に堪えません」というような使い方をします。 自分を同等の立場の人や、目下の人の使用する表現ではありませんが、会社全体や部署全体へ挨拶する場合は、目上の人に向けて丁寧な表現をしましょう。
「感謝の念に堪えません」は、感謝状や表彰状などの文言としても使用されます。 「感謝状」とは、日頃の感謝を言葉としてあらためて書状にしたものです。 例えば、定年退職といった場面で会社から個人や、ボランティア活動などに対して感謝の気持ちを込めて授与されます。 「表彰状」は、ある活動において優秀な成績をあげたり、功績を残したあるいは、他の人の模範となるような善業があった場合に讃え与えられる書状のことをいいます。 「感謝状」や「表彰状」など社会的な信頼度も高く名誉もある文章であるため、「感謝の念に堪えません」という堅苦しい文章を使用しても違和感なく使用することができます。
「感謝の念に堪えません」は、年賀状や手紙で日頃の感謝を伝えることができる表現です。 「感謝の念に堪えません」を使用して一年お世話になったことの対するお礼の気持ちを丁寧に伝えることができます。 例えば、「昨年は何かとお世話になり感謝の念に堪えません。今年も一年よろしくお願いいたします」というように使用します。 年賀状以外でも、手紙などの文面で日頃の感謝を伝えるのに使用できます。 「感謝の念に堪えません」は先程から述べている通り、非常に堅苦しい表現なので口頭で使用するよりもビジネスメールなど文章面で使用することが多い言葉です。
「感謝の念に堪えません」は、上述している通り堅苦しく、使用できる場面も限られています。 普段よく使われる、相手に感謝の気持ちを伝えるという場面にふさわしい失礼のない表現方法をいくつ紹介します。
「誠にありがとうございます」は、相手に対して感謝の気持ちを伝える言い回しです。 「ありがとうございます」は、形容詞「ありがたい(有り難い)」の連用形+「ある」の丁寧語「ございます」で成り立っています。 「誠に」は副詞で、「間違いなくある事態であるさま」「本当に」「じつに」といった意味になります。
「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」といった場合は「感謝を言わせていただきます」という意味合いになります。 これは「ありがとうございます」を言う前に「言いますよ」といった意味で使うわけではなく、「感謝申し上げます」自体に「ありがとうございます」という意味が含まれています。 「感謝申し上げます」は謙譲表現なので、取引先など目上の人に対して使える表現で、上司や取引先などビジネスシーンでもよく使われています。 「衷心より」という言葉を頭に付けて「衷心より感謝申し上げます」とすると、より丁寧な表現になります。
「深謝いたします」は、「しんしゃいたします」と読みます。 「深謝」の意味は「深く感謝すること・丁寧に詫びること」です。 ”感謝する”という意味での「深謝」は、主にお礼状やビジネスメール、スピーチなどで、深い感謝を示す場合に使います。主に、改まった場面で使うことが多いです。 「拝謝いたします」は、「はいしゃいたします」と読み、”礼を述べることの謙譲語”です。 「拝」は「拝む(おがむ)」ことを表す言葉なので謙遜の気持ちを表し、「拝謝」は「感謝」の謙譲語となります。 「拝謝」はお礼状や手紙など書き言葉として使われることがほとんどで、話し言葉としては使いません。
「感謝の念に堪えません」の英語表現は、
I can't thank you enough.
I can't express how grateful I am.
I don't know how to thank you.
などとなります。 「感謝してもしきれない」「どのようにお礼すればいいかわからない」というニュアンスです。
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「感謝の念に堪えません」という言葉について理解していただけましたでしょうか? ✓「感謝の念に堪えません」は、「かんしゃのねんにたえません」と読みます。 ✓「感謝の念に堪えません」の意味は、「抑え切れないほど沸き上がる感謝の気持ち」 ✓「感謝の念に堪えません」は、敬語表現なので、目上の人に使うことができる ✓「感謝の念に堪えません」は、退職や転職、異動の際の挨拶などで使用されるなど