「課題」は英語でどのように表現すればよいでしょうか?そもそも日本語の「課題」という言葉に複数のニュアンスがあるので、それぞれに対する英語表現を考える必要があります。今回は「課題」という分かりづらい言葉の英語表現を徹底解説していきたいと思います。
まず日本語の「課題」には下記の通り、大きくわけると3つの意味があります。
3つのニュアンスがあり、それぞれの意味を表す英語表現は異なります。 今回はそれぞれの英語表現を詳しく見ていきます。
課題の英語表現まとめ ◯「与えられた題目や議題」 theme:「特定の」題目や議題 subject:「大きな」題目や議題 topic:「subject」の傘下にある「小さな」題目や議題 agenda:「政治やビジネスシーンなどフォーマルな場における」題目や課題 ◯「与えられた仕事や宿題」 task:「義務として課された困難な」仕事 assignment:「割り当てられた」仕事、任務 homework:「(学校の)宿題」 exercise:「練習問題」 ◯「解決されるべき問題」 problem:「深刻な」問題 issue:「議論されるべき」問題点 challenge:「難しい課題、やりがいのある」課題 question:「かなり広く様々な場面で使われる」問題
「与えられた題目や議題」を表す英語表現に「theme」があります。 これは、日本語でもよく「テーマ」と言われる英語表現です。 しかし、実際の「theme」の発音は「テーマ」ではなく「θiːm」となるので注意しましょう。 「theme」は「(作品、演説、書物などの)主題、テーマ」を示し、後ほど紹介する「subject」と同義です。 日本語での「テーマパーク」は「theme park」、「テーマソング」は「theme song」となります。 例文を見てみましょう。
The theme of our presentation is globalization.
我々のプレゼンテーションのテーマはグローバル化についてです。
Where is the nearest theme park from here?
ここから一番ちかいテーマパークはどこですか?
「与えられた題目や議題」を表す英語表現に「subject」があります。 「subject」は大きな項目の題目や議題を指します。 ひとつ大きな課題の「subject」に対し、小さな小課題である「topic」が複数あるイメージです。 例えば、大きな課題「subject」を「環境問題」とするとその中の小さな課題「topic」は「地球温暖化」「大気汚染」「異常気象」などとなります。 ちなみにこの「subject」 は「題目や議題」の他に、「教科」や「主語」の意味も持ちます。 文脈によってニュアンスが異なるので注意しましょう。
Our subject for discussion will be environmental issues.
ディスカッションの議題は環境問題となります。
What is your favorite subeject?
好きな教科は何ですか?
"I" is the subject of the sentence "I like to cook".
「私は料理が好きです」の「私は」は文章の主語です。
「topic」は「与えられた題目や議題」を表す英語表現の一つです。 上記で紹介した「subject」が大きな課題を表すのに対し、その中にある小さな課題を指すのが「topic」となります。 例えば、大きな課題「subject」を「環境問題」とするとその中の小さな課題「topic」は「地球温暖化」「大気汚染」「異常気象」などとなります。 「topic」は「(小さな)課題」以外に、「話題」や「見出し、項目」などのニュアンスで使われることもあります。「topic sentence」で「主題文」となり、こちらはよく学術的な面で使われる英語表現です。
Our main subject is environmental issues. What are the possible topics?
課題は環境問題ですが、考えられる小課題は何がありますか?
The hot topic on the internet is Tokyo olympics.
今、ネット上で話題のトピックは東京オリンピックです。
「agenda」は主に、「議題」や「予定表」などの意味で使われることが多い英語表現ですが、その他に「政治における課題、政策」や「やるべき課題、取り組むべき課題」などの与えられた題目や議題のニュアンスももちます。 たまに、日本語でも「今日の会議のアジェンダは...」などと使っている人がいますよね。 この場合の「アジェンダ」は「今日の会議の議題は...」となります。 「◯◯党のアジェンダは...」と使われる場合は「◯◯党の政策は...」というニュアンスです。
There are many important items on the political agenda.
やるべき政策はたくさんあります。
This is a copy of the agenda for today's meeting.
こちらが今日の会議の議題の原稿です。
「task」は義務として課された困難な「仕事」を指します。 他に「コンピューターが処理する仕事の最小単位」という意味でも使われることがあります。 日本語でもよく「タスクが山ほどあって大変」などという形で使われていますよね。 ここでの「タスク」は「与えられた仕事」というニュアンスです。 「mutitask(マルチタスク)」や「mutitasking(マルチタスキング)」という表現は、「(2つ以上の)課された任務を同時に行うこと」を指します。 「 perform (undertake) a task」で「任務を遂行する」また「 face a daunting (difficult) task」で「困難な課題に直面する」というイディオムですので、こちらは覚えておくと便利です。
Gathering information in English is never an easy task.
英語での情報収集は簡単な仕事では決してない。
My boss begged me to undertake the task of opening pop-up store.
ボスは私にポップアップストア開店の任務をお願いしてきました。
We are facing the difficult task of restructuring the public transportation system.
公共交通機関の再構成の課題に直面しています。
「assignment」も、上記で紹介した「task」と同様に、「与えられた仕事や宿題」のニュアンスを持つ英語表現です。 「assignment」は「割り当てられた任務、仕事」の意味合いがあります。 「...の任務」は「on (an) assignment for...」となります。 「assignment」は「宿題、研究課題」の意味も持ち、この場合は「homework」と同義の意味です。
I visited Omotesando Hills on an assignment for magazine.
雑誌の取材で表参道ヒルズを訪問しました。
I have to submit my math assignment by tomorrow morning.
明日の朝までに数学の宿題を提出しなきゃいけないんだ!
「homework」は、上記で説明した「assignment」と同様、「(学校の)宿題」の意味があります。 「家での仕事」なので、学校の授業以外でこなすべき課題を指します。 ちなみに、授業内で行う課題などは「classwork」となります。
Don't forget to bring your homework tomorrow!
宿題を明日忘れないように持ってきてくださいね。
「exercise」は日本でもそのまま「エクササイズ」と使われているように、「健康維持、体力強化のための運動」という意味で主に使われますが、「exercise」には「練習問題」というニュアンスもあります。 「練習問題」という意味で使われる場合、「exercise」には「既に習得している技術を更に上達されるために定期的に行う練習」という意味合いがあります。 数学や英語の授業などで行う「エクササイズ」は「練習問題」の意味となります。 書き言葉でよく「ex.」 と書かれることがありますが、「例」の「example」と「練習問題」の「exercise」の両方の意味があるので混同しないように注意しましょう。
This textbook has exercises at the end of every chapter.
この教科書は、各章の終わりに練習問題があります。
「problem」は「解決すべき困難な問題」という意味です。放置しておけば、ネガティブな影響や弊害が出かねない問題で、何らかの方法で解決する必要がある問題を指します。「深刻な問題」という響きがあります。 「困難なこと」を意味する「difficulty」という言葉にニュアンスが近いです。 「problem」の対義語は「solution」です。 「solve a problem」で「問題を解決する」です。(☓「answer a problem」は間違いです) ちなみに「問題が起きる」は「A pronlem occurs.」と言います。(☓「A problem happens」は間違いです) 例えば、アルコール依存症は「解決されるべき困難な問題」なので「problem」が使えます。「He has a drinking problem.」(彼は飲酒問題を抱えている)や「Alcoholism is a problem.」(アルコール依存症は問題だ)などと表現することができます。 「飲酒運転」「高い犯罪率」「肥満」など、解決すべき「社会的・組織的な」問題に対しては「problem」が使われます。
My car has a problem with its engine.
私の車はエンジンに問題がある。
There is a problem with our Wi-Fi at home.
家のWi-Fiに問題がある。
Aging society is a serious problem that need to be fixed by the Government of Japan.
高齢化社会は日本国政府によって解決される必要がある大きな問題だ。
「issue」は「議論されるべき問題点」のことを指します。 「issue」は、「賛成する人がいたり反対する人がいたりする賛否両論の話題、論争点」を示します。「subject」や「topic」などの単語が近いです。 国会などで取り上げられる問題、例えば選挙権の年齢制限などは、政治家や国民から賛否両論の意見が飛び交う議題なので「issue」を使います。 「issue」の基本的意味は「外へ出る事・物」です。ですから動詞で「発行する」などという意味もあります。この「問題」という意味の「issue」も「論点として外に出てきた」というのが元々の意味です。「論点として外に出てくる」ということは、公の場で議論されるわけなので、最初に説明した「議論されるべき問題点」というのがご理解頂けると思います。
Let's move on to the next issue.
次の課題に移りましょう。
CEO's words and actions raised an issues inside the company.
社長の言動が社内で議論を引き起こした。
The President made a political issue of immigration law in the United States.
大統領は米国の移民法を政治問題にした。
「challenge」は「解決すべき困難な問題」という意味です。 日本語ではよく「新しいことにチャレンジする」など、「取り組む、挑戦する」というニュアンスで使われていますが、本来の「challenge」が持つ意味とは異なります。 「challenge」は「難しい課題、やりがいのある課題」などの意味で使われることが多いです。 また、動詞での「challenge」は「意義を唱える、挑戦する」というニュアンスです。
The first challenge was to collect sufficient money to start business.
我々の最初の問題はビジネスを始めるために十分なお金を集めることだった。
There is still a lot of challenges left for our generation to work on.
我々の世代にはまだ取り組むべき課題が残っている。
「question」には「質問」以外にも「問題」という意味があります。 「問題」を意味する「question」は、「issue」や「problem」との違いはかなり曖昧で、ネイティブでも明確に理解している人は少ないと思います。 「問題」を意味する「question」にも2つのニュアンスがあります。 ●「problem」より深刻さが低い「問題」 ●「issue」とほぼ同義の論点という意味の問題 ですから、「問題」という意味の「question」はかなり広く様々な場面で使うことができます。
We have to address the energy question.
エネルギー問題に取り組まなければならない。
The question is, is he coming or not?
問題は、彼が来るか否かだ。
We talked about the question of how to raise money.
どのように資金調達するかという問題を私たちは話し合った。
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