「一応」は英語でどのように表現すればよいでしょう?そもそも日本語の「一応」という言葉は意味が多すぎるので、まず日本語の「一応」という言葉の意味を整理してから、それぞれの英語表現を見ていきましょう。
日本人がよく使う「一応」は広義でいろいろな場面で使われます。 この「一応」をそのまま英語表現することはできませんが、それぞれの意味に英訳を考えることができます。
この記事では上記それぞれの英語表現を詳しく解説していきます。
「ある程度」という意味の「一応」を表す英語表現に副詞「somewhat」があります。 「somewhat」は「少し、多少、やや」という意味があり、「一応(ある程度)...」というニュアンスです。 口語ではこの「Somewhat」の一言を用いて「一応ね〜」と表現することが多いです。 きちんとした文章で使う場合で動詞を修飾する場合は、基本的に動詞の後ろ、もくは文尾に「somewhat」をつけます。動詞の前に置かれることもあります。
「Do you know how to speak Chinese? 」‐「Somewhat.」
「中国語話せる?」‐「一応、ある程度ね」
I guess my English is getting better somewhat.
私の英語力、一応ある程度伸びていると思うんだよね。
「ある程度の一応」を表す他の英語表現に「To some extent」があります。「extent」は「範囲、程度、限度」という意味を持つ名詞で、「ある程度の一応」という意味合いで使われます。 ニュアンスは、上記で説明した「somewhat」と同じです。
「Do you cook everyday?」-「Well, I cook to some extent.」
「毎日自炊してるの?」‐「まあ、ある程度一応ね。」
I understand your feeling to some extent, but I need more explanation.
あなたの気持ちは一応ある程度理解できるけれど、もう少し説明してくれる?
「念のため、確認のため」を意味する「一応」の英語表現の一つに「just in case」があります。 「in case」のみで「...の場合に備えて」を示しますが、「just」 を付け加えることによって、「一応、念のためにね」というようなニュアンスです。 この「just in case」という表現は、文頭、文中、文末、また単体でも使える便利なイディオムです。
「Do you have to bring that one too?」‐「Yeah, just in case.」
「それも持っていかなきゃいけないの?」‐「うん、まあ念のため一応ね。」
Just in case, we will talk to your parents later.
念のために後ほどご両親ともお話しますね。
I had some spare time so I visited my grandma's just in case.
時間があったので一応確認のために祖母を訪ねました。
「to make sure/ to be sure」は「確認のために一応」というニュアンスで使われます。「sure」は「確実なさま、自信があるさま」という意味があり、使役動詞の「make」を用いて、「確実にするために」という意味合いです。「to be sure」は直訳すると「確実になること」となり、これも「念のために一応」という意味合いで使われます。 「to make sure / to be sure」はいずれも文頭、文末どちらに置いてもOKです。 「just in case」のように「just」を付けて、「just to make sure」「just to be sure」など、また「sure」の代わりに「certain」を用いてもOKです。
Please talk to the boss about just to make sure.
確認のために一応、もう一度上司と話してもらえますか?
I will count the money again to be sure.
念のために一応もう一回お金を数えますね。
「to be on the safe side」という表現でも「念のため」という意味の「一応」を表すことができます。 しかしこの「to be on the safe side」は「safe side(安全な方)」という意味を含むため、「余裕を持って、大事な方を取って」というように、これから起こるであろう問題を避けるためにというニュアンスがあります。 この表現も文頭、文末どちらで使ってもOKです!また、この「to be on the safe side」は少々長いため、ネイティブは省略して「to be safe/just to be safe」と言うこともあります。
My wife is waiting for me. I will go home to be on the safe side.
妻が待っているから(怒られないためにも)一応もう帰るね。
Just to be safe, can you come to the office early tomorrow?
念のために明日早くオフィスに来れる?
「for now」は「今のところは」「さしあたり」「とりあえず」を表す際に最もよく使われる英語表現のひとつです。 この「for now」は日常生活の中でのカジュアルな場でもビジネスの場でも使うことができるので非常に便利な英語表現です。 カジュアルな表現としては、レストランや居酒屋でお食事や飲み物を「とりあえず」頼む時によく使います。 ビジネスの場で使うシーンを挙げると、プロジェクトなどの進捗状況を報告する際に、「とりあえずこの場で報告することは以上です」といったニュアンスでよく使われます。 「for now」を使う際の注意点としては、現在の事にのみ使える表現となり、過去のことについては使うことができない点です。 過去の出来事について「とりあえず」と表現したい場合は、「for now」ではなくこの後説明する「first off」や「for the time being」などの違った表現を使いましょう。 「for now」と同じニュアンスで「for the moment」という形でもOKです。「for the moment」の方が「for now」よりもややフォーマルな形式となります。
Can we get some water for now please? We'll order food later.
とりあえず水頂けますか。あとで食べ物オーダーします。
This is the end of our report. That's all for the moment.
これで報告は終了です。とりあえず以上となります。
何をすべきか決まらない段階で、「とりあえず〜しよう」というときは「anyway」を使います。「ともかく」「いずれにしても」という意味です。例えば、何すればいいか分からないが花金なのでとりあえず楽しもうと言いたいときは「Anyway, let's just have fun!」などと言います。
Anyway, let's give it a try.
とりあえず、試してみようよ。
「anyway」に関しては下記の記事も参考にしてください。
「ひと通り・ざっと」を意味する「一応」の英語表現に「roughly / briefly」があります。 「roughly」は「だいたい、大雑把に言うと」という意味があり、「briefly」には「簡単に言うと、短くまとめると」という意味があります。 これらの表現で「一応大雑把に伝えると、一応手短に伝えると」というニュアンスです。 「Roughly speaking...」で「一応ざっと伝えると」というイディオムで使われますので合わせて覚えておくと便利です。
Roughly speaking, how much money did we make last year?
一応大雑把に伝えると、去年いくら稼いだんだ?
Can you briefly tell me what happened yesterday?
ざっとで良いので昨日なにが起こったのか説明してくれる?
この「run my eyes through」を直訳すると、「私の目を駆け抜ける」となり、「一応ざっと」という意味合いで使われます。
「Did you check the documents already?」-「yeah, I ran my eyes through.」
「書類はもうチェックしたの?」‐「うん、一応ざっとね。」
「tentatively」は「仮に、とりあえず」という意味があり、よくビジネスの場などのフォーマルな場面で使われている英語表現です。
The next meeting is tentatively scheduled for next Friday.
次回の会議は来週の金曜日で一応仮に決定しています。
「even though...」という表現で「こう見えても一応...」と使うことができます。 「even though A, B.」は「AにもかかわらずB」という「逆説」を表すフレーズです。 「even thuogh」は、文頭か文中のどちらかにきます。 文頭にくる場合は「カンマ(,)」を使って文章を区切ります。
She is a Japanese, even though she does not look like it.
彼女はこう見えても(一応)日本人です。
「even though」に関しては下記の記事も参考にしてください。
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