「二つ返事」という言葉をご存知でしょうか。「二つ返事で引き受ける」「二つ返事で誘いに応じる」などと使います。何となく聞いたことがある、という方も多いかと思います。では、「二つ返事」と聞くと、どのような意味をイメージするでしょうか。「しょうがなく相手の頼みを聞く」と行ったように、マイナスな意味を推測するかもしれません。また、「一つ返事」という言葉もよく使われていますが、一体どのような意味なのでしょうか。言葉を正しく使用するためには、意味を適切に覚える必要があります。そこで今回は「二つ返事」の意味と使い方、類語、対義語、「一つ返事」の意味について解説していきます。「二つ返事」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「二つ返事」の意味は「躊躇することなく、素早く返事すること」です。 「二つ返事で」=「(相手の要望に対して)快く承知して(答える)さま」を指します。 快諾することを表しているので、「二つ返事」=『はい、分かりました!』『もちろん、引き受けます!』というイメージです。 「二つ返事で引き受ける」という形で使うのが定番になります。 「二つ返事で了承する」という表現は少し不自然になります。「二つ返事で」の中に「承知する」というニュアンスが含まれているからです。 「二つ返事で答える」と表現も少し不自然です。「返事」という言葉がそもそも答えるニュアンスを持っているためです。 どちらも二重表現になってしまいます。 よって「二つ返事で」という言葉と一緒に併用できるのは基本的に「引き受ける」のみになります。 また、「二つ返事で断る」のように、断ったり辞退するときには使いません。
元々「二つ返事」とは『はい、はい』と、「はい」を二つ重ねて返事をする様子を表しています。 相手から何かを頼まれた時に、『はい、はい』と続けて言うほど躊躇することなく素早く返事をすることから、転じて、今現在使われている「快く承知する」という意味で「二つ返事」を使うようになりました。 『はい、はい』はただ返事をしているというよりも、「はい」を強調して相手の気持ちに添うような印象となります。 このように、他人の意向に応えようとして「はい、はい」と言う様子から「二つ返事」という言葉ができました。
「二つ返事」の代わりによく「一つ返事」が使われていますが、これは間違いです。 「一つ返事」という言葉は存在しません。 「はい」を重ねて言うことは、失礼であるという考えから「一つ返事」という言葉が生まれたのだと言えます。 確かに「はい、はい」と二回続けて返事をするよりも、「はい」と一回返事をする方がイメージが良いことから「快く承知」=「一つ返事」だと勘違いされていますが、間違いとなります。 文化庁が発表した『国語に関する世論調査』でも、本来の言い方「二つ返事」を使う人が42%、誤った言い方「一つ返事」を使う人が46%という結果が出ています。 このように、「一つ返事」を間違って使っている人が多いですが、使用しないように注意しましょう。
「二つ返事」の例文を紹介します。
快諾(かいだく) (意味:気持ちよくすぐに聞き入れること) 「お願いしたらすぐに快諾してくれた」 承諾(しょうだく) (意味:相手のお願いを素早く引き受けること) 「先生からの承諾を得る」 快く (意味:好ましく思って。気持ちよく思って) 「不安に思っていたが、快く受け入れてくれた」 即応で (意味:早急に対応してくれること) 「即応で対応してくれたため助かった」 応諾(おうだく) (意味:相手のお願いを承知すること) 「彼の依頼を応諾する」 即諾(そくだく) (意味:素早く承知すること) 「即諾してくれたので安心した」 嫌な顔一つせず (意味:嫌な気持ちを見せることなく) 「急な依頼にも関わらず嫌な顔一つせず受け入れてくれた」 気楽に (意味:心配する必要がなく、のんびりと) 「気楽に聞き入れてくれる」 安易に (意味:迷うことなく) 「安易にオーケーしてくれた」 即座に (意味:その場ですぐに) 「即座に受け継いでくれた」
生返事 (意味:判然としない返事) 「彼は生返事しないから質問しても無駄だ」 気の無い (意味:やるぞという心意気がない) 「気の無い返事をされてもどうしたら良いか」 そっけない (意味:配慮のない。はっきりしない) 「そっけなく言われてへこむ」 気の抜けた (意味:少しの張り合いもない) 「気の抜けた顔をしている」 いい加減 (意味:人任せな。ちゃらんぽらんな) 「いい加減な返事をされてしまった」 適当に (意味:その場に合わせるように取り繕う) 「面倒だから適当に聞き入れる」 つれない (意味:相手に配慮のない) 「せっかく誘ったのにつれない返事をされた」 すげない (意味:相手に同情の気持ちがない) 「何ともすげない返答だ」 無愛想な (意味:相手に対して思いやりの気持ちがない) 「良いことを伝えたのに無愛想な返事をされた」 冷淡な (意味:物事に対して熱心さや関心がないこと) 「本当に冷淡な男だ」
「二つ返事」の英語は、
などになります。 「引き受ける」は「accept」になります。 「recieve」は「引き受けるか否かは別として仕事を依頼される」という意味になります。
I willingly accepted the job offer from my former colleague.
前職の同僚からの仕事の依頼を二つ返事で引き受けた。
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「二つ返事」について理解できたでしょうか? ✔︎「二つ返事」は「相手の要望に対して、素早く承知すること」を意味 ✔︎「二つ返事で引き受ける」という形で使うのが一般的 ✔︎「一つ返事」は間違いで、存在しない表現 ✔︎「二つ返事」の類語には、「快諾」「承諾」「即応に」「気楽に」などがある