「滞りなく」という言葉を「滞りなく終了いたしました」というような形で耳にしたことはありませんか?式典などかしこまった場面でよく聞く言葉だと思いますが、正しい意味を使い方をご存知でしょうか。今回は、「滞りなく」の正しい意味と使い方を例文付きで紹介します。また、「滞りなく」と「恙なく」の違いや、類語、英語表現も照会しますので参考にしてください。
「滞りなく」は、「とどこおりなく」と読みます。 「滞」は、音読みで「たい」訓読みで「とどこおる」と読みます。 「滞」は、「とどこおる・はかどらない」という意味のある漢字です。
「滞りなく」の意味は、「物事が問題なく順調に進むこと」です。 「滞りなく」の元になっている言葉は「滞り」という言葉です。 「滞り」は「物事がスムーズにいかずにつかえる」「停滞する」というような意味の言葉です。 例えば、「連絡が滞っている」など、「停滞している・順調ではない」といった意味で使用される言葉です。 「滞りなく」とは、「滞り」が「無い」ということになるので、「問題なく順調に進んでいる」という意味のある言葉という事になります。 日常会話で、「滞りなく~」と使用することは滅多にないと思いますが、ビジネスシーンやスピーチなどかしこまった場面で、「問題なく・順調にすすんでいます」というような意味合いできる言葉です。
「滞りなく」は、葬儀や結婚式などの挨拶で使用することができます。 例えば、葬儀や結婚式といった場面では、「滞りなく完了いたしました」というような言い回しで使用されます。 「滞りなく完了いたしました」は、「問題なく終えることができました」という意味です。 「皆様のおかげで問題なく終了することができました」という感謝の気持ちを伝えることができます。 同じように「問題なく」という意味で「恙なく」という言葉があり、結婚式などの式典でも「恙なく」と使用する場合もありますが、「恙なく」という言葉には、「問題がおきそうだったけど、問題がなかった」というようなマイナスの意味を含む言葉である為、「滞りなく」を使用したほうが無難であるとされています。
「滞りなく終わる」は「何事もなく終えること」という意味です。 イベントやプロジェクトといった始まりがあり、終わりがるというような場面で「問題なく終わりました」という意味で使用されます。 「計画通り順調に終えることができました」という過去形で使われることがほとんどで、イベントなどの終わりの挨拶で使用されます。
「滞りなく進む」とは、「ビジネスなど予定通りスムーズに進むこと」です。 例えば、プロジェクトの進歩状況をメールや文章で、上司や取引先相手に報告するといったようなビジネスシーンなどで使用されます。 この場合の「滞りなく」は、「問題が起きることなく進んでいます」という意味だけではなく、「予定通りした通りに」という「時間的にも遅れることなく」という意味合いが含まれています。 「プロジェクトは滞りなく進んでいます」というような使い方をします。
「滞りなく執り行う」は、「とどこおりなくとりおこなう」と読みます。 「執り行う」とは、「行事・式典などを改まっておこなう」という意味のある言葉です。 例えば、「葬儀を執り行う」「披露宴を執り行う」というような使い方をする言葉です。 また、ビジネスシーンでも、特に重要な内容の会議であるといった格式ある会議に対して「滞りなく会議を執り行う」というように使用することができます。 つまり、「滞りなく執り行う」は、「行事、式典など格式あるものを問題なくスムーズに問題なくおこなう」というような意味で使用できるということです。
▶「滞りなく」・・・「物事が順調に進む」 ▶「つつがなく」・・・「病気・災難などがないさま」
「恙なく」は、「何か問題がありそうだったが、問題なく」といったマイナスの意味が込められています。 「滞りなく」は、「問題なくスムーズに」という意味であり、マイナスの意味はありません。
「恙なく」の意味は「病気・災難などがないさま」です。 「恙なく」は、「心配ごとや病気」という意味のある「恙」に「ない(無い)という言葉がついているので、「心配ごとや病気などの災難がない」という意味であるということになります。 「恙なく」という言葉には、「順調であること」「無事であること」「健康であること」など、様々な意味合いが含まれています。 「恙なく」も「滞りなく」と同じように、「問題なく」というような意味で使用することができる言葉ですが、「恙なく」には、「問題がおきそうだったけど、おきなかった」というマイナスな意味が込められています。 なので、結婚式や葬儀などの式典の挨拶には使用を避けたほうが良いと言えます。 一方、「滞りなく」にはマイナスの意味は含まれないので、結婚式や葬儀には、「滞りなく」を使用しましょう。
「遅滞なく」は「ちたいなく」と読みます。 「遅滞」の意味は「物事の進行が滞って遅れること」です。 つまり、「遅滞なく」は「遅滞がない」ということなので、「物事の遅れがない」という、スムーズに物事が進んでいる状況に使用する言葉です。
「何事もなく」は、「なにごともなく」と読みます。 「何事もなく」の意味は、「無事であった・平穏であった」です。 例えば、「何事もなく帰宅できた」という使い方をすると、「事故に合うことなく・無事に帰宅できた」というようなニュアンスになります。
「首尾よく」は、「しゅびよく」と読みます。 「首尾よく」の意味は「物事が都合よく運ぶさま」です。 「首尾」には「初めから終わりまで・終始」という意味があります。 つまり「首尾よく」とは、「首尾がよい」ということになるので、「始まりから終わりまで調子が良い」という意味であるということになります。 「話し合いが首尾よくまとまる」というような使い方をします。
「予定通り」は「よていどおり」と読みます。 「予定通り」の意味は「あらかじめ決めていた内容とそっくり同じであること」です。 「予定」とは、「これからすることを、前もって決めておくこと」です。 つまり、「予定通り」とは、「前もって決めていた通りに順調に物事が進んでいる」ということです。
「スムーズに」とは、「物事が何事もなくうまく進行する様」を表現した言葉です。 「すんなりと」「すらすら」というようなニュアンスです。 「スムーズに」を言い換えると「円滑に」「なめらかに」といった言葉になります。
「滞りなく」の英語は「without delay(遅延なく)」「smoothly(順調に)」です。
She submitted the necessary document without delay.
彼女は滞りなく必要書類を提出した。
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「滞りなく」という言葉について理解していただけましたか? ✓「滞りなく」は「とどこおりなく」と読む ✓「滞りなく」の意味は「物事が問題なく順調に進むこと」 ✓「恙なく」には悪いニュアンスが含まれる ✓「滞りなく」の類語は「遅滞なく」「何事もなく」など
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