「夜分」の読み方は「やぶん」で、意味は「夜間」「夜中」です。「夜分遅くに失礼します」などとメールでも使うことがありますよね。「夜分」っていつから?何時頃?と思う方もいると思いますが「日没後〜日の出」もしくは「午後11時から午前2時台」とされています。今回はそんな「夜分」の使い方を例文付きで解説します。ビジネスメールにおけるマナーや例文も紹介しますので是非参考にしてください。
「夜分」の読み方は「やぶん」です。 「やぶ」ではないので、注意しましょう。
「夜分」の意味は厳密には2つあります。 1つ目は「夜間」で「よる」と同じ意味です。 日没から日の出までの太陽がなく暗い時間帯のことを指します。 具体的な時間は季節や天候によっても変わります。 2つ目は「夜中」で、午後11時台から午前2時台(23:00 ~ 26:59)までを指します。 ちなみに、「深夜」とすると午後0時から午前2時までを指し、「未明」とした場合は午前2時から午前4時までを指します。
ビジネスシーンで日中にメールが送れなかった時がありますよね。 しかし終業後にメールを送るのは失礼にあたりますので、18時、遅くても19時までに送るのがマナーです。 仕事の時間が終わってるのに仕事のことを考えなければいけなかったり、対応をさせてしまうのも失礼です。 また、そのメールに次の日の朝に気付いた際に、送った相手に「朝まで気付かなくて申し訳なかった」と思わせてしまうのも失礼にあたります。謝罪をさせてしまう可能性もありますので、夜分にメールを送るのは「終業時間」までにしましょう。 また、「遅い時間にメールを送る=その時間まで仕事」をしているということになります。 メールは日時が残りますから、相手は「随分遅くまで仕事をしているな、労働環境はどうなっているんだろう?」「こんな時間まで残業させるのか」と、自社のイメージが悪くなり、最悪の場合は取引先や顧客との関係に影響する可能性があります。 いくら残業をしていても、メールは次の出勤時に送りましょう。
また、休日にビジネスメールを送るのは、基本的にNGです。 仕事を終わらせておきたい、期限が間に合わないといった理由で、休日に仕事をする人もいるかと思います。 メールなら電話と違い「相手が次の仕事の時に見るだろう」という気持ちで送っているかもしれませんが、やはり休日にビジネスメールを送るのは失礼となります。 例えばビジネスメールが2日前などに届いていたら、やはり休日だったとは言え相手も焦ってしまいます。 メールがチェック出来る環境であれば、相手を待たせるのを失礼だと思い休みの日に対応してしまうこともあります。 休日にメール文だけ打っておき、休み明けの朝に送るようにしましょう。 ただし、相手がシフト制で次の出勤日が分からない場合は仕方ありませんので、その場合は終業時間までにメールを送りましょう。
万が一、就業時間を過ぎてメールを送る際は「夜分に失礼します」と使いましょう。 「夜遅くに」というよりも「夜分に」の方がかしこまった印象を与えます。 そのため「夜分」と使いましょう。 しかし、「夜分」が23:00 ~ 26:59だからといって、その時間に送るのは失礼です。 ビジネスメールの通知をスマホと連動してオンしている場合もあります。 相手が寝ているであろう時間は避けるのがベストです。 どんなに遅くなっても21時までには送るようにしましょう。
夜分にメールを送る場合は、緊急の場合がほとんどでしょう。 どうしても緊急で送っておきたい場合は、なぜ緊急なのかを明記しましょう。 朝一で送ればいいけど、忘れそうだから送っておこうといった場合は緊急にはなりません。 例えば、突然の出張や、体調不良によって欠勤する場合などです。 特に次の日に打ち合わせや会議の予定があったのに参加出来なくなってしまった場合は、参加できないと分かった時点で送っておきましょう。 また、相手から何か送ってもらったものなどを受け取った際の報告の連絡を終業時間後であっても緊急でする場合があります。
ビジネスメールでは、挨拶文などは不要です。 ビジネスメールを使って用件を伝える場合は、そもそも相手に用件を分かりやすく早急に伝えるために用いられています。 そのため「拝啓」や「時候の挨拶」は省略し社外や上司などには「お世話になっております」、同僚などには「お疲れさまです」などで十分とされています。 簡潔な文章を送りましょう。 ただし用件だけ送るには失礼となるので、「取り急ぎ」などのフレーズが便利です。 メールの文末に「取り急ぎご連絡いたします。」と付けましょう。
夜分にメールをする場合は、相手の気持ちを配慮した文言を使いましょう。 特に緊急で送ることもあり、相手に何かしてもらわなければいけないことがあります。 そのため相手に迷惑をかけることへの申し訳なさを伝えるようにしましょう。
などがあります。 詳しくは使い方の箇所で例文付きで解説します。
「夜分」を使う際は「夜分遅くに〜」が定型句です。 主に
などの言い回しが使われています。
ビジネスメール例文① 「お世話になっております。夜分遅くに失礼します。ご依頼受けていた件ですが、先ほど発送いたしましたのでご確認お願いいたします。私の都合で申し訳ありませんが、明日の早朝より出張となりご連絡が出来ないため、取り急ぎご連絡させていただきました。」
ビジネスメール例文② 「お疲れさまです。○○課の△△です。夜分遅くにすみません。先日お願いしていたアンケートを受け取りました。取り急ぎ受け取りの報告させていただきます。」
ビジネスメール例文③ 「お世話になっております、株式会社○○の△△です。夜分遅くに恐れ入ります。明日◯時から打ち合わせのお約束でしたが、体調が悪く明日は出社することが難しい状況です。誠に勝手ではございますが、下記日程のいずれかで訪問させていただくことは可能でしょうか。」
「夜分」を単体で使う場合、口語では「夜分に」と使うことが多いですが、本来「夜分」は「に」を伴なずに副詞的に使うことができます。
などと「夜分」だけでも「夜分遅くに」と同じ意味になります。 ビジネスメールなどではあまり使われない表現ですが、刑事ドラマなどでは夜遅い時間に聞き込みなどをする場合に使われています。 また最近ではSNSの更新通知がいくことから、夜遅い時間に投稿する際に使われることもあるようです。
例文
「夜分にも関わらず」は相手へのお礼の言葉として使います。 わざわざ相手が遅い時間なのに、何かしてくれた場合に使います。 例えば連絡の返信をくれた場合などに使います。 「夜分遅くにありがとうございます」でもお礼・感謝の文章になります。 ただ、相手から何かしてくれた場合に「夜分にも関わらず」と使うと、「夜遅いのに何かしてくるなんて」といった嫌味として受け取られてしまう場合があるので注意しましょう。
例文
昼間から夜中までずっとやり取りしている場合などに「夜分まですみません」と使います。 また、残業している人に対して「夜分までお疲れ様です」と使うこともできます。 夜の間だけの場合には使えませんので注意しましょう。
例文
「夜分」「夜分遅くに」の言い換えは「夜遅く」「遅い時間に」です。 ビジネスシーンでは「夜分」を使った方がいいですが、日常生活では「夜遅く」「遅い時間に」を使うことが多くなっています。
などと使います。 仲の良い友人であれば、就寝時間前後で使うといいでしょう。 友人関係ではない相手に使う場合は、20時や21時頃から使うことも多くなっています。
例文
「夜分」「夜分遅くに」の反対語は「朝早くから」「早朝に」です。
などと使います。 主に夜明けから7時くらいまでが、「朝早く」「早朝」とされています。 ただビジネスメールの場合は、出勤時間前に送ったメールには「朝早くから失礼いたします」と添えておくといいでしょう。
例文
「夜分遅くに」の英語は、
などになります。
I'm sorry to disturb you so late at night, but it's urgent.
夜分遅くにすいませんが、緊急なんです。
「夜分」は単に「in the evening」と表現することもできます。 「evening」は「night」と同義語で、日没から寝る時間までを指します。 「night」は暗いことが強調されます。 「Good evening.」で「こんばんは」、「Good night.」で「おやすみなさい」になります。
In summer, I take my dog for a walk in the evening when it gets cooler.
夏は夜分涼しくなったら犬の散歩に行きます。
いかがだったでしょうか? 「夜分」について理解できたでしょうか? ✔読み方は「やぶん」 ✔意味は「夜間」「夜中」 ✔ビジネスメールでも使う ✔言い換えは「夜遅くに」「遅い時間に」 基本的に、夜分に連絡するのは相手に失礼となるため控えましょう。 どうしても送らなければならない場合は、申し訳ない気持ちと夜分に送らなければならなかった理由をしっかりと明記して送りましょう。