「油を売る」の意味は「無駄話をして仕事を怠ける」です。実際にオリーブオイルを売っているわけではありません。ただずっと怠けているだけではなく、一時的にサボっている人に対して使います。「油を売るひまがあったら」といった言い回しで使われることが多いです。他にも「油」が使われたことわざなども紹介するので是非参考にしてみてください。
「油を売る」には「無駄話などをして、仕事を怠けたりサボったりする」といった意味があります。 例えば仕事中に、自分の席におらず廊下で誰かと私語をしてる人に対して「油を売っている」と表わすことが出来ます。 ただ怠けたりサボったりするだけでなく「仕事中、作業中に」といった意味合いが強くなります。
ではなぜ、「油を売る」がそういう意味になったのかというと、江戸時代に商人が婦人を相手に髪の油を売る際に、長々と世間話をしていたことが由来していると言われています。 しかし、この世間話は元々仕事をサボって話していたわけではありません。 当時の油はかなり粘性が高かったため、柄杓で油の入った桶からお客である婦人の器に移すのに長い時間がかかっていました。 その間に、お客さん相手に世間話をして時間を繋いでいたんです。 それが転じて「油を売る=無駄話をして時間を潰し仕事を怠ける」となったんです。 また、この油が「髪の油」ではなく「行灯(あんどん)の油」であるとも言われています。
中国故事の「売油翁(ばいゆをう)」は「油」と「売」の漢字が使われていることから「油を売る」の語源なのでは?と言われていますが、まったくの無関係です。 この話は「何事においても鍛錬を重ねて慣れてくれば上達する」という内容です。
「油を売る」は、仕事をしている最中に一時的にダラダラしている場合に使います。 仕事をまるごとサボっている場合には使いません。 仕事をしている時に仕事場にいなかったりサボっていたり、私語をしている時に「油を売る」と表します。 それこそ、油を売る時間程度ということです。 一時的でもそれが何時間にもなってくると「油を売る」には長すぎるでしょう。
例文
また「油を売るひま」といった表現もよく使われています。 「油を売っているひまがあったら仕事しろ!」とよく言われますよね。 これは「サボっている暇があるなら〜」「無駄話をしている暇があるなら〜」といった意味になります。
例文
「油を売る」=「怠ける」ことから「油売り」が「怠け者」といった意味で使われています。 しょっちゅう仕事中に油を売っていると、「あなたは油売りだ」と言われてしまいます。 「油売り」の意味が分かってないと「油売ってなけど?どういうこと?」となってしまいますね。 これは「怠け者」であること注意されているわけですので、すぐに謝罪をしなければいけない場面です。 特に上層部など年齢を重ねている方は「油を売る」「油売り」という言葉を使うことは多いですので、しっかりと覚えておきましょう。
例文
「道草を食う」の意味は「目的地に向かう途中で他のことに時間を費やすこと」です。 元々は、「馬が歩いている時に道ばたの草を食べることで進行が遅くなる」ところから来ています。 それが転じて「途中で手間を取る」といった意味で使われるようになりました。 どこかへ行くだけでなく、何か目標達成のために物事を行っている途中で他のことに時間を使ってしまった場合にも使えます。
例文
「寄り道をする」の意味は「道草を食う」とほぼ同じで「どこかへいく途中で他のところへ行くこと」です。 「帰宅中に雑貨屋さんへ寄り道する」など、目的地とは他のところへ寄る場合に使うことが出来ます。
例文
「サボる」の意味は「仕事や授業を怠けること、ずる休みすること」です。 ちなみに「サボる」は「怠ける」を意味するフランス語「サボタージュ」が語源です。 また「サボり」で「ズル休み」「怠け」といった意味で使うことが出来ます。 ただ、サボるは口語であるためビジネスシーンなどで使うのは控えましょう。
例文
「怠け者」を意味する名詞には、
などがあります。
「汗水垂らして働く」の意味は「一生懸命に働く」です。 汗びっしょりになるまでがむしゃらに働く様子を表しています。 サボることも怠けることもせず、ただ一生懸命に働きます。
例文
「真面目」の意味は「真剣な態度や顔つき、また真心がこもっていること」です。 「真面目」は人の性格や様子についてよく使われる言葉です。 「真面目な人」「真面目な性格」などと使い、嘘をついたり怠けたりすることなく、誠実であることを表しています。
例文
「真っ当」の意味は「まともなさま」「しっかりしているさま」です。 元々は「全う」と表していましたが、「真っ当」が当てられるようになりました。 例えば、「真っ当な生活」「真っ当な生き方」「真っ当な仕事」といったように言います。これらは「まともな生活」「正当な生き方」「しっかりとした仕事」を意味します。
例文
「一路」の意味は「まっすぐに、寄り道しないで」です。 副詞的に用いり「一路帰国の途につく」などと使います。
例文
「時間を無駄にする」の英語は「waste time」です。 「kill time」で「時間を潰す」という意味になります。
「怠ける」は英語で「lazy」です。 「lazy」は形容詞なので「be lazy」の形で使います。
「ダラダラする」を意味する動詞には、
などがあります。
「時間を潰すのを目的にお喋りをする」という意味する慣用句には「shoot the breeze」があります。 「shoot the breeze」は直訳は「そよ風を撃つ」です。
「油」という言葉を使ったことわざは多くありますので、代表的なものを紹介します。
「油を差す」の意味は「元気づける、励ます、おだてる」です。 油を注いで火の勢いを盛んにさせるところから転じて使われています。 扇動の意味もあり、やる気を出させて行動をするように仕向ける場合にも使います。
例文
「油が切れる」の意味は「精力がなくなる、活動の原動力になるものがなくなる」といった意味です。 「ガソリン切れ」などと使う場合もありますよね。 これも、油がないと火が燃えなくなることから「人のやる気がなくなる」といった意味に転じて使われています。
例文
「油を絞る」の意味は2つあります。 一つは「失敗や過ちを厳しく責める、咎める」です。 もう一つは「能力や体力を全て使わせ、難しいことを試すこと」です。 一つ目の意味は「ひどく叱る」ことです。 「ひどく怒られた」と言う場合には「油を絞られた」と使います。 また厳しく試された場合にも「油を絞られた」と使うことが出来ます。
例文
「油を注ぐ/油をかける」の意味は「感情や行動などをさらに勢いづかせる」です。 「火に油を注ぐ」とも使い、不本意なことに対して言います。 主に相手が怒っているような悪い状況をより悪化させてしまう場合に「油を注ぐ」と使います。
例文
「油をとる」の意味は「おだてる、おべっかを使う」と「仕事の手抜きをする」があります。 また油を絞ると同じように使われることもあります。
例文
「油を流したよう」の意味は「海や湖などの水面が、波立たずにおだやかなさま」です。 油のようにとろりとした感じで、波が立たない静かな様子を表しています。
例文
「油紙に火の付いたよう」の意味は「ぺらぺらとよくしゃべるさま」です。 油紙に火がついた時に「ぺらぺら」と音がすることからそう言われています。 永遠に口が留まらず喋り続けている様子に対して使います。
例文
「水と油」の意味は「お互いが反発しあって仲が悪いこと」です。 水と油が混じり合うことがないように、正反対の性格や性質を持つものの喩えです。 打ち解けることが困難な関係性にも使われています。
例文
「脂が乗る」の意味は「仕事などで調子が出てくること、捗ること」です。 魚や家畜などが旬を迎えて美味しくなることが転じて、人の調子が出て仕事や勉強がはかどることを喩えて使います。 ちなみに「あぶらが乗る」の漢字は「油」ではありませんので注意しましょう。
例文
「油を買う」は慣用句ではなく、ただのお買い物です。 奥さん、唐揚げですか?天ぷらですか?
いかがだったでしょうか? 「油を売る」について理解できたでしょうか? ✔意味は「無駄な話をして仕事を怠ける」 ✔由来は「江戸時代、婦人に油を売る商人」 ✔類語は「道草を食う」「寄り道をする」 仕事中に油を売るのはやめましょう。