「夢心地」の読み方は「ゆめごこち」で、意味は「夢みたいにうっとりした気持ち」です。四字熟語「夢見心地」でも意味は同じです。主に「夢心地になる」と美しいものに触れた時に広く使うことが出来ます。今回はそんな「夢心地」の使い方を例文付きで詳しく解説していきます。類語・対義語・英語も紹介しますので是非参考にしてください。
「夢心地」は「ゆめごこち」と読みます。 「ゆめここち」ではなく、「ここち」の最初の「こ」が濁ります。
「夢心地」の意味は「夢みたいにぼんやりとした、うっとりとした心持ち」です。 「夢」は「寝ている間に生じる幻覚体験」「現実とかけ離れた状態、考え」のことです。 「心地」は「物事に接した時の気持ち、心の状態」のことです。 それらが合わさって、「夢心地=夢のような心の状態」を表しています。 「夢心地」は、現実で起きたことに対して「まるで幻覚のような体験」「現実味のないこと」に対して用いられ、「儚さ」や「心が浮つく様子」といったニュアンスを含みます。 ちなみに「夢心地」を花言葉にもつ花は「カスミソウ」です。
「夢心地」と同じ意味を持つ四字熟語に「夢見心地」があります。 漢字の通り「夢を見ているような心地」ということです。 また「夢心」も「夢心地」と全く同じ意味です。 「ゆめごころ」と読みます。
「夢心地」は美しいものに触れた時に広く使うことが出来ます。 これは、物事にも人に対しても使えます。 美しい景色や芸術、会いたかった人に会えた時など、待ち望んでいたもの、心から嬉しくなった時に「夢心地になる」と使います。 言い回しは
などとなります。 ただ「心地」には「気分」という意味が含まれるため、厳密に言うと「夢心地の気分」は重複表現になります。 また、マスコミなどでフワフワとした食感で美味しい食べ物を「夢心地」と修飾することが多いです。
などと言うことがあります。
例文
「夢心地では困る」と言われた場合は、ぼんやりしている状況や状態を批判して使います。 「夢心地」は、「浮かれている様子」も表します。 いつまでも浮足立って、地に足がついていないような時に使います。 夢のような状態は、いつまでも続くわけではありませんよね。 「いつまでも浮かれてないで、現実に意識をはっきりと戻すべきだ」という意味で「夢心地のままではだめだ」と批判する場面で用いられます。
例文
「夢心地」は文字通り「気持ちよく夢が見られる様子」を表すこともあります。 この場合は「夢心地がいい」と「寝心地がいい」の意味で使います。 くつろぐことができる寝具や家具を形容するときに主に使います。
例文
「陶酔」は「とうすい」と読みます。 意味は「気持ちよく酔うこと」「心を奪われうっとりとすること」です。 「酔う」という字が使われていることからも分かるように、お酒を飲んで酔うことを表します。 ただ、気持ちよく酔うことに限定されています。 また、美しいものや素晴らしいものに心を奪われることで、お酒に酔っているみたいな気持ちになることです。
例文
「有頂天」は「うちょうてん」と読みます。 意味は「嬉しくて舞い上がっていること」です。 なぜこのように喜びで舞い上がる状態を「有頂天」と言うかというと、仏教用語で「天上界における最高の天」という意味が語源だからです。 そこから「有頂天にのぼりつめる=絶頂を極める」といった意味に転じ、「自分を忘れて上の空である状態」を指すようになりました。
例文
「夢現」は「ゆめうつつ」と読みます。 「むげん」とは読みません。 意味は「夢なのか現実なのか、ぼんやりしていて区別がつかない状態」です。 寝起きの状態、もしくは眠気が強くあとちょっとで寝そうな状態を表します。 慣用句では「夢か現(うつつ)か」といった言葉があります。 この場合は「信じられないような事態に対して、夢なのか現実なのか」と意外だという気持ちを表しています。 「夢か現か幻か」とも使われています。
例文
「夢に夢見る」の読み方は「ゆめにゆめみる」です。 意味は「夢の中で夢を見る」「ぼんやりとしたさま、はかなさいさまのたとえ」です。 これは時代がかった表現であり、現代ではほとんど使われない言い回しです。 古文では「その句に魂の入らざれば、夢に夢見るに似たるべし」と使われています。 また「夢の中に夢を見る」や「夢に夢見る心地」などといった言い回しでも使います。
「恍惚」は「こうこつ」と読みます。 意味は「物事や快楽などに心を奪われてうっとりとするさま」です。 また「意識がはっきりしないさま」も表します。 これは夢と現実がわからないのではなく、老年になって起こる状態を表しています。
例文
「現実」の意味は「目の前に事実としてある事柄や状態」です。 この世に実際に存在しているものであり、夢や虚構に対して使われます。 また「現に返る」とした場合は「正常な意識に戻る、正気」といった意味となります。
「明確」の意味は「明らかで確実であること、間違いのないこと」です。 ぼんやりとした様子は一切なく、はっきりとしていることを表します。
「夢心地になる」の反対語には慣用句「夢が覚める」があります。 「夢心地になる」は「夢の世界に引き込まれていく様子」ですが、「夢が覚める」は「夢の世界から現実の世界に戻ってくること」を表します。
「夢」を意味する「dream」を形容詞にした「dreamy」という英語があります。 「夢のように魅了する」という意味で、日本語の「夢心地」にとても似ています。
This beautiful sunset put us into a dreamy mood.
この美しい夕日で我々は夢心地になった。
「夢心地」を直訳した「as if I was in a dream」という表現はあまりネイティブは使いません。 それよりも「live the dream」の方がネイティブは使います。 直訳すると「夢を生きる」ですが、「夢の中みたいに楽しく過ごす」という意味になります。
He is living the dream with his wonderful family.
彼は素晴らしい家族と過ごせて、夢心地だ。
最後に「on cloud nine」というイディオムを紹介します。 「雲の上にいるようにふわふわして至福の状態だ」という意味になります。 9というのは、米国の気象庁による雲の区分で、「cloud nine」は「積乱雲」を指し、非常に上にいくことの例えとして使われています。
いかがでしたか? 「夢心地」の意味と使い方は正しく理解できましたでしょうか? 最後に「夢心地」についてまとめていきます。 ✔「夢心地」の意味は「夢みたいにうっとりした気持ち」 ✔「夢心地になる」「夢心地の気分」で美しい物にうっとりする気持ちを表す ✔「夢心地」の類語・言い換えは「陶酔」「有頂天」など ✔「夢心地」の対義語は「現(うつつ)」 ✔「夢心地」の英語は「dreamy」