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良い・好い・善い・宜い・吉い・佳い の意味の違いと使い分け

「良い」「好い」「善い」「宜い」「吉い」「佳い」 という言葉をご存知でしょうか。「評判が良い」「天気が好い」「行儀が善い」といったように使います。では、それぞれの意味についてしっかりと知っているでしょうか。全て「よい」と読みます。あまり違いはないような感じがしますが、実は意味が異なります。「よい」は様々な使い方があるので、一つ一つの意味についてきちんと知っておくことが必要です。そこで今回は「良い」「好い」「善い」「宜い」「吉い」「佳い」 の使い分けについて解説していきます。正しく覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!

良い・好い・善い・宜い・吉い・佳い の違い

良い・・・人や物事が、他のものよりも優れていること 好い・・・人の性質や物事の状態が、好ましいこと 善い・・・道徳的に正しいこと、倫理にのっとっていること 宜い・・・宜しいの略で、許せる範囲を表している 吉い・・・何か喜ばしいことや、縁起がよいことが起こること 佳い・・・物事や人がすっきりとしていて、形が美しいこと

全て「よい」と読む言葉で、それぞれ意味に違いがあります。 細かく分けたい場合は上記の意味で使い分けする必要がありますが、「良い」は全ての「よい」の意味を含んでいるので、どれを使えばよいか迷った場合は「良い」を使うのが無難です。

「良い」の意味と使い方

「良い」の意味は「人や物事が他のものよりも優れていること、適当な基準に達していること」です。 「良」は「良好」「良質」と使われているように、「物事の質がよいこと、優秀であること」を意味します。 物事の質や人の状態などが、他のものと比較して優秀であること、素晴らしいことを表します。 例えば、「良い景色が広がっていて、とても気持ちがいい」といったように使います。これは「他のものと比べて、優れている景色が広がっている」という意味になります。 「良い」は人に対してもものに対しても使うことができます。才能がある、人との関係が良好である、見た目が美しい、立場や地位が高い、など様々な場面において「良い」で表せます。 また、「良い」はプラスな意味だけではなくて、「良い迷惑」といったようにマイナスな意味でも使うこともあります。 使い方としては、

  • 地頭の良い
  • 頭が良い
  • 景色が良い
  • 成績が良い
  • 性格が良い
  • 顔色が良い

などとなります。

例文

  • 彼女の演技は今までよりもはるかに良くなっていて、つい見入ってしまった。
  • 待遇や給与が良い会社に入りたいが、なかなかそのようなところは見つからない。
  • 今回のテストでは成績が良かったので、ご褒美にゲームを買ってもらえた。
  • ダイエットを始めてから、体が軽くなって気分もとても良くなった。
  • 彼女は育ちが良いので、ちょっとした言葉遣いや振る舞いに品がある。
  • 君はもう少し勉強をした方が、今よりも良い成績を残せると思うよ。

「好い」の意味と使い方

「好い」の意味は「人や物事が他よりも優れていること、のぞましいこと」です。 「好」は「好運」「好評」と使われているように、「感じがよくて、引き寄せること」を意味します。 物事の状態や人の様子などがとても好ましいこと、感じが良いことを表します。 例えば、「あのお店は料理が美味しくて、店員さんの対応が素晴らしくて好い印象を抱いた」といったように使います。これは「好ましい印象を持った」という意味になります。 「好い」は「のぞましい」という意味の通り、プラスなイメージを伴って使います。 使い方としては、

  • 天気が好い
  • 都合が好い
  • 好い機会
  • 人が好い
  • 好い季節
  • 味が好い

などとなります。

例文

  • 気持ちよく起きるためには、何時間寝れば好いのか試してみる。
  • プレゼントにもらった香水はとても香りが好いので、毎日つけている。
  • 今日はとても天気が好いので、どこかへ出掛けることにしよう。
  • その日は都合が好いから、お誘いについていこうと思っている。
  • 私にしてみればワインやウイスキーよりも、日本酒や焼酎などが好い。
  • ちょうど好い機会なので、今週中にプロジェクトに関しての会議を行おう。

「善い」の意味と使い方

「善い」の意味は「物事が正しいこと、確かであるさま」です。 「善」は「善行」「善人」と使われているように、「行いや状態などが好ましいこと」を意味します。 道徳的に正しかったり、適切であるということを表します。 例えば、「彼女は行儀が善くて、見習うべき点が多くある」といったように使います。これは「行儀が正しくて、真似するべきところが多くある」という意味になります。 「善い」は人として正しいことだったり、守るべきことを表す場合に使うのが適します。人に関することを表す場合に用いるので、ものに対して使うことは少ないです。 使い方としては、

  • 善い行い
  • 行儀が善い
  • 心が善い
  • 性格が善い
  • 善い心がけ

などとなります。

例文

  • 心が善い人に出会いたいと思っているが、なかなかそんな人はいない。
  • 彼の子供は本当に行儀が善くて、いつも感心してしまう。
  • 常に善い行いができるように心がけているが、実行することは難しい。
  • 日頃の行いが善い人は、他人から高い評価を得ることができるよ。
  • 彼女は人柄が善いこともあって、変な人からも言い寄られたりする。
  • 何か役立つことをしたいと思うならば、社会のためや他の人のためになる善い事をする。

「宜い」の意味と使い方

「宜い」の意味は「物事の状態が優れていること、許せる範囲であること」です。 「宜」は「時宜」「適宜」と使われているように、「ちょうどよくかなっていること」を意味します。 物事の質や能力が優秀であること、物事を許したり認められる度合いであることを表します。 例えば、「◯◯の件についての資料についてまとめてもらっても宜いですか」といったように使います。「資料をまとめてもらっても支障ありませんか」という意味になります。 「宜い」は「宜しい(よろしい)」を略した言葉になります。「座っても宜しいですか」だったら「座っても宜いですか」と変えることができます。 使い方としては、

  • いつでも宜い
  • 宜いですか
  • どうしたら宜い

などとなります。

例文

  • 早く作品を仕上げるためには、どうしたら宜いですか。
  • ◯◯さん、あなたのボールペンを借りても宜いでしょうか。
  • お客さんが来るまで、ここで待っていても宜いですか。
  • 今日あなた宛に手紙とプレゼントを送っても宜い?
  • 新しい企画内容についての書類をお送りしても宜いですか。
  • 来週のミーティングについて、開始時間を変更しても宜いですか?

「吉い」の意味と使い方

「吉い」の意味は「おめでたいこと、幸先がよいこと」です。 「吉」は「吉日」「大吉」と使われているように、「縁起が良いこと、おめでたいこと」を意味します。 何かとてもよいことが起こったり、喜ばしい物事があったことを表します。 例えば、「宝くじが当たるなんて、今年はとても運が吉い」といったように使います。これは「宝くじが当たるとは、今年は縁起が良い」という意味になります。 「吉い」は「縁起がよい」という意味であるように、良いイメージを伴って使います。物事に対して使うので、人に対して使うことは少ないです。 使い方としては、

  • 運が吉い
  • 吉い日
  • 吉い巡り合わせ
  • 運気が吉い
  • 吉い絶景

などとなります。

例文

  • 狙っていたチケットが当たったりおもちゃをもらったりと、今日はとても運が吉い。
  • お見合いで理想としていた男性に出会うことができるとは、巡り合わせが吉い。
  • テストで良い点数をとったり、先生に褒められるなんて、今日は本当に吉い日だ。
  • もう少し進んだ先に、吉い絶景スポットがあるからそこまで頑張って歩こう。
  • 占い師にみてもらったところ、今年は運気が吉いらしいから期待してしまう。
  • 雑誌の占いコーナーに運勢が吉いと書いてあったが、悪い出来事ばかり起こっている。

「佳い」の意味と使い方

「佳い」の意味は「すっきりとしていて、形が整っていること」です。 「佳」は「佳境」「絶佳」と使われているように、「物事の姿勢が整って綺麗であること」を意味します。 物事や人の状態がさっぱりしていて、形が整っていて綺麗であることを表します。 例えば、「佳い女性になれるように、ダイエットしたり化粧をする」といったように使います。これは「姿勢や顔が整っていて、綺麗な女性」という意味になります。 「佳い」は人に対してだけではなく、ものに対しても使うことができます。よく年賀状においても「佳き年になりますように」という表現が使われています。 使い方としては、

  • 佳い年を迎える
  • 佳い日
  • 佳い一年
  • 佳い女性
  • 佳い人

などとなります。

例文

  • 今日も佳い一日になるように、と毎日起きたらお願いしている。
  • 未だに昔、好きだった佳い女性が忘れられない。
  • 人に対してすぐに怒ったり、八つ当たりすることはしない佳い人になりたい。
  • 去年は色々と失敗をしたから、今年は佳い一年にしたいと思っている。
  • 今日の誕生日会では高価なプレゼントをもらったりと、とても佳い日だった。
  • 佳い日に結婚式を挙げたいと思っているので、いつが一番よいかを決めたいと思う。

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