「未満」「以下」「以上」「超える」、これらの言葉は数に対して使用されます。それぞれの違いとしては、「対象となる数字を含むのか含まないのか」ということです。大した違いではないように思いますが、使い方を間違ってしまうと、言いたいことが上手く伝わらないことがあります。普段は何気なく用いる、意味は曖昧だが適当に使っているという方も多いのでないでしょうか。そこで今回は「未満」「以下」の意味や使い方、反対語、数式記号のついて解説していきます。
「未満」は「その数に達しないこと」を意味します。 「未満」は「ある数や値に対して、その数自体は含まないでその数よりも少ないこと」を表すので、例えば「100未満」だったら「100よりも少ない」ということになります。 したがって、「18歳未満」とした場合、”18歳は含まれない、それより若い人のみ”となります。 「未」は音読みだと「ミ」、訓読みだと「いまだ」と読みます。 「未」は「まだ...しない」「いまだ...ず」を意味します。 「満」は音読みだと「マン」、訓読みだと「みちる」「みたす」と読みます。 「満」は「いっぱいになる」「一定の数量や期限に達すること」を意味します。
例
*8歳は含まれません。7歳までは無料です。
*10万円は含まれません。99,999円までは手数料が無料です。
「以下」は「程度・数量などについて、それより少ない、または劣っていること」「法律や数学などでは、基準の数量を含みそれより下」を意味します。 「以下」は「基準を含んだそれより下の範囲」を表すので、例えば「100以下」だったら「100を含んだそれより下」、「平均以下」だったら「平均を含んだそれより下の数値」ということになります。 したがって、「18歳以下」とした場合、”18歳を含んだ、それより下の人たち”となります。 「以」は音読みだと「イ」、訓読みだと「もって」と読みます。 「以」は「ある時・所を起点としてそれより」を意味します。 「下」は音読みだと「カ」「ゲ」、訓読みだと「した」「さがる」と読みます。 「下」は「時間・順序が後の方」「階級・身分・程度が低い方」を意味します。
例
*300円までは使える
*スピードは50キロまで出せる
「新生児」や「未満児」という言葉がありますが、意味を理解しているでしょうか。 「未満児」は「3歳未満の子供」「0・1・2歳の子供」を指します。 詳しくは、年度末日(3月31日)の時点で3歳未満の子供を指し、翌年度中に3歳になってもその年度内では「未満児」とされます。 「未満児」は”保育用語”として、保育園や公共機関などで使われます。
「未満」は「その数字を含まない、それより下」、「以下」は「その数字を含んだ、それよりも下」を表します。ですので、「◯◯未満」と「◯◯以下」の違いは「◯◯を含むか含むかないか」です。 例えば、
これは、両方とも”小学生が入場無料”ということを表していますが、「小学生以下は入場無料」といった方が自然です。 「中学生未満は入場無料」としてしまうと、中学生も無料かと勘違いしてしまう場合があります。 「小学生以下は入場無料」と書いてあれば、中学生も無料になるとは思いません。ですので、「以下」は何かメリットがある場合に使います。 一方で、
これは、どちらも”小学生は入場禁止”ということを表します。 この場合は、「中学生未満は入場禁止」とした方が自然です。 なぜなら「未満」は、法律などで禁止項目を挙げる際にも頻繁に使用されるからです。ですので、「未満」は禁止を表す場合に使うようにしましょう。
◯「未満」の例文
◯「以下」の例文
「以下」と「未満」の反対語
「以上」は「程度・数量などについて、それよりも多いこと。優れていること」「法律・数学などでは、基準の数量を含み、それより上」を意味します。 例えば、「5歳以上」だったら「5歳を含んだ、それより上の人たち」、「週3日以上勤務可能な方」だったら「週3日を含んだ、それより上」を表します。 「友達以上恋人未満」という言葉がありますが、これは「友達よりは上だと思うけど、恋人まではいかない」という意味になります。 「超える」は「上回る」「まさる」「ある程度(限界)を過ぎてそれ以上になること」を意味します。 例えば「一万円を超える」だったら「一万円を含まず、それより上」「最低でも一万円以上になる」、「予想を超える」だったら「予想していたよりも上回る」を表します。 「超過」は「一定の限界・程度をこえること」「こえまさること」を意味します。 例えば「時間超過」だったら「決められていた時間制限を超えてしまうこと」、「速度超過」だったら「決められていた速度制限を超えてしまうこと」を表します。
◯ 「未満・以下・以上・超える」の簡単な覚え方 『以(い)』が付く場合、その数字は含まれる
しばらくすると何が何だか忘れてしまう場合もありますが、このことだけを覚えておけば区別がつきます。
「未満」「以下」「超える」「以上」は”不等号”と呼ばれる記号で表現することができます。
◯「未満」・・・「<(小なり)」”より小さい” ◯「以下」・・・「≦(小なりイコール)」 ”より小さいかまたは等しい” ◯「超える」・・「>(大なり)」”より大きい” ◯「以上」・・・「≧(大なりイコール)」”より大きいかまたは等しい”
これらは大きく2種類に分けられます。 1つ目が「>」「<」で、2つ目が「≧」「≦」です。 「>・<」は「大なり・小なり」と読みます。”対象となる数字を含まずに、それよりも小さいか大きいか”を示します。 例えば「A<B」とした場合は、「A小なりB」となり「AがBよりも小さいこと」を表します。 「≧・≦」は「大なりイコール・小なりイコール」と読みます。「<と>」の下に”同じこと”を意味する「=(イコール)」が付いていることから、”(対象となる数字よりも少ないか多いか、または等しい”か示します。 例えば 「C≧10」だったら「Cは10またはそれ以上」、「10≦D」だったら「Dは10またはそれ以下」となります。
「未満」「以下」「超える」「以上」の英語を考えていきましょう。 皆さんも見聞きしたことがあるはずの「more than...」は「...より大きい」という意味で「...」の値を含みません!「less than....」も然り! つまり「超」は「more than...」「greater than...」で表現できます。 同様に「未満」も「less than...」で表現可能です。 よって、 「以上」は、
と表します。
The value of X must be five or more.
Xの値は5以上でなければならない。
「以下」はその逆で、
です。
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「未満」「以下」について理解できたでしょうか? ✔︎「未満」は「その数に達しないこと」「その数自体は含まないでその数よりも少ないこと」を意味する ✔︎「以下」は「基準の数量を含みそれより下」を意味する ✔︎「未満」の反対は「超える」「超過」で、「以下」の反対は「以上」になる ✔︎ 数式記号で表すと「未満」は「<」、「以下」は「≦」となる