「推敲」という言葉を知っていますか?「推敲」は故事が由来になっています。今回は「推敲」の正しい意味と使い方、類語や英語表現を例文付きで解説します!また、「校正」との違いも解説します!
「推敲」は<すいこう>と読みます。 意味は「文章を作るとき、最適の字句や表現を求めて考え練り上げること」となります。 元々は、「詩文」に使われていた言葉でした。 「推敲」とは一度書き上げた文章を読み直して、字句や表現をさらにより良くするために直していく作業のことです。
「推敲」は故事成語です。 「唐詩紀事(とうしきじ)」によると、唐(とう)の国の詩人賈島(かとう)が、自分自身の作品の「僧は推す月下の門」の「推す(おす)」を「敲く(たたく)」にしようかと迷っていました。 ロバに乗り悩みふけていると、有名な詩人韓愈(かんゆ)の行列に突き当たってしまいました。 突き当たった理由を聞かれた時に賈島は相手が韓愈であると気付き、「推すと敲くどちらがいいか」と質問すると、韓愈は「敲くにしたほうが良い」と助言しました。 このことから、詩文を考え練り直すことを「推敲」と言うようになりました。
「推敲」は文章を直すことに使う言葉ですが、主に「言葉回しや表現」をより良くするといった意味で使います。 誤字脱字などを訂正する「校正」とは使い方が異なります。 「推敲」は、より良い文章になっているか、しっかりと言いたいことが伝わる文章や構成になっているか、そして優れた表現になっているのか、という点を主に直す作業です。 由来が「詩文」であることを考えるとわかりやすいかと思います。 文脈では、そのまま「推敲」と使うか、動詞の「する」と組み合わせ「推敲する」といった使い方をします。 文章としての使い方は例文を参考にしてみてください!
「推敲」は先ほども説明したとおり、最適な表現をするために文章や構成を考えて練り直すことです。 それに対して、「校正」は文章の誤字脱字や誤植を見つけて修正していくことです。 語句や文章の表現など、内容の変更は行わず単に間違いを見つけ正していく作業です。 そして「校正」は主に印刷物に使われる言葉です。 出版にあたり、印刷に先立ち仮刷りをし、原稿の内容と照合し誤植や不備を正す作業です。 印刷物における作業段階としては「文章の作成」を行ったあとに、「推敲」をします。 推敲に推敲を重ねて出来上がった文章の「校正」をして進めていきます。 また、「推敲」は作家や小説家本人が行う作業に対し、「校正」は編集者や校閲の人が行う作業です。
○添削(てんさく) (意味:他人の文章や答案などを書き加えたり削ったりする作業のこと) …主に、他人が作成した正しいかどうかや不備がないかを確かめ改め直す作業です。 ・「先生が生徒の作文の添削をする」 ○校閲(こうえつ) (意味:文書・原稿などの誤りや不備な点を調べること) ○修正 (意味:文章や意見、計画や企画などの足りないところや誤り、不十分と思われる点を直すこと) …文章以外にも使われる言葉です。 ○改定 (意味:今までの決まっていたことを改めて決め直すこと) ○加筆 (意味:文章や絵に筆を加えて修正したり追加をすること) ○訂正 (意味:誤りを正しく直すこと、言葉や文章の誤りを正して改めること) ○精査 (意味:詳しく調べること、精密な調査) ○リライト (意味:文章に手を入れて書き直すこと、特に執筆者以外の人が書き直すこと)
「推敲する」を意味する単語は、
などです。 「校正」は、
という単語を使います。
The author rewrote her first novel over and over again.
その作家は処女作で推敲に推敲を重ねた。
You should proofread your papers at least three times.
自分の論文は最低3回は校正しなさい。
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「推敲」について理解できたでしょうか? ✔「すいこう」と読む、故事成語である ✔文章を作るとき、自分自身で表現や構成をより良くするために考え練り直すこと ✔主に「推敲する」と使う 小説家や歌人がよく使う言葉ですが、論文や資料などにも使うことがあります。 社会人としてしっかりと覚えておきたい言葉のひとつです!