「関係者各位」は「関係者の皆様」といった意味です。そのため複数宛て対して使い、個人宛てには使いません。また「関係者各位」は書き言葉で文書やメールで使い、口語では使わない表現です。ビジネスにおいて社内メールやお詫び文などで用いられるため、しっかりと覚えておきましょう。他にも注意点や「各位」の使い方を説明していきますので、是非参考にしてみてください。
「各位(かくい)」は、大勢の人に宛てた手紙やメールで、その各々を敬って用いる敬称です。 そのため「関係者各位」は「関係者の皆様」といった意味になります。 複数人に宛てる際に用いる表現のため、個人宛てのメールや手紙で使用すると違和感を与えてしまいます。何か複数人に対して伝える連絡事項や案内があった場合のみに「各位」を使うようにしましょう。 「関係者各位」は既知の相手にも、まだ面識がない相手にも使うことができます。 「関係者各位」はあくまでも書き言葉なので、口語では使わない表現です。 ちなみに「各位」には「様」という敬称が込められているので、「関係者様各位」とは使わないので注意しましょう。
メール例文 件名:創立記念式典のご案内 関係者各位 いつもお世話になっております。 この度、弊社は令和2年2月2日をもって晴れて創立222周年を迎えることができます。 これもひとえに皆様のお引き立ての賜物と深く感謝しております。 今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。 ※この後式典の詳細などが続きます。
メール例文 件名:ぴよぴよ会議について 関係者各位 お疲れ様です。英語部の犬山です。 「2020年度 第1回ぴよぴよ会議」の日程が決定いたしました。 6月1日(月)13時より5階 大会議室にて行いますので、ご出席をお願いいたします。 都合により参加出来ない方は、5月28日(金)16時までに英語部の犬山までご連絡お願いいたします。 また不明点や質問等ございましたら、お気兼ねなくご連絡ください。 ******************** 英語部 犬山猿子 mail inuyamasaruko@piyotteruna.co.jp ********************
「おかれましては」の意味は「〜に関して」です。 「関係者各位におかれましては」は「関係者の皆様に関しましては」ということになります。 「おかれましては」は、ビジネス文書の冒頭の挨拶において使われることが多いです。 時候の挨拶を述べた後、「関係者各位におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などと相手の安否を尋ねます。 また文中でも使われることがあります。 例えば先程の式典の案内をする場合に「関係者各位におかれましては、ぜひ参加をしていただければ幸に存じます」などと用いられます。
例文
「関係者各位」は敬語であるため、お詫び文でも使うことが出来ます。 詫び状を送る際に文頭で「関係者各位」と入れることで「関係者の皆様宛」であることが分かります。 さらに文中でも「皆様には深くお詫びいたします」というように「関係者各位には深くお詫びいたします」と使うことも出来ます。 ただ、様が付かない分「関係者各位」だけだとややぶっきらぼうに感じてしまうこともあるようですが、正しい表現となっています。
例文
上司や社外の人に対して「関係者各位」を使ってもいいのか不安になる人もいるかと思います。 「各位」は敬意を表す言葉ですので顧客や社外の取引先、社内の上司など、様々な目上の人に対して使用して問題ありません。 ちなみに「皆様」より「各位」の方が、かしこまった言葉となります。「皆様」は口語的、「各位」は文語的に使うことが多いです。 また、複数の人の中に数名だけ目上の人が含まれているときは、「◯◯部長 △△課長 及び 関係者各位」などと表記することもできます。
「各位」は「皆様」という意味になるので、「様」や「殿」などを併用するのは二重敬語となり誤用となります。
はどれも誤用ですので注意しましょう。 ちなみに勘違いしている人が多いですが、「殿」よりも「様」の方がより丁寧な言葉になります。
「関係者各位」と似た表現に「関係各位」があります。 「関係者各位」と「関係各位」の意味は全く同じです。 しかし、「各位」は「人+各位」で使われています。 ですので、人を指さない「関係」よりも人を指す「関係者」の方が適切であるのは間違いありません。 ただ、「関係各位」も通例として使われていることがあるため、使用しても問題ありません。
関係する相手が1人の場合は、複数の人に向けて使う「関係者各位」は使用できません。 相手と面識がある場合は、 社外:社名+◯◯様 社内:部署名+◯◯さん を使います。 面識がない社外の一人に送る場合は、「関係者様」ではなく「ご担当者様」を使うのが一般的です。 部署名がわかる場合は、「○○部ご担当者様」と記載します。
メール例文 件名:ぴよぴよマガジンのインタビューの件 有限会社グリーン 広報部 ぴよぴよマガジンご担当者様 いつも大変お世話になっております。 ぴよぴよマガジンのインタビューの件につきまして、先ほど内容を確認いたしました。 詳細につきましては、本日中に再度ご連絡いたします。 ******************** 株式会社パープル 英語部 犬山猿子 mail inuyamasaruko@piyotteruna.co.jp ********************
「関係者各位」は、手紙など書面で用いられる頭語「拝啓」と結語「敬具」と併用することは可能です。 「関係者各位」は「関係者の皆様」といった意味なので、併用に何の問題もありません。 ちなみに、ビジネスメールでは手紙を送るほどではないが簡潔かつ相手に負担なく用件を伝えるために用いられています。 そのため頭語や結語、時候の挨拶などは省略し相手の時間を割かないようにします。 絶対にメールでは使用してはいけない、というわけではありませんが「いつもお世話になっております」などの挨拶文を用いるといいでしょう。
「各位」という表現は「関係者」「関係」以外の言葉と組み合わせても使います。 例えば
「担当者各位」でも「位」が付いているので敬語になりますが、尊敬を表す接頭語「ご」を付けるとより丁寧になります。 「ご」と「位」を同時に使うのが二重敬語だと主張する人もいますが、慣習的に許容されています。 「ご」は「担当」という動詞を、「位」は「各」を就職していると解釈すると、別々の言葉を修飾しているので二重敬語にはあたりません。 「関係者様各位」は二重敬語で誤用なのに「お客様各位」は問題ないのか?という声が聞こえてきそうですが、「お客様」で1つの言葉なので許容です。 「お客各位」という表現の方が違和感があります。
「各位」の類語には「皆様」があります。 ただ上述したように「皆様」は口語で使うため、メールの宛名には使用しません。 ビジネスメールでは「各位」を使うようにしましょう。 また複数人を表す言葉に「方」があります。 宛名として「方」を使う場合は「先生方」という表現に限定されます。 「先生方」といえる職業も・・・・・・・・・などに限定される
上記で「先生方」を紹介しましたが、同じ「方」でも「様方」としてしまうと全く違う使い方をするので注意しましょう。 「様方(さまがた)は、手紙やハガキを送るときに、送付先住所の世帯主の苗字と受取人の苗字が異なる際に使う敬称」のことです。 「様方」を使う場面としては、
などです。 世帯主の苗字と宛先の苗字が同じ場合は、「様方」は使う必要はありません。
<「様方」の例> ◯山田太郎さんと同棲している鈴木花子さんに手紙を送る場合 「山田太郎 様方 鈴木花子 様」 ◯板橋一郎さん宅に居候している豊島三郎さんにハガキを送る場合 「板橋一郎 様方 豊島百郎 様」 ◯義実家に帰省している南よし子さんにハガキを送る場合 「東五郎 様方 南よし子 様」 ◯磯野波平さん宅に住んでいるフグ田マスオさんに手紙を送る場合 「磯野波平 様方 フグ田マスオ 様」 ◯剛田武さん宅に身を置いている野比のび太さんにハガキを送る場合 「剛田武 様方 野比のび太 様」
「関係者各位」「担当者様」でよく使う英語表現は「To whom it may concern,」です。 しかしこれは面識のない人に対して使います。特に社外の人に対して使います。 よって、「関係者各位」のように使える場合と使えない場合があるので注意してください。
「関係者各位」に最も近い表現は「Dear all,」です。 不特定多数の人に対して、かつ面識がある人にもない人にも送ることができます。
社内全員に対してメールを送る際に使えるのが「Team,」です。 これは少しカジュアルでフレンドリーな表現で、IT企業などで社長が全社員宛にメールを送るときによく使用されます。
いかがだったでしょうか? 「関係者各位」について、理解できたでしょうか? ✔意味は「関係者の皆様」で書き言葉として使う ✔ビジネス文書の挨拶文やお詫び文で使う ✔司や社外など目上に使っても失礼ではない ビジネスシーンで、かなり頻繁に使われる言葉です。 しっかりと使い方を覚えておきましょう。