「毎々」の意味は「いつも」と「そのたびごとに」の2つがあります。目上の人や取引先などに対するビジネスメールで、「毎々お世話になっております」「毎々のお引き立て御礼申し上げます」などと使います。ただし「毎々」は日立用語とも言われ、あまり一般企業では使用されない点に注意が必要です。
「毎々」は厳密には ①いつも=一つの事が継続して発生している ②そのたびごとに=同じことが何度も繰り返し発生している という2つの意味があります。 「毎々」の品詞は名詞ですが副詞的にも使います。 例えば、「この会社では人材不足という問題が毎々起こる」といった場合、「常時、人が足りていない」と「人が足りたり足りなかったりを繰り返す」という2つのニュアンスがあります。
「毎々」の読み方は「まいまい」です。 「つねづね」と誤読する人が多いため注意です。 「毎」は訓読みで「つね」と読む場合もありますが、「毎々」は「つねづね」と読みます。 「つねづね」の漢字表記は「常々」です。
「毎々」は堅い表現で基本的にビジネスシーンで使いますが、稀に日常会話で使う場合もあります。 「毎々のことながら」とは「いつもそうだから今回あえて言う必要もないけど」というクッション言葉です。 いつも伝えていることを再度発言する際の前置きとして使います。
例文
「毎々お世話になっています」はビジネスメールで主に使用される挨拶です。 「まいまい」を口頭で使うと、相手が意味を理解できなかったり、大げさな印象を与えることもあるので、使用する際は書き言葉がベターです。
などの言い回しがあります。 「おります」を使うと最も丁寧な敬語表現になります。
「毎々」は、いつもお世話になっている取引先や顧客に対して感謝の手紙やメールを送る際にも使用されます。 日頃のビジネスメールでは使わず、新年の挨拶や休業のお知らせなどかしこまった場面で使用します。 「お引き立て」「ご高配」「ご愛顧」「ご厚情」「ご支援」「ご用命」「ご協力」「ご指導」などの言葉と一緒に使います。 これらの言葉を「格別の」「ひとかたならぬ」などの言葉で修飾します。 「格別のお引き立て」が最もよく使われる組み合わせです。 「格別」とは「特別。とりわけ」、「お引き立て」は「目をかけて重用する」という意味です。 普段から特別に目をかけてくれている人・組織に対して使う表現です。
例文
「毎々のお心遣いありがとうございます」は定期的に贈り物をいただいている時に使うお礼です。 相手から自分に対する思いやりに対して感謝する表現です。 「毎々のお心遣いありがとうございます」はビジネスにおいてはあまり使用しません。 ビジネスシーンでは利害関係を意識して行動を取るので、「相手の真心に対して感謝する」場面は比較的少なめです。 また「お心遣い」が和語なので、日常使いがベターです。 訓読みする言葉はビジネスでは適さないとされています。 「お心遣い」をビジネスで使う場合は「ご配慮」がよいでしょう。
「毎々」はお礼だけではなくお詫びの文章でも使うことができます。
などの言い回しがあります。 一定期間、繰り返す迷惑をかけていることを謝る時に使います。
「毎々お世話さまです」と使う人がいますが、注意が必要です。 問題なのは「お世話さまです」という表現です。 「お世話さま」は自分のために尽力してくれた目下の人に対して感謝の気持ちを表す語です。 「ご苦労様です」も同じで、目上の者が目下の者に対して使う語です。 「お疲れ様です」も本来は目上の人に対して使えないのですが、現在では上下関係なしに使用することが許容されています。
「毎々」はビジネスメールなど堅い文章で使用されますが、「毎々」自体は敬語ではありません。 「毎々」を使用する時は常に他の敬語表現と一緒に使う必要がありますので、注意しましょう。
「毎々」は「いつも」「そのたびごとに」という意味なので、当たり前ですが初対面の相手や面識のない人に対して使うことはできません。 例えば、まだお会いしたことはないが今後お付き合いしていく取引先などへ送る文書で「毎々お世話になっております」と書いてしまうと相手に違和感を与えてしまいます。 まだ面識のない相手へは「はじめまして」「突然のご連絡失礼いたします」「はじめてお便り差し上げます」など、全く別の言葉を使う必要があります。
ここまで散々解説してきてアレなのですが、「毎々」という言葉はあまり一般的に使用される言葉ではありません。 「毎々」は俗に言う日立用語で、日立以外の企業ではあまり使われません。 他に日立用語で代表的な言葉には「拝承」があります。
ビジネスの挨拶文で使う「毎々」の言い換えには、
などがあります。 「毎々」よりも「平素より」を使う方が一般的です。
「毎々」の類語の類語には「常々」もあります。 「毎々」の読み方の箇所でも紹介しましたが、「常々」は「つねづね」と読みます。 「常々」は「ふだん。日常」という意味で、どちらかというと「毎々」の1つ目の意味である「いつも」に近いです。 「毎々」のように挨拶文等では使用せず、口頭で使うのが主です。
例文
「毎々」と似た言葉に「毎度」「度々」があります。 これらは「毎々」の2つ目の意味である「そのたびごとに」という意味で、「何度も継続して繰り返されるさま」を表しています。
「いつも」を意味する英語は、
などがあります。
「ふだん」を意味する英語は、
などがあります。
「何度も」を意味する英語は、
などがあります。