「確信犯」とは、「自分の道徳的、宗教的または政治的信念に基づいて実行される犯罪」を指します。思想犯や政治犯、国事犯にみられます。そこから転じて「自分で悪いとわかっていながらあえて行う行為」を指すようになりましたが、これは厳密には誤用で、この意味では「故意犯」を使うのが正しいです。
○読み方 <かくしんはん> ○意味 法律で政治的・道義的・宗教的な確信に基づいて義務感または使命感によって行われる犯行 本来の意味は上記の通りであり、いわゆるテロなどが当てはまります。 法律上で犯罪とされていることを、自分の信じる宗教や政治などを実現するために「今の政治を変えるために必要なことだ」「これこそが正しい」などと確信して行動してしまうことです。 ですが、現在の日本語では悪い事であることやトラブルなどを引き起こすことであると分かっていながらも行動を起こすこと、またその行動をした人といった意味でも定着しつつあります。 この場合は「犯」という字がついていますが「犯罪」ではありません。 辞書にも「通俗的な意味」として記載されています。 そのため、この意味は間違いであると思っている人も多くいますが誤用ではありません。
本来の意味、通俗的意味の両方の「確信犯」の使い方について説明していきます。また使い方が分かりやすいようにそれぞれの例文も紹介します。
本来の意味で「確信犯」が用いられる場合は、テロや義賊などによる重大な犯罪やそれを犯した人を指すことが多くあります。 また、救急救命士などが重症患者を救いたい想いから法律では禁止とされている治療を搬送中に行うことなども「確信犯」にあたると解釈さます。 小さな医療機関のない地域などで、困っている人のために医者になりすまして治療行為をすることも「確信犯」に該当します。 しかし「本当に救いたい」という気持ちからの行為の場合であり、実際にその行動をした動機が「お金儲け」「やらされていた」などといった場合は「確信犯」にはあたりません。 「確信犯」には罪悪感などが一切無く、躊躇せずにその犯行をしてしまいます。 このように、本来の意味の「法律で政治的・道義的・宗教的な確信に基づいて義務感または使命感によって行われる犯行」としての「確信犯」は一般的にはあまり使われません。 政治的問題や、医療現場などの業界において起こることが多い犯罪です。
俗に使われるようになった「悪いと分かっていながらも行動を起こすこと、またその行為をする人」といった意味の使い方としては、日常的に使われています。 例えば、本当は他の人に話してはいけないと分かっていながらも話しておいて「話してよかったんですよね?」などと言ってきたことに対して「それ確信犯だね」と使います。 このように知らなかったフリをしていたり、自然を装って計画的であったり、過失に見せかけて故意的であることに対して使います。 また女性が嘘泣きや虚偽の相談などを男性の興味を引いたり、他の女性などの評価を下げることなども「確信犯だ」とよく言われています。 さらに最近では、アイドルが自分の可愛い顔やポーズを分かっていながらやっている時や、動物などが甘やかされると分かっていて寄り添ってきたり「く〜ん」と困り顔で呼んだりした時に「確信犯だ!」と使います。 この使い方は「あざとい」に近い意味で用いられています。 要するにその行為に対して肯定的であり、むしろそれこそが可愛いと褒めているニュアンスで使われています。 この行為には「悪いと分かっていながら」という部分は当てはまらず単なる故意的行動です。また悪いことはしていないために誤用であると言えます。 しかし、本来の意味よりもこういった意味で一般的に使われることも多く一概に誤用だとは言えなくなっています。 言葉の意味は変わっていくものであり、昨今ではその時代などに合った使い方をするべきだと考えられています。 ですが、本来の意味以外の意味が生まれて一般的に使われているのは日本だけなのでそういった点は注意しましょう。
「確信犯」について説明してきましたが、似たような意味を持つ「故意犯」と言う言葉はご存知ですか? 「故意犯」は通俗的意味として使われている「確信犯」と近い意味を持ちます。 「故意犯<こいはん>」 意味は、自らの行為の犯罪性を自覚した上で行う犯罪、またそれを犯す人となります。 通俗的意味である「確信犯」は悪いことを自覚した上で行っていましたが、「故意犯」はその悪いことが犯罪性であるという自覚があるということです。 そのため、法学的用語として「確信犯」とは別物となります。 通俗的に使われている「確信犯」の意味と近いため、混同されやすくなっていますが異なりますので、正しく理解し覚えましょう。
本来の意味の類語 本来の意味…「政治的・宗教的などの確信に基づいて義務感や使命感によって行われる犯行」 ○政治犯 (意味:政治的動機によって反政府的とされる態度や運動をとり政治的秩序を侵害する犯罪・またその犯人) ○思想犯 (意味:国家体制に反する思想に基づいてなされた犯罪・またはその犯人、第二次大戦以前の治安維持法に触れた犯罪のこと) 「政治犯」「思想犯」共に「確信犯」の中の類である。 俗に使われている意味の類語 俗に使われている意味…「悪い事であると分かっていながらも行動すること、その行動をする人」 ○故意<こい> (意味:意識して行うこと、わざとすることやその気持ち) ○作為的<さくいてき> (意味:物事を行う際にわざとらしさが目立つさま) ○悪気<わるぎ> (意味:意地の悪いまわり気、人に害を与えようという心) ○ずるがしこい (意味:悪知恵に長けていること、ずるいやり方を思いつき巧妙に行うさま)
本来の意味の対義語 本来の意味…「政治的・宗教的などの確信に基づいて義務感や使命感によって行われる犯行」 ○故意犯<こいはん> (意味:自らの行為の犯罪性を自覚した上で行う犯罪、またそれを犯す人) ※犯罪性の自覚の有無を対義語とする ○過失犯<かしつはん> (意味:不注意など過失による犯罪) ※犯罪しようとしていない部分は対義語ではないが、その犯罪自体を犯罪として認識の有無における対義語 俗に使われている意味の対義語 俗に使われている意味…「悪い事であると分かっていながらも行動すること、その行動をする人」 ○無邪気<むじゃき> (意味:素直であり邪心のないこと、深い考えのないこと) ○純真<じゅんしん> (意味:汚れがないこと、私欲や邪念のないこと) ○自然体<しぜんたい> (意味:特別つくろったり気負いしたりすることなく、ありのままの態度のこと)
「あいつは確信犯だよね」の英語表現を考えていきます。 日常的な「確信犯」の意味は、「その人は自分がやってることは分かってる」という意味なので、
He knows exactly what he's doing.
He is doing it on purpose.
などです。
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「確信犯」について理解できたでしょうか? ✔本来の意味は「政治的・宗教的などの確信に基づいて義務感や使命感によって行われる犯行のこと」 ✔通俗的な意味として「悪い事であると分かっていながらも行動すること、その行動をする人」が一般的に用いられている ✔そういった使い方は日本だけ ✔混同されやすい「故意犯」は「犯罪であると分かっていながら行動すること、その行動をする人」 ✔最近では若者やネット用語として「あざとい」と近い意味で使われている 本来は重大な犯罪であることが、今では可愛いを自覚していることを褒める言葉としても用いられています。 日本語の意味の変化は興味深くもありますが、使い方を間違えると不信感を抱かれてしまうこともあります。 意味をしっかり理解して、正しく使いましょう!