「とりあえず」という表現は様々なシチュエーションで使われます。レストランでの注文で「とりあえず水ください」というカジュアルな表現から、ビジネスシーンで「とりあえずの合意」などフォーマルなニュアンスなど様々です。この記事では日本語の「とりあえず」の意味をまず整理し、それぞれのニュアンスに対する英語表現と徹底解説していきたちと思います。
「とりあえず」の英語表現を解説する前に、日本語の「とりあえず」という言葉の定義・意味を明確にしておきましょう。 日本語の「とりあえず」には大別して3つの意味があります。 《1》さしあたり。今のところ。当面(この意味がメイン!) 《2》第一に 《3》すぐに。直ちに ですから、それぞれの意味に対して、英訳を考慮する必要があります。 これら3つのニュアンスに分けて、英語表現を1つずつ解説したいと思います。 ※音声付き例文がありますので、発音の確認に活用してください。音声はアメリカ英語になっております。
「for now」は「今のところは」「さしあたり」「とりあえず」を表す際に最もよく使われる英語表現のひとつです。 この「for now」は日常生活の中でのカジュアルな場でもビジネスの場でも使うことができるので非常に便利な英語表現です。 カジュアルな表現としては、レストランや居酒屋でお食事や飲み物を「とりあえず」頼む時によく使います。 例えば、居酒屋に着いて「とりあえずビールをください」と言いたい時は「I'll take a beer for now.」となります。一旦、必要そうな物を注文した後に「とりあえず以上です」と言いたい時は「That's it for now.」と表現します。 「I'll take... for now.」の「take」を「have」に代えて「I'll have... for now.」と言う場合もありますが、ニュアンスはどちらも「とりあえず...をください」と同じです。 また、「That's it for now.」の「it」を「all」に代えて「That's all for now.」と言う場合もニュアンスは「とりあえず以上です」といったものになります。 ビジネスの場で使うシーンを挙げると、プロジェクトなどの進捗状況を報告する際に、「とりあえずこの場で報告することは以上です」といったニュアンスでよく使われます。 使い方としては、報告すべきことを全て伝えた最後に「That's all for now.」と添えると、「とりあえず報告は以上です」となります。 「for now」を使う際の注意点としては、現在の事にのみ使える表現となり、過去のことについては使うことができない点です。 過去の出来事について「とりあえず」と表現したい場合は、「for now」ではなくこの後説明する「first off」や「for the time being」などの違った表現を使いましょう。 上記の通り、この「for now」という表現はいろんな状況で使えるので、ぜひ覚えて使ってみましょう。
✔「for now」は最もカジュアルな言い方でネイティブがよく使う表現 ✔「I'll take... for now.」「I'll have... for now.」で「とりあえず...ください」 ✔「That's it for now.」「That's all for now.」で「とりあえず以上です」 ✔「for now」は現在を表すため過去のことには使えない
Can we get some water for now please? We'll order food later.
とりあえず水頂けますか。あとで食べ物オーダーします。
I'll take today's recommendation for now.
とりあえず今日のオススメもらいますね。
「とりあえず」を表現する英語表現に「start off with...」があります。 「start off with...」は「for now」と同じように、飲食店で最初に「とりあえず」何かを頼むを表現する時によく使われます。 この「start off with...」は直訳をすると「...から始める」となり、これだけでは終わらずこの後にも何かを注文しますというニュアンスが込められています。 レストランなどでまずは前菜や飲み物を「とりあえず」頼んで、メインディッシュは後から注文、というような状況を表す際に、この「start off with...」を用いて表現することができます。 例文を見てみましょう。
We will start off with the caesar salad and the bottle of red wine.
とりあえずシーザーサラダと赤ワインのボトルをください。
Let me just start off with these appetizers.
これらの前菜をとりあえずください。
「for the time being」は「さしあたり」「当分の間」などのニュアンスで使える英語表現です。 「さしあたり」の「とりあえず」を表す英語表現は「for now」だけではなく、 「for the time being」もよく聞く英語表現ですので、どんどん活用していきましょう。 なんとなくかっこいい響きでよりネイティブっぽく聞こえるので自然と使えるとクールに思われるかもしれませんよ!
According to the weather cast, the hot days will continue for the time being.
天気予報によると、暑い日は当面続くそうだ。
The money will do for the time being
当分そのお金で間に合うだろう。
「for the moment」は「for the time being」や「for now」と同じようなニュアンスで「さしあたり」という意味でよく使われます。 「for now」「for the time being」はカジュアル目な表現になるのに比べ「for the moment」はどちらかと言うとフォーマルな表現となるので、丁寧に表現したい時や、 目上の人に使う場合は「for the moment」の方が良いかもしれません。 この「for the moment」は現地点ではこのような状況だけど、この後この状況が変わる可能性があるような時に用いられます。 ここで注意してほしいのは「今」の意味を持つ「moment」という単語を用いて他のイディオムで「ちょうど今」を意味する「at the moment」や「しばらくの間」を意味する「for a moment」などとよく表現されることがありますが、これらは全て全く異なる意味を持つので要注意です。
✔ 「for the moment」はよりフォームな表現に近い ✔ 「for the moment」は「当面の間」、「for a moment」は「しばらくの間」、「at the moment」は「ちょうど今」と、全く異なる意味になるので注意
This trend will probably continue for the moment.
このトレンドはしばらく続くと思われる。
I forgot her name for the moment.
彼女の名前をど忘れした。
何をすべきか決まらない段階で、「とりあえず〜しよう」というときは「anyway」を使います。「ともかく」「いずれにしても」という意味です。例えば、何すればいいか分からないが花金なのでとりあえず楽しもうと言いたいときは「Anyway, let's just have fun!」などと言います。
Anyway, let's give it a try.
とりあえず、試してみようよ。
Anyway, I'm leaving now. Text me later.
とりあえず出るね。あとでメールしてよ。
「anyway」に関しては下記の記事も参考にしてください。
「Let’s just say that...」で「とりあえず...ということにしておこう」という意味になります。詳細な説明は省略して使うフレーズです。例えば、「とりあえず、うまくいってるということにしよう」と言うときは「Let's just say that it's been going well.」となります。
"Did you guys make up again?" - "Let's just say that we started talking to each other again."
「あなたたち仲直りしたの?」-「お互いに会話するようになった、ということは言っておくよ」
"Can you get it done by Friday?" - "Well, let's just say that it's not gonna be easy. "
「金曜日までにやれる?」-「うーん、簡単じゃないってことだけは言っておきます」
「tentative」はビジネスシーンで使うフレーズです。「暫定的な」「仮の」「試験的な」という意味です。「tentatively」は副詞です。 「final」の反対語です。
We've reached a tentative agreement today.
今日、仮の合意に達した。
The next meeting is tentatively scheduled for next Friday.
次回の会議は来週の金曜日で仮決定しています。
「とりあえず」には「第一に」という意味もあります。 ビジネスシーンなど公式な場面で最もよく使うのは「first of all」です。 論文や報告書など文章でもよく使う表現です。「first」「firstly」などと表現することもあります。「second of all」「third of all」と続きます。 「first and foremost」で「何より先に」という意味になります。
First of all, I'd like to share my thought on this with you.
とりあえず、これに関する私の考えを共有したいと思います。
The first thing you have to do when you wake up is to brush your teeth.
起きてとりあえずしなくてはいけないことは歯磨きだ。
First and foremost, we need to discuss this topic.
何より先に、この話題について議論する必要がある。
「とりあえず」には「すぐに」「急いで」という意味もあります。 元々、日本語の「とりあえず」は「取るのも取り敢えず」という言葉が語源です。 「取るのも取り敢えず」という言葉は、「差し迫った情況で、普通ならするはずのその事もできず」という意味です。
副詞「immediately」は「ただちに」「今すぐ」を表す最も一般的な語です。 「right away」「at once」なども同義です。
Please come to the hospital immediately!
とりあえず病院に来てください!
「hurry」は動詞で「急ぐ」という意味です。 「hurry to...」で「急いで...に行く」という意味になります。
The moment she heard the news, she hurried to the scene of an accident.
彼女はニュースを聞くやいなや、取るのもとりあえず事故の現場に急行した。
◯科学的に正しい英語勉強法
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◯会話もメールも 英語は3語で伝わります
こちらの本では、「主語・動詞・目的語」のシンプルな構造で英語の文章を組み立てる方法を紹介しています。日本語を英語に直訳してしまうと、つい文章が長く分かりづらいものになってしまいますよね。ネイティブに分かりやすく伝わる綺麗な英語を身に付けたい方におすすめ書籍です!
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