「ふつつか」という言葉をご存知でしょうか。「ふつつかですが」「ふつつか者」といったように使います。ドラマや映画などでも「ふつつかな者ですが、よろしくお願いします」と使われていますよね。日常会話で使うことは少ないかもしれませんが、見聞きしたことあるという人が多いかもしれません。「ふつつか」と聞いただけでは、どういった意味なのかいまいちわかりませんよね。正しく使うためには、意味についてしっかりと知っておくことが必要です。そこで今回は「ふつつか」の意味や使い方、類語、「ふつつか者」について解説していきます。適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「ふつつか」の意味は「能力や考えが足りずに劣っていること、十分でないこと」です。 不十分な点が多いですが、至らないことがありますが、とへりくだった表現となります。 「ふつつか」は漢字だと「不束」と表します。 「不」は「〜ない、良くない」、「束」は「まとまっている、しっかりしている」を意味します。 元々は「太束」と表していましたが、転じて「不束」が使われるようになりました。本来「ふつつか」は「太くて頑丈」という意味ですが、だんだんと「野暮ったい、手際が悪い」という意味になりました。 「ふつつか」には「行儀が悪い、下品である、不細工である」という意味もありますが、この意味で使われることはほとんどありません。
「ふつつか」は、自分あるいは自分の身内をへりくだって言う場合に使います。 自分のことを紹介するときに「ふつつか」を使うことによって、自身を謙遜することができます。 主に「ふつつかな◯◯」という形で用います。「ふつつか」の後には、「〜ですが」「〜だが」「〜ではあるが」といった逆接を表す語が続きます。 結婚式などで花嫁側の親が花婿側の親に対して、『ふつつかな娘ですが、何卒よろしくお願いします』と言うのが常套句になっています。 この「ふつつか」には「まだ不十分なところが多いですが」という意味になります。本当は完璧であったとしても、事実を言ってしまうのは気が引けるため、「ふつつか」を使って謙遜しています。 パーティーや酒の席などで司会や幹事をするときの挨拶で、「ふつつかな点がありますが」と使うこともできます。 このように「ふつつか」は、改まった場面での挨拶として使うことが多いです。
例文
至らない (意味:不十分であること) 「至らない点もございますが、お手柔らかにお願いいたします」 気が利かない (意味:細かい気遣いができないこと) 「彼は本当に気が利かなくて困るよ」 行き届かない (意味:配慮が細かいところまで足りていないこと) 「行き届かない点がいくつかある」 不十分 (意味:完璧ではないこと) 「その計画には不十分な点があるから見直す」 若造(わかぞう) (意味:若者や能力が足りていない人を嘲る語) 「若造なんかにこの仕事がつとまるはずがない」 未熟 (意味:学問や芸などが不十分であること) 「彼女はまだまだ未熟だから任せられない」 若輩者(じゃくはいもの) (意味:不十分で経験が浅いこと) 「若輩者ですが、精一杯頑張ります」 ひよっこ (意味:まだ経験が足りていない人) 「彼はひよっこだから今回の件は見逃すことにしよう」 力足らず (意味:技術や経験が少ないこと) 「トラブルが起きたのは私が力足らずだったからだ」 大まか (意味:小さいことは気にせずに物事を行うこと) 「大まかに内容をまとめておく」 初心 (意味:最初に思い立ったときの純粋な心) 「初心に返って一から考え直そう」
気が利く (意味:細かい部分にまで注意が届いていること) 「彼は本当に気が利くから助かる」 気配り上手 (意味:あれこと気遣いができること) 「彼女は気配り上手だから、良い印象を持っている」 熟達 (意味:慣れていて上達すること) 「指導に熟達している人に頼むことにしよう」 思いやりのある (意味:相手の身になって思うこと) 「思いやりのある人になるように心掛ける」 手厚い (意味:振る舞いや扱いが親切で丁寧であること) 「そのお店は手厚いおもてなしで有名だ」 気立ての良い (意味:相手に対しての態度や振る舞いが良いこと) 「気立ての良い人に好感を抱く」 心温かい (意味:愛情を持っていること) 「心温かい対応に満足した」 親切な (意味:相手の身になって行動をすること) 「親切な人はなかなかいない」 機転が利く (意味:その場の状況に合わせた行動をとること) 「機転が利く人は、何事にも冷静に対応する」
「ふつつか」を用いた言葉でよく使われている表現に、「ふつつか者」があります。 「ふつつか者」の意味は「その場に応じた対応ができない人、行き届かない人」です。 「ふつつか者」は自分のことに精一杯で、人に配慮できなかったり、気が使えないことを謙遜する場合に使います。自分や身内をへりくだる表現として使うことで、「気が利きませんが〜」ということを表すことができます。 ビジネスや結婚式の挨拶において、「ふつつか者ですが、よろしくお願いいたします」と言います。 自分をへりくだる表現なので、「Aさんはふつつか者ですね」と相手に対しては使いません。 よく使われるフレーズには、
などがあります。
例文
「ふつつか」の英語表現を見ていきましょう。 「十分ではない」という意味ならば「insufficient」 「無能」という意味ならば「incapable」「incompetent」 などの英単語があります。 「ふつつか者ですが」などと自分をへりくだる挨拶文は英語圏では使いません。謙遜であっても「自分の能力は不十分だ」などとビジネスシーンで英語で発言してしまうと、自信がないように映りネガティブな印象を相手に与えるでしょう。
科学的に正しい英語勉強法
メンタリストとして活躍する筆者が、日本人が陥りやすい効率の薄い勉強方法や勘違いを指摘し、科学的根拠に基づいた正しい英語学習方法を示してくれています。 日本人が本当の意味で英語習得をするための「新発見」が隠れた一冊です。
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。 タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。 イラストや例文などが満載なので、これを機会にスラング英語をマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「ふつつか」について理解できたでしょうか? ✔︎「ふつつか」は「能力や考えが足りずに劣っていること、不十分であること」を意味 ✔︎「ふつつか」は漢字だと「不束」と表す ✔︎「ふつつかな点」「ふつつか者」「ふつつかですが」といったように使う ✔︎「ふつつか」の類語には、「行き届かない」「未熟」「力足らず」「初心」などがある