「虚栄心」という言葉をご存知でしょうか。「虚栄心」とは、「自分を実質以上に見せようと意地をはること」です。みなさんの中にも、ついつい見栄を張ってしまうことってありませんか?今回は、「虚栄心」の意味と「虚栄心が強い人」の心理や特徴・克服方法などを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「虚栄心」は、「きょえいしん」と読みます。
「虚栄心」の意味は、「自分を実質以上に見せようと意地をはること」です。 自分を凄い人間だと思わせたいがために、大げさな発言をしたり、大したことでもないことを誇張して表現したくなることで、些細なことでも「見栄をはりたくなる」といった心情を「虚栄心」をいいます。 つまり、わかりやすく言うと、家に引きこもって1日中ゲームをしているだけの生活を送っている人が、SNS上ではキャリアウーマンになりきってバリバリ働いて地位もお金も得ているというような振る舞いをするというような、自分が作り出した憧れの自分を他人に見せることです。
「虚栄心」が強い人は、自分に自信がなく、コンプレックスも多いため「自分はだめ奴なのだ」と自己否定をする傾向にあります。 また、「こうでなくてはいけない」という強い思い込みが激しいので、理想としている自分ではないことに対してどんどん自分を責めてしまいます。 そして、周りの人間にはダメな人間であることを悟られたくないという思いで、本当の自分を隠そうとするあまりついつい見栄を張った言動をしてしまうのです。
「虚栄心」のない人は、自分自身で自分の力量を理解しているし、いい意味で「自分はこれくらいの人間だ」と認めることができていて、その上で「こうなりたい」という自分になるために努力をすることができます。 しかし、「虚栄心が強い人」は自分自身を認めることができず、「こうでありたい」という理想の自分が巨大化していってしまいます。 その結果、自分の実態とかけ離れた自分に近づきたいという思いが「見栄」となって表れてきてしまうのです。
「虚栄心」が強い人は、物事を「勝ち負け」で判断します。 常に、誰かと比べては、「自分はこの人よりここが優れている」と判断することでしか自分を認めることができないのです。 基本的に、他者の存在なしでは「自分とは何か」というアイデンティティを確立することができません。
特に女性に多いのが、「外見」に異様なこだわりを見せるタイプです。 「虚栄心」が強い人は、見た目や持ち物を気にする人が多く、見た目は美しくなければいけないし、良いものを身につけていないといけないと思っています。 なので、美容に必要以上にお金をかけたり、無理をしてブランド物のバックや小物を購入するなど、見た目から偽りの自分を作り上げてりまう人も多いです。
「虚栄心」が強い人の多くは「人間恐怖心」です。 本当に信頼してる人であれば、「素」の自分をさらけだすことができますよね。 「虚栄心」が強い人は、誰のことも信用することができないと思っているので本当の自分を見せることができずに見栄を張ってしまうのです。 「本当の自分を知られたらバカにされる」「嫌われる」と本気でそう思っています。
「虚栄心」が強い人は、地位や名誉、経済力がある人に人が寄ってくると思いこんでいます。 「役職についているのが偉い人」「お金をいっぱいもっているのが偉い人と思っています。 そして、そんな偉い人は人から好かれる・人が寄ってくると単純にそう思っているので、「自分も偉い人にならなければ」と思ってしまうのです。 実際、大切なのは地位や名誉だけではありませんよね。 しかし、「虚栄心」が強い人はそのことに気がつけないので、注目をあびるためにすべての実績を過大に見せようとしてしまいます。
見栄を張って大げさに物事を話すということは多少なりとも「嘘」をついているということになりますよね。 「虚栄心」の強い人は、事あるごとに見えをはるのが当たり前になってしまっているの、嘘をつくことが癖になってしまっています。 つまり、大げさに表現するために嘘をついてしまっても、罪悪感が全くないという人が多いのです。
「虚栄心」の強い人は、責任感がない人も多いです。 見栄を張って誇張する表現をしているということは、事実とは異なることを他人に平気で話せているということです。 基本的にその場しのぎの発言が多く、その後「事実とは異なるということがバレる」ということまでは考えられていません。 「虚栄心」の強い人は、「虚言癖」の可能性があるということを上述しましたが、このタイプの人は、都合の悪い自分の発言は忘れていたり、自分の都合の良いように物事を解釈して記憶してしまいがちです。 自分の対応や発言に対する責任感がないと言えるでしょう。
「虚栄心」の強い人は、誰よりも自分がすごいと思われたいという気持ちが強いので、他人が評価されることを嫌います。 別に比べられているわけでもないのに、自分と対象人物を比べてしまうのです。 例えば、「○○さんって仕事ができるすごい人だよね」と褒めた場合に、「でも○○さんって部長に媚びうってるよね」というように、マイナスなイメージを植え付けようとしたりなど、他人がすごいということを認めたがらないという傾向にあります。
「虚栄心」はそもそも「プライドの高さ」からきていることが多いです。 プライドが高いので、誰よりも優位に立っていたいという気持ちが強く、すぐに優劣をつけ相手に対して敵意をむきだし、見栄をはった言動を繰り返してしまうのです。 ありのままの自分を受け入れられないのも「プライドが高い」という性格が理由であると言えるでしょう。
「虚栄心」をなくすためには、まず「周りの人と自分を比べる必要がない」ということに気がつくことが大切です。 「他人と比べる」という癖が直せれば、見栄をはってしまうことも少なくなっていくはずです。 「他人と比べたときの自分」ではなく、自分自身のアイデンティティを確立するこで、「虚栄心」は薄れていくことでしょう。
「虚栄心」が強い人は、上述ているように相手の評価に厳しい場合が多いです。 相手の良いところを素直に「良い」と認めることを心がけることが大切だと言えるでしょう。 相手を素直に認める癖をつけることで、「相手より優位でいたい」という意識も徐々に薄れていくはずです。 また、相手を認めることで相手も自分を認めてくれるようになるので、自分を認めて欲しいと思うのならば、まずは自分が相手を認めるということを意識しましょう。
「自分のだめな所」を、見栄を張ってごまかそうとするのではなく、きちんと向き合ってみましょう。 人は、誰もが苦手なことがあったり、できないことがありますよね。 そんな自分を「ダメな人間だ」と否定するのではなく、ダメなところがある自分を向き合う必要があります。 そして理想があるのであれば、「こうでありたい」と思う人物像に近づくために努力をすることが大切だと言えるでしょう。
「虚栄心」がない人は、自分なダメなところに目がいきがちですが、それではどんどん自信がなくなっていってしまいますよね。 自分な得意なこと・好きなことを伸ばしてみると、自分に自信をつけることができるのでオススメです。 趣味に力を入れてみる、運転が好きだから運送系の職に転職するなど、好きなことや得意なことに目を向けてみてください。 コンプレックスをなくすことを自分の好きなことをして自信をつけるほうが簡単です。
「虚栄心」が強い人と接する場合は、相手を刺激しないことを心がけましょう。 「虚栄心」が強い人は、上述しているように「自分に自信がない」「劣等感のかたまり」である場合が多いです。 非常にナイーブなので、変に刺激してしまうと相手を深く傷つけてしまい、その後めんどくさいことになりかねません。
「虚栄心」が強い人は、「自分がすごい人間である」ということを認めてもらいたいと思っているので、とにかく相手を褒めることが効果的です。 「すごいですね」「尊敬します」など、相手を褒めて自信をつけさせてあげることが「虚栄心」の解消に繋がります。 とくに「虚栄心」が強い人に「認められていない」と感じている場合は、まずは相手を褒めて「あなたを認めています」というアピールをしましょう。
「虚栄心」が強い人の話は、さらりと聞き流しましょう。 「虚栄心」が強い人は、競争心をむき出しにしてくるので「私のほうが上ですよ」というアピールにイラっとすることがあるかもしれませんが、気にすることはありません。 相手と張り合う必要はありませんので、笑顔で「すごいですね」「うらやましいです」など相手が喜びそうな反応をしておきましょう。
相手の「虚栄心」の強さがストレスになっているという場合は、無理に付き合いを続けることはないでしょう。 職場の人であれば、挨拶をきちんとし、業務に関わることは自然に対応し、プライベートでは関わるのを控えるなど、自然に距離をおきましょう。 自分が一緒にいて辛いと思う人と、無理に付き合いを続けることはありません。
「自尊心(じそんしん」)」は、「自分の人格を大切にする気持ち」を言い表した言葉です。 つまり「自分に価値がある」と感じている感覚があり、自分の思っていることや、思想、言動に対して自信をもっているということを「自尊心がある」などと表現します。 逆に「自尊心がない」は自分の行動や言動に対して自信がないということを言い表しています。
例文
「プライド」とは、「誇り」や「自尊心」という意味で使用されます。 自らを名誉とする感情を「プライド」といいます。 「プライド」の語源はフランス語の「pride」という単語で、「誇り」という意味で使用されていましたが、イギリスなど英語では「思い上がり」や「高慢」といった意味も含まれます。
例文
「自己顕示欲(じこけんじよく)」は、「自分の存在を周りの人に強くアピールしたい」「自分の存在を認めてもたいたい」という欲求のとをいいます。 つまり、「目立ちたい」と強く思う心情のことです。 例えば、
といったように、とにかくアピールをしたくなってしまうのが「自己顕示欲」です。
例文
「虚栄心」の英語は、名詞「vanity」となります。
「虚栄心の強い」は形容詞で、
となります。「vainglorious」は文語なので、「vain」が一般的に使われます。 「be vain about...」で「...にうぬぼれている、鼻にかけている」という意味になります。 ちなみに「in vain」とすると「無駄に」という意味になります。
He is such a vain man.
彼は虚栄心の強い男だ。
She is vain about her beauty.
彼女は自分の美貌にうぬぼれている。
I tried in vain to have a constructive conversation with her.
彼女と建設的な議論をしようと無駄な努力をしてしまった。
↓ 英語学習を本気でしたい方におすすめの英会話教室・オンライン英会話に関してまとめましたので、興味のある方は下記の記事をご覧ください。
「虚栄心」について理解していただけましたか? ✓「虚栄心」の読み方は「きょえいしん」 ✓「虚栄心」の意味は「自分を実質以上に見せようと意地をはること」 ✓「虚栄心」が強くなる理由は「自分に自信がない」「常に勝ち負けで判断してしまうから」など ✓「虚栄心」をなくすには「自分と見つめ合って・認めることが大切」 ✓「虚栄心」が強い人がいたら、話は聞き流して適度な距離をおく など