「ご確認の上」の意味は、「確認をした後〜」「確認をしたのち」です。確認をしてから何かをしてほしいとお願いをするときに使用する敬語表現です。ビジネスシーンでもよく使用される表現ですよね。今回は「ご確認の上」の正しい意味と使い方を例文付きで詳しく解説します。類語表現や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「ご確認の上」は「ごかくにんのうえ」と読みます。 「ご確認の上」の意味は、「確認をした後〜」「確認をしたのち」です。 「ご確認の上」は「ご確認」と「上」という二つの言葉でてきています。 「上」は「〜した上で」「〜の上で」という使い方で「〜した結果として」「〜したのち」という意味になります。 「ご確認の上」は、確認をした後にアクションをしてほしいという意味で使用されます。
「ご確認の上」の「上」は漢字にせず「ご確認のうえ」と平仮名で表記するのが正しいです。 「うえ」を、漢字で表記するのは物理的な上下を示す場合です。 例えば「頭の上」「机の上」などです。 「ご確認のうえ」の場合、物理的な上下を示すのではなく補助動詞として使用されているため、平仮名で表記するというのが正しいルールです。
「ご確認の上」は、「確認」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 接頭語「ご」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 「ご確認」の「ご」も同様です。 目上の人が確認するならば「ご確認」の「ご」は尊敬語です。 自分が確認をするならば「ご」は謙譲語になります。 「確認」という言葉をただ丁寧にいうだけなら「ご」は丁寧語です。 したがって、「ご確認の上」についている接頭語の「ご」は尊敬語になるため目上の人に使用することができます。 接頭語には「ご」以外にも「お」という読み方があります。 「ご」も「お」もどちらも敬語です。 ただし「お確認」という言い方はしません。 「ご」と「お」の使い分けは、つける言葉が漢語であるか和語であるかです。 ”和語”は訓読みをする熟語で、”漢語”は音読みをする熟語のことをいいます。 和語には「お」をつけて、漢語には「ご」をつけます。 「確認」も音読みをする漢語なので「ご」をつけて「ご確認」となります。 ただし、必ずしも和語だから「お」漢語だから「ご」というわけではありません。 例えば、漢語でも「食事」を「ご食事」といわないように、例外もあるので注意しましょう。 また、「お返事」「ご返事」のように「お」と「ご」どちらも使える場合もあります。
「ご確認の上」と似ている言葉に「ご確認の程」があります。 「〜の程」は、「〜のよう」という意味のある言葉で、「確認の程」とすることで「確認してもらうよう〜」という意味になります。 例えば「ご確認ください」では、「くれ」という命令形の丁寧語を使用した表現であるため、一方的に感じてしまいますが、「〜のよう」は、断定を避けることで表現を和らげることができます。 「ご確認の上」とは違い「確認をしてから...」という意味はありません。 ちなみに「ご確認の程」の「程」はひらがなで「ご確認のほど」と記するのが正しいです。
「ご確認の上」は、「ご確認の上○○してください」の形で依頼するときによく使用されます。 ただし、「ください」は上述したように「くれ」という命令形の丁寧語です。 正しい敬語ですが、命令文なので一方的に要望・要求するようなニュアンスになってしまいます。目上の人に使う場合はより丁寧な表現にした方がよいでしょう。 より丁寧な言い回しには、
などがあります。
「ご確認の上ご査収ください」はよく使われる表現ですが、厳密には二重表現です。 二重表現とは、「頭痛が痛い」「後で後悔する」というように同じ意味の言葉を重ねて使用してしまうことをいいます。 「査収」は「金品・品物・書類などをよく調べて受け取る」という意味で、「ご確認の上」というニュアンスがすでに含まれています。 「ご査収ください」だけでよいでしょう。 ただ、「ご確認の上ご査収ください」は常用化されている表現ではあります。 口頭で使用するぶんには気になりませんが、メールや書面など文章にするときは避けたほうが良いでしょう。
例文
「ご確認の上ご返信ください」は、「確認して返信をしてほしい」とお願いをするときに使用する言い回しです。 例えば、会議などで使用する資料を添付したときに「添付ファイルを確認したら返信をしてほしい」とお願いをします。 内容に間違いがないかを確認する他、疑問点などわからないことがないかを確かめるために「ご確認の上ご返信ください」とお願いをすることが多いです。
例文
「ご確認の上ご承認ください」は、確認をしてから承認をしてほしいとお願いをするときに使用します。 ただし、「ご承認ください」は、相手が承認することが前提であるように感じとれます。 一方的な表現になってしまうので「承認してほしい」と願いをするのであれば「ご確認の上ご承認いただければと存じます」などのほうが丁寧です。
例文
「ご確認の上訂正ください」「ご確認の上修正ください」は、確認をしてから間違っているところや、問題のあるところを訂正をしてほしいという意味で使用されます。 訂正・修正をお願いするので、やはり「ください」「願います」のような一方的な表現ではなく「ご確認の上、訂正のほどよろしくお願いいたします」「ご確認上修正くださいますよう〜」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。 ちなみに、「訂正」は「言葉や文字・文章などのあやまりを直すこと」です。 「修正」は「不十分な点や不適当な点を改め直すこと」です。 誤字脱字などあきらかな間違いがある場合は「訂正ください」を使用します。 説明が不十分で付け足してほしい、もっと適切な表現に書き換えてほしいという場合は「修正下さい」を使用しましょう。
例文
「ご確認の上ご記入ください」は、相手に必要書類などの記入をお願いする場面で使用される表現です。 例えば何かの申込書などです。 利用規約など確認してもらってから、記入をしほしいというときに「ご確認の上ご記入ください」といいます。
例文
「ご一読」は「ごいちどく」と読みます。 「一読」は「一度読むこと。ひととおり読むこと」を意味しており、「ご一読ください」と言われた場合は「一度目を通してください」といった意味になります。 ビジネスシーンにおいて「ご一読」は、会議が行われる際に資料を配布し、上司など目上の人に対して読んでおいてほしいときに使うことができます。
「お目通し」は「目上の人が、書類や実物などについて全体的に目を通すこと」を意味します。 「お目」は「他人の目の尊敬語」を表しています。 「お目通しください」は「初めから終わりまでじっくり見る」ではなく、「全体を簡単に見渡す」「全体を大まかにチェックする」という意味合いになります。 ビジネスシーンでの「お目通しください」は、「軽くで結構ですので、読んでください・見てください」という場合に使います。 「間違いがないかしっかりと見て確認をしてほしい」という場合には、お目通しくださいではなく「ご確認ください」を使用したほうが良いでしょう。
「ご覧ください」は「見る」の尊敬語である「ご覧になる」に丁寧語の補助動詞である「ください」が付随した言葉です。「見てください」を丁寧にした表現になります。 「ご覧ください」には”私のためにどうか見てください”という意味合いがあり、”面倒なことをお願いして申し訳ありませんが”という気持ちを表します。 「ご覧ください」は正しい敬語であり、話者より立場の上の人に対してお願いするときに使うことができます。ビジネスシーンでは、上司や顧客、取引先などに対して「ご覧ください」を使うことができます。
「ご高覧」は「ごこうらん」と読みます。 「高覧」は「他人が見ること」を意味する尊敬語です。 「ご高覧」は目上の人に、文章や商品を見てもらうことをお願いするときに使用します。 「ご高覧」はやや改まった言い方です。ビジネスシーンにおいての「ご高覧ください」は、目上の人に資料や書類を見てほしい場合、商品を紹介する場合などに使います。
「ご参照」は「ごさんしょう」と読みます。 「参照」は「照らし合わせて見ること」「引き比べて参考にすること」を意味します。 「参照する」は”照らし合わせて確認し、そのものの理解を深める”という意味で使われます。例えば「お支払いの詳細は明細書をご参照ください」などと使われます。 「ご参照ください」といった場合は、「理解を深めるために、既にある資料や知識などと他の情報と照らし合わせて見てください、読んでください」という意味になります。
「ご検収」は「ごけんしゅう」と読みます。 「検収」は「納品された品が注文通りであることを確かめた上で受け取ること」を意味します。 「ご検収ください」は品が実際に届くときに使い、書類など数量を確認しないものには使われません。 「ご査収」と似ていますが、「ご査収」は”金銭や書類等”などに対して、「ご検収」は”発注に応じて納められた品やサービス”に対して使います。 また、「ご検収」はコンピュータのシステムを外注したときに検証してほしいという場面でも用います。
「確認」の英語は「check」「confirm」などになります。 例えば「ご確認ください」は「Please check this」となります。 「confirm」の方が「check」よりも堅い表現で、「確定する」という意味合いがあります。 「の上」は「after」「once」などで表現可能です。 「確認」の英語表現は他にもたくさんあります。「確認」の英語表現は下記の記事でまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
Could you please email me after checking it?
ご確認の上、メールください。
Please contact us once you confirm that.
ご確認の上、ご連絡ください。