「ご参照ください」という言葉をご存知でしょうか。「お手元の使用を見てください」など、「見てほしい」と相手にお願いをする場面で使用する言葉です。今回は、「ご参照ください」の意味と正しい使い方を例文付きで紹介します。また、「参考」「照会」といった類語表現との違いや英語表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
「ご参照」は、「ごさんしょう」と読みます。
「ご参照」の接頭語である「ご」は、漢字で「御」と表記することができ、「御参照」として使用することも可能です。 公用文においては、接頭語の「ご」は、 その接頭語がつく語を漢字で書く場合は「御」・・・・「御案内」 その接頭語がつく語をひらがなで書く場合は「ご」・・・「ごあんない」 と表記すると記載されていますが、実際は一般的な文章での接頭語の「ご」は平仮名でかかれていることが基本です。 特に決まりがあるわけではありませんが、「御参照」というようにすべて漢字で表記した場合、堅苦しいイメージになるため、かしこまった文章においては、漢字で表記されることが多いといえます。
「参照」は「照らし合わせて見ること」「引き比べて参考にすること」を意味します。 「参」も「照」も「照らし合わせる」ことを表します。 「参照」は「理解を深めるために、すでにある知識や資料などと他の情報と照らし合わせて見る・読む」というニュアンスになります。 ただ、見る・読むのではなく、参考にして理解をするというが目的です。
「ご参照」は、「参照」という言葉に尊敬を表す接頭語の「ご」をつけた尊敬語です。 したがって、目上の人に、「見てもらいたい」「参考にしてもらいたい」とお願いしたいときに、「ご参照ください」と使用することができる表現です。 目上の人に対して「見てください」と要求をすると、直接的な表現になってしまうため「ご参照ください」と代用されることが多いです。
「参考」の意味は「物事の手がかりにすること」です。 例えば、何か物事を考えたり、決めたりする場面で、資料や人の意見など手がかりとなるものを使用し、考えることを「参考」といいます。 例えば、「ご参考までに」は、「よければ参考にしてください」というような意味合いで使用される言葉です。 「ご参考までに」の場合の「接頭語」は、「参考」という言葉自体を丁寧に言い表すためについている接頭語の「ご」であるため、丁寧語となります。 「ご参考までに」は丁寧語で、目上の人に使用することができる表現ですが、相手に敬意を示すという意味では丁寧さに欠るので、「ご参考までに資料をお持ちいたしました」というようにさらに丁寧な言い回しを後に続ける必要がありますので注意してください。
例文
「ご照会」は「問い合わせて確認すること」を意味します。 知りたい物事や人を確かめるため、手紙や電話などで他人やあるところへ問い合わせることを表します。 「ご照会」の敬語の種類は、尊敬語です。 接頭語「ご」は、尊敬語、謙譲語、丁寧語になる場合がありますが、「ご照会」は目上の人であるお客様や取引先が問合せをしてきたときに使うので、尊敬語にあたります。 自分の行為に対して「ご照会」を使えば謙譲語になりますが、ビジネスシーンで謙譲語を使うことはほとんどありません。
例文
「ご覧」は、「見る」の尊敬語です。 多く使用される表現である「ご覧ください」は、相手に何かを見てほしいとお願いするときに使用する言葉で、ビジネスシーンでは、上司や顧客、取引先などに目上の相手に対して使うことができます。
といった言い回しで使用されます。
例文
「ご査収」は「物品・書類・金額などをよく調べて受け取ること」を意味します。 また、「同意する、納得する」といった意味も含まれます。 単に”受け取ってください”という意味ではなく、「しっかり内容を確認したり、理解してください」という意味合いになります。 社内の目上の人に対しても、状況に合っていれば「ご査収ください」を使えますが、社外の目上の人やお客様には「ご査収ください」だと強要する印象を与えてしまうため、より丁寧な「ご査収のほどお願いいたします」「ご査収いただければ幸いです」などを使うのが良いでしょう。
例文
目上の人に、「見てもらいたい」「参考にしてもらいたい」とお願いしたいときに、丁寧語である「ください」を使用して「ご参照ください」を使います。 「ご参照ください」を使う場面としては、「詳細につきましては、別紙の資料をご参照ください」といったように、既に配布されている資料や、自分の知識に基づいて情報を照らし合わせつつ確認してほしい場合に用います。 「ご参照ください」を使うときに間違いがちなのが、「ご参照してください」という言い方です。 「ご参照して」は「ご参照する」を活用した形です。「ご参照する」は「ご〜する」という文型なので謙譲表現になってしまうので、相手の行為に対して使用するのは不適切になります。 「する」の尊敬語は「なさる」なので、正しくは「ご参照なさってください」となります。 「ご」「お」をつけた言葉を使う場合、語尾は「してください」ではなく「ください」とするように覚えておきましょう。
例文
「ご参照願います」は、「参照」という言葉に尊敬を表す接頭語の「ご」と、「願う」に丁寧語の「ます」をつけた言葉です。 つまり、「ご参照をお願いします」という意味であり、見ることをお願いする文章にはなります。 しかし、「願います」は「願う」の丁寧語ですが、相手を敬う表現ではありません。 お願いをするには少々丁寧さにかける表現であるため使用する場面には注意が必要です。
例文
「〜のほど」は、「〜のよう」という意味のある言葉で、「ご参照のほど」とすることで「ご参照してもらえるよう〜」という意味になります。 「〜のよう」と表現を使用することによって、断定を避けて表現を和らげることができます。 「ご参照ください」と断定してお願いしてしまうと強い口調になってしまい、命令をされていると感じてしまう人もいるので、「ご参照してくれるようお願いいたします」という柔らかい言い回しでお願いをするほうが望ましいです。
例文
「ご参照くださいますよう〜」は、尊敬を表す接頭語の「ご」をつけた「参照」に、「くれる」の尊敬語である「くださる」と、丁寧語の「ます」+「〜ように」で、成り立っている言葉です。 「くれる」の尊敬語である「くださる」に、「〜ように」という断定をさける柔らかい言い回しを使用することにより、強要するニュアンスを避けた丁寧なお願いの仕方になります。
例文
「ご参照いただければ〜」は、「参考してもらえれば嬉しいです」といったニュアンスで使用される言い回しです。 「参照」という言葉に、「〜してもらう」の謙譲語である「ご(お)〜いただく」を使用して謙譲語にしています。 「いただければ」は、謙譲語である「いただく」に仮定形の「れば」を組み合わせた表現で、「参照していただければ嬉しいです」というように相手を立てる表現として使用されます。
例文
参照してもらった後にさらに何かしてほしいときは、「ご参照ください。○○もしてください」とするのではなく、「ご参照のうえ」を使います。 「〜のうえ」は、「〜をした後で」というニュアンスになります。 「〜のうえ」を使う場合、よく「〜の上」と漢字表記されていることが多いですが「〜のうえ」とひらがな表記が正しくなります。
例文
「ご参照いただき〜」の「参照」についている「お〜いただく」は、「〜してもらう」という意味の謙譲語です。 主に、「ご参照いただきありがとうございます」など「〜してもらってありがとう」というようなかたちで使用されます。 こちらからお願いをして参照してもらった場合などには、丁寧にお礼の気持ちを伝えると印象がいいです。
例文
「...を参照する」は英語で「refer to...」といいます。 「refer to」には「照らし合わせて見る」という意味です。
Please refer to the pie chart below.
下記の円グラフをご参照ください。
「ご参照ください」といっても単に「見てください」という意味で使う場合は、「take a look at」「see」などの「見る」を意味する動詞で代用することも可能です。
Please take a look at the document I've attached in this email.
本メールに添付した資料をご参照ください。
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「ご参照」という言葉について理解していただけましたか? ✓「ご参照」の読み方は「ごさんしょう」 ✓「ご参照」の漢字は「御参照」でも可 ✓「ご参照」の敬語は尊敬語 ✓「ご参照ください」「ご参照願います」というように使用するなど