「問題ない」という言葉は、日常会話で使用することも多い言葉だと思いますが、敬語ではないということはご存知でしょうか?今回は、「問題ない」の意味と使い方を例文付きで紹介します。また、「問題ない」のビジネスシーンでの使い方や、正しい敬語表現の言い換えも紹介しますので参考にしてください。
「問題ない」は、「もんだいない」と読みます。
「問題ない」の意味は、「大丈夫・支障がない」です。 「問題ない」は、「問題」という言葉に「ない」という否定の言葉がついた言葉です。 「問題」は、「入試問題」といったような「回答を求められる問い」という意味や、「批判・論争・研究の対象となる事型」・「困った事柄・課題」という意味があります。 この場合の「問題」は、「困った事柄・課題」を意味しています。 つまり、「問題ない」は、「問題がない」ということになるので「困った事柄・課題がない」という意味になります。 「大丈夫」「支障ない」というニュアンスになります。
「問題ない」は敬語ではないので、友人や家族間で使う言葉です。 例えば、何かをしてもいいか聞くといった場面で、「~しても問題ない?」と使用したり、何かの良し悪しを聞かれたときに「問題ないよ」と返答するのに使用することが例にあげられます。 「問題ないです」または「問題ないですか?」といった使い方を目上の人に使用している人も多いかと思いますが、「です」は丁寧語なので敬語ではありません。 目上の人やビジネスシーンでは、相手を敬う表現をするべきであるので「問題ないです」「問題ありません」は敬語ではないということになりますので注意しましょう。 「問題ない」の敬語変換については後述します。
〇「問題ない」を用いた例文 「検査をした結果、問題ないとされたので退院が決まった」 「このまま先に進めていっても問題ないでしょ?」 「返答を待った結果、問題ないとのことだった」
同僚など自分と同等の立場である人や、部下に対しては「問題ないです」という使い方をして大丈夫です。 上記で説明したように、「問題ないです」は丁寧語です。 相手に敬意を示している言葉ではないので、目上の人やビジネスシーンでは使用は避けるべきですが、同じ立場でも丁寧に話すべ相手や場面では、「問題ないです」と使用するのが適切だと言えます。
親しい関係の目上の相手や上司に「問題ない」という事を伝える場合、「問題ありません」という伝え方をします。 「問題ない」の反対である「問題ある」を丁寧語にすると、「問題あります」という言葉になります。 「問題あります」を否定した言葉が、「問題ありません」という言葉です。 「問題ありません」も、「問題ないです」と同じ丁寧語ではありますが、「問題ないです」のほうがフランクなイメージがあります。 その為、堅苦しい敬語を使わずとも丁寧には話さなければならない相手や場面では、「問題ありません」と使用するのがいいと言えます。
顧客や取引先など目上の相手や、メールで送る場合は「問題ございません」と使用します。 「問題ございません」は、「問題」という言葉に「あります」の丁寧語である「ございます」を否定する「ございません」をつけた言葉です。 「ございません」は、かしこまった表現方法なので、顧客や取引先など目上の人に使用することができます。 しかし、問題ございませんは堅苦しい表現なので、社内では「問題ありません」が無難とされています。 また、顔の見えないメールなどのやり取りではより丁寧な言葉を使用することを心掛けたほうが良いので、「問題ございません」という表現をしたほうが無難です。
「問題ありませんでしょうか?」「問題ございませんでしょうか?」は丁寧な言い方に感じられますが、この表現は誤用です。 「問題ありませんでしょうか?」「問題ございませんでしょうか?」は二重敬語なので注意しましょう。 二重敬語とは、同じ種類の敬語を重複して使用してしまうことです。 「問題ありませんでしょうか?」は、「問題ありません」という丁寧語に「だろうか」の丁寧語である「でしょうか」を重ねて使用しています。 また、「問題ございませんでしょうか?」も「ございません」という丁寧語に、「だろうか」を否定した丁寧語である「せんでしょうか」を使用しているので、二重敬語ということになります。 「問題ありませんか?」「問題ございませんか?」「問題ないですか?」と使用するのが正しいです。
「問題なければ」を敬語変換すると「問題(が)ないようでしたら」となります。 「問題ないようでしたら」は、丁寧語である「です」の連用形「でし」が含まれています。 「問題がないようでしたら」は、ビジネスシーンで相手に確認してもらったとに何かを実行してもらう依頼のクッション言葉として使います。
例文
「かしこまりました」は、「命令・依頼などを受け入れる意を表す丁寧な言い方」です。 「かしこまる」という言葉には、身分の高い人の前で、謹みを表すという意味合いがあります。 「かしこまりました」は、目上の人など、相手が言ったことに対して「かしこまって、承知する」という場合に使用します。 例えば上司や、目上の人に「~を改善してください」といわれた時など、かしこまって「わかりました」という返事をする時に「かしこまりました」を使用します。 目上の人に、「かしこまりました」と返事をするということは「問題ないです」という意味でもあります。
「かしこまりました」を用いた例文 「〇日までに提出すれば良いのですね、かしこまりました」 「かしこまりました、ではまた後日改めてご案内させていただきます」 「かしこまりました、お引き受けいたします」
「承知」とは「旨をうけたまわって知ること」「聞き入れること」といった意味があります。 「承知」は「承る」と「知る」で成り立っています。 「承る」は謙譲語ですが、「承知」は厳密には謙譲語ではありません。 しかし「承知」は「承」という文字を含むため丁寧な表現になっています。 「承知しました」は、「承知」という言葉に、「しました」という丁寧語をつけた言葉になります。 返答するときに、「承知」だけでは失礼ですが、「承知しました」「承知です」といったふうに丁寧語をつけることで、目上の相手やお客様に使用するのが適切になります。 ビジネスシーンなどでも、何か依頼を受けたり、相手の話を理解したことを伝えたいときに自然と「承知しました」という言葉を使うのが良いでしょう。
〇「承知しました」を用いた例文 「時間変更につきました、承知しました」 「ご注文の件、承知しました。発送をお待ちください」 「〇日から2泊ですね、承知しました」
基本的に「大丈夫」は相手の問い合わせに対して、「構わない」「問題ない」という意味で使います。 しかし、ビジネスシーンにおいて「大丈夫」を使用するのは、なるべく避けるべきです。 「大丈夫」は自分を基準としている言葉のため、相手を基準としなければいけないビジネスシーンでは不適切な表現になります。 ビジネスシーンでは、もし自分に決定権があったとしても、相手が目上である場合は敬意を表さなければ失礼にあたります。 また、「大丈夫です」は否定するときにも肯定するときにも使うため、曖昧な表現です。 「大丈夫です」は日常会話でも使う便利な言葉ですが、目上の人には使用しないように気をつけましょう。 同等や目下の人に対して「大丈夫です」は使用可能です。
「結構です」と使う場合は、許可を表す肯定と断りを表す否定の2つの意味で使われます。 ▶肯定の意味・・・「それで結構です」といったように「申し分のないこと、満足なさま」を意味する ▶否定の意味・・・「いいえ、結構です」といったように「それ以上必要としないさま、十分」を意味する 誰かに何かを尋ねたときに返答が「大丈夫です」だけだと、イエスかノーか曖昧になります。 実は「結構です」と答えても、同様のことが起きてしまいます。 誤解を招かないためにも、例えば「そのままで結構です」「色はどれでも良いので、カタログと同じ赤でなくても結構です」などといったように肯定か否定か分かるような言葉や、もしくは具体的に理由などを添える必要があります。 否定をするとき・・・「いいえ、結構です」「もう結構です」 肯定をするとき・・・「はい、結構です」「これで結構です」「それで結構です」 といった使い方が例にあげられます。
「支障」は「さしさわり・さしつかえ」という意味で、「支障がない」は「ない」という否定の言葉をつけた言葉になるので、「さしつかえない」という意味になります。 「支障ない」は、「事を進めるにあたって妨げとなるものではない」といったニュアンスで使用される言葉です。 つまり、「問題ない」という意味で使用することができます。
〇「支障ない」を用いた例文 「このままでも支障ないということなので、作業を進めます」 「ここに機材を置かせてもらっても支障ないですか?」
「差し支えない」の意味は、「不都合ではない」「妨げではない」「問題ない」となります。 「差し支えない」は「自分にとって不都合なことはないこと」を表します。 逆に、「差し支えある」は「自分にとって不都合な事情がある」となります。 「差支えない」は、目上の人にも使用できる言葉です。 類似表現の「問題ない」や「大丈夫」よりも丁寧な表現のため、「差し支えない」は失礼に当たりません。 そういった場合は、「差し支えありません」と言い換えます。
〇「差支えない」を用いた例文 「この場所を使用しても差支えないでしょうか?」 「差支えないようでしたら、こちらにご署名をいただけますか?」 「はい、こちらの内容で公開していただいて差支えありません」
「差し障りない」の意味は、「支障がない」「人に迷惑がかからない」となります。 「差し障りのない話をする」「もう一杯飲んでも差し障りないだろう」といった使い方をします。 「差し支えない」と「差し障りない」は、とてもよく似た言葉ですが、違いとしては、”支障の大きさ”になります。 一般的に、「差し障り」よりも「差し支え」の方が”支障の大きさ”が小さいです。 基本的に「差し支えない」は個人を対象にした表現で、「差し障りない」は会社・組織など大規模なものを対象にした表現になります。
〇「差し障りない」を用いた例文 「弊社のホームページのURLを記載しても差し障りないでしょうか?」 「差し障りのない範囲でよろしいですのでアンケートにご協力お願いします」 「その日程はグループ全体のスケジュールに差し障りありませんか?」
「申し分ない」は、「もうしぶんない」と読みます。 「申し分ない」は、「申し分」という言葉に「ない」とう否定の言葉をつけたものです。 「申し分」とは、「言うべきことがら・言い分」または「不満に思う事」という意味があります。 つまり、「ない」という否定が付いた「申し分ない」は「不満におもうことがない」という意味になります。 特別にあげつらうべき点はなく、十分に満足できる様子を表している言葉です。
〇「申し分ない」を用いた例文 「お腹いっぱい美味しい物を食べて、申し分ない幸せを味わった」 「特別に製作をお願いした商品が届いたのだが、申し分ない出来だった」 「彼は会社では申し分ないほど立派な立場の人間だ」
「非の打ち所がない」は、「ひのうちどころがない」と読みます。 「非」とは「よくないところ・不正」といった意味で使われています。 つまり、「非の打ち所がない」の意味は、「非難すべきところがない」です。 「非難するところがない・完璧である」といった場合に使用する言葉です
〇「非の打ち所がない」を用いた例文 「彼は、顔もよくて性格もいいので非の打ち所がない人間だ」 「その企画書は完璧で、非の打ちどころがなかった」
「平気」の意味は、「心に動揺がないこと」また「気にかけないこと・心配しなくてもよいこと」です。 「問題ない」「大丈夫」といった場合に「平気」という言葉を使用することができます。
〇「平気」を用いた例文 「さっき地震があったみたいだけど平気だった?」 「待ち合わせ時間変更しても平気ですよ」 「心配してもらわなくても全然平気!」
「問題ない」の英語は、
のどちらでも問題ないです。 「No problem」は感謝への返事である「どういたしまして」という意味でも使います。
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「問題ない」について理解していただけましたでしょうか? ✓「問題ない」は「もんだいない」と読む ✓「問題ない」の意味は「大丈夫・支障がない」 ✓「問題ない」は敬語ではない ✓「問題ない」の最も丁寧な言葉は「問題ございません」