「煩雑(はんざつ)」という言葉を知っていますか? よく似た意味を持つ類語には、一般的にも使われている「複雑」があります。 今回はそんな「煩雑」についてと、類語との違いを説明していきます。 「煩雑」の正しい意味と使い方を例文つきで解説します。 また、類語の「複雑」と同じ読みの「繁雑」との違いも解説します!
「煩雑」は<はんざつ>と読みます。 「ひんざつ」や「ぼんざつ」は誤読ですので注意しましょう。 意味は「事柄が入り混じって煩わしいこと、込み入っていて面倒であること」です。 「煩」という字の右の「頁」は頭を表す部首です。 火偏と合わさって頭に火=頭が熱いことを表し、そこから「わずらわしい」「悩む」というような意味にまりました。 「雑」は色々と混ざっているといった意味があります。 猫や犬などで色々な種類が混ざっていることを雑種と言う場合はこの意味を用いています。 この二つが合わさり、「複雑でわずらわしい」こと意味する言葉になりました。
「煩雑」は日常生活においてもビジネスシーンにおいても使うことができます。 しかし、注意したいのがその背景です。 「煩雑」とは、「込み入っている状態を煩わしい」と思っています。 「煩雑」である対象に不満があったり問題視している場合がほとんどです。 そのため、ビジネスシーンなどで使う場合は注意が必要です。 複雑で難しくなっていること(例えばセキュリティや技術など)を褒めようとして「煩雑ですね」というと、こっち側に不満などがあると思われてしまいます。 その際は、「複雑で巧妙ですね」などと使うようにしましょう。 「煩雑」の言い回しには、
などがあります。 詳しくは例文を参考にしてください。
「小説などで登場人物が多くなりすぎると煩雑になるので避ける」 「煩雑な事務作業を改善するためには、社内を全面的にIT化する必要がある」 「書類による手続きは煩雑で老人には大変だ」 「双方の言い分が食い違い、事態は煩雑化してきた」 「社内恋愛の煩雑さったらない」 「彼はどんなに煩雑で高度な作業もこなしてしまう」 「世の中の煩雑さを楽しめたならば」
「煩雑」と似た言葉に「繁雑」があります。 2つの言葉の違いとはいったい何なのでしょうか? まず「繁雑」について説明します。
「繁雑」は<はんざつ>と読みます。 「煩雑」と同じ読み方となっています。 意味は、「なすべき事柄が多く、ごたごたしていること」です。 「繁雑」は「面倒である」といったニュアンスが含まれています。 とにかく、やらなければならないことが多くてごたごたして大変である様子を表す言葉です。 「繁雑」もいかなる場面や事柄で使うことができます。 主な言い回しは
です。 詳しい使い方は例文をいくつか紹介するので参考にしてみてください。 「連絡バスは繁雑期になると一日の運行本数が約2倍になる」 「生殖関係の構造にはとても繁雑である」 「小さな組織の中に多数の部局を置いても繁雑なだけである」 「繁雑な仕事をこなすには、あまりに時間が足りなすぎる」
「繁雑」について説明してきました。 まず、2つの意味のおさらいをしましょう。 「煩雑」は、「事柄が込み入っていて煩わしいこと」 「繁雑」は、「なすべき事柄が多くごたごたしていること」 また、どちらにも「面倒くさい」といったニュアンスが含まれています。 「煩雑」と「繁雑」の大きな違いは2点あります。 一つ目は「煩雑」は「事柄が込み入っている」のに対して、「繁雑」は「なすべき事柄が多い」ことです。 そして二つ目は「煩雑」には「煩わしい」という思いが含まれ、「繁雑」には含まれていません。 「繁雑」と使うべきところを間違って「煩雑」と使ってしまうと、「煩わしいと思っている」と捉えられてしまうので注意しましょう。
「複雑」は一般的にもよく使われている言葉ですよね。 改めて、説明していきます。 読み方は<ふくざつ>です。 意味は、「物事の事情や関係が込み入っていること」です。 さまざまなことが重なり混じって入り組んでいて、簡単には理解や説明ができないこと、またそのさまを指します。 「複雑」もさまざまなシーンや事柄について使うことができます。 たとえば建物の構造やコンピュータの使い方、また人間関係などにも多く用いられています。 「複雑」の言い回しは、
など、多くあります。 詳しい使い方は例文をいくつか紹介するので参考にしてください。 「最近の新しい機械はいずれも性能が高く、構造がきわめて複雑だ」 「政府の介入で問題がいっそう複雑化した」 「彼女には複雑な事情がたくさんあるわけだ」 「物流システムが複雑過ぎるので物価が下がらない」 「講師は近代生活の複雑性について長々と述べた」
「複雑」について説明してきました。 まず、2つの意味のおさらいをしましょう。 「煩雑」は、「事柄が込み入っていて煩わしいこと」 「複雑」は、「物事の事情や関係が込み入っていること」 どちらも「込み入っている」ことを表す言葉です。 「煩雑」と「複雑」の大きな違いが一つあります。 「煩雑」には「込み入っていることに対して煩わしい」といった気持ちも含まれているのに対して、「複雑」は「込み入っている状態」のことを指す言葉で感情が含まれていません。 そのため「複雑」は「煩雑」よりも広く多方面で用いることができます。
○錯綜(さくそう) 意味:物事が複雑に入り組んでいること、また入り混じって混乱すること (例文)「情報が錯綜している」 ○ややこしい 意味:複雑でめんどうなこと、込み入っていて分かりにくいこと ○込み入る 意味:物事の様子や仕組みがすぐに理解できないように複雑に組み合っている ○錯雑 意味:まとまりがなく、入り混じること ○面倒 意味:手数がかかって不快なこと ○厄介 意味:扱いに手数かかって迷惑なこと
○簡略 意味:手短で簡単なこと、手軽で簡単なこと ○簡易 意味:手順・手続が簡単でたやすく行えること ○単純 意味:構造・働き等が込み入っていないこと、他の要素がまじっていないこと ○素朴 意味:考え方などが単純で、自然のままに近いこと ○簡潔 意味:簡単で要領を得ている、手短ではっきりしているさま
「煩雑な」を意味する英単語は、
などです。
Legal proceeding is so complicated that ordinary people can't deal with it.
訴訟手続きは煩雑なので、常人には対応不可だ。
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「煩雑」について理解できたでしょうか? ✔「はんざつ」と読む ✔意味は「事柄が込み入っていて煩わしいこと」 ✔「煩雑」を使う場合、その背景に不満や改善すべき点がある ✔よく似た意味の類義語は「繁雑」と「複雑」 似た意味が多く、使い分けが難しいですがしっかりと覚えておきましょう!