「抵触」という言葉をご存知でしょうか?「抵触」は「法律や規則にふれること」という意味のある言葉ですが、日常生活で使用することがほとんどない為、聞き慣れない言葉かもしれません。今回は、「抵触」という言葉の正しい意味と使い方を例文つきで紹介します!類語である「違反」との違いの解説や英語表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「抵触」は「ていしょく」と読みます。 「低」は、音読みで「てい」と読みます。 「低」には「こばむ・さからう」「あたる・ふれる」「そうとうする」「おおよそ」という意味があります。 「触」は、音読みで「しょく」訓読みで「ふれる・さわる」と読みます。 「触」には「ふれる・さわる・あたる」「広く通達する」という意味があります。
「抵触」は、「あたる・ふれる」という同じ意味のある「低」と、「触」を組み合わせた言葉です。 また、「低」には「さからう」という意味合いも含まれています。 このことから「抵触」は、「ふれる」という意味合いを強くもつ言葉で、「法律や規則に触れる」という意味で使用されます。 つまり、「法律や規則に反する」ということです。
上述したように、「抵触」は、「あたる・ふれる」という同じ意味のある「低」と、「触」を組み合わせた言葉です。 このことから、「物事が触れ合う、ぶつかる」から転じ、「物事が相互に矛盾する」といった意味でも使用されるようになりました。 「法律にふれる」といった場合と「矛盾する」ではニュアンスに違いがありますので、使用する場合は注意しましょう。
「抵触する」は、法律に触れることという意味で使用されます。 例えば、「あなたのその行為は法律に抵触していますよ」という使い方をすると、「あなたの行為は法律に触れていますよ」つまり、「法律に反しますよ」といった意味合いになります。 「違反」という言葉も、「交通違反」といったように法律に反することを意味しますが、「違反」と「抵触」は、微妙なニュアンスの違いがあります。 「違反」は、「法律を破っている」という意味であり、「抵触」は「法律に触れている」という意味合いです。 つまり、「違反」は「法律を破っていること」「抵触」は「法律に触れているので、それ以上は法律に違反しますよ」というニュアンスの言葉であるということです。
「抵触する」という言葉が、「法律にふれること」だということを説明しましたが、「抵触の恐れ」は、「法律に触れる恐れがある」という意味で使用される言葉です。 「恐れがある」とは、「悪いことが発生するのではないかと推測されるさま」のことです。 「法律に触れる可能性がある」といった場合に「その行為は抵触の恐れがある」というように使用します。
「抵触」を使用した言葉に、「抵触日」という言葉があります。 「抵触日」という言葉はあまり知られていない言葉かもしれませんが、派遣でお仕事したことがあるという方は、耳にしたことがあることでしょう。 「抵触日」は、「ていしょくび」と読みます。 「抵触日」とは、「派遣スタッフの雇用期間が過ぎた最初の日」のことをいいます。 派遣業界では、派遣先企業の事業所が派遣スタッフを受け入れられる期間を最長3年と定めています。その期間をすぎた最初の一日が「抵触日」となります。 例えば、事業所単位の「抵触日」を迎えた場合は、派遣会社と事業所の契約が切れてしまう為、働いて3年未満であってもその事業所で働くことはできなくなってしまいます。 派遣会社が事業所との延長の手続きをとれば働きつづけることができます。 このような契約期限を過ぎた日を「抵触日」というわけです。
「抵触」という言葉を用いた言葉をもう一つ紹介します。 「抵触法」という言葉です。 「抵触法」は「国際私法上、渉外的私法関係における事件の解決にあたり、適用されるべき実質法を選択・決定する法」のことをいいます。 「渉外的私法関係」とは私法関係で、2つ以上の国や国家法に関連する法律関係のことです。 つまり、「2つ以上の国が関係する事件の解決にあたり、適応されるべき実質法」が「抵触法」です。 もっとわかりやすく言うと、「抵触法」は「国家をまたいで私生活に関わる問題が生じたときに適応される法律」のことをいいます。
例えば、「特許権」にふれること、反することに対して「特許権に抵触する」というような使い方をするのは誤用です。 「特許」という言葉に使用するのは「侵害」という言葉です。 「特許」は「商品の製造をする権利」などのように、国が個人または法人に対して与える行為のことを言います。 特許がない商品を販売してしまうとった特許権を無視した行動するということに対して、「特許の侵害」と表現します。
「抵触」という言葉に「物事が矛盾すること」という意味があるということを説明しましたが、「抵触」は「矛盾」という意味で日常的に使われることはありません。 「矛盾」の意味で「抵触」を使用しても誤用ということにはなりませんが、ストレートに「矛盾」という言葉を使用して伝えたほうが伝わると言えるでしょう。
▶「抵触」・・・「法律や規則に触れること、反すること」 ▶「違反」・・・「法規・協定・約束などに従わないこと。」
「違反」という言葉も、「交通違反」といったように法律に反することを意味しますが、「違反」と「抵触」は、微妙なニュアンスの違いがあります。 「違反」は、「法律を破っている」という意味であり、「抵触」は「法律に触れている」という意味合いです。 つまり、「違反」は「法律を破っていること」「抵触」は「法律に触れているので、それ以上は法律に違反しますよ」というニュアンスの言葉であるということです。
「違反」は、「違反」と読みます。 「違反」の意味は「法規・協定・約束などに従わないこと」です。 法規や協定というような規則や約束に反することを「違反」といいます。 例えば、「法定速度を超えた速度で走行した」というようなことを、「交通の規則に反した」といった意味で、「交通違反」といいます。
「違法」は「いほう」と読みます。 「違法」の意味は、「法に違反すること」です。 例えば、「法に反した行為」を「違法行為」といったりします。 「法に反すること」という意味ですが、この「法」とは「国で定められている法律」だけではなく、規定や規則に反する行為もふくまれます。
「反則」は「はんそく」と読みます。 「反則」の意味は「法律や規則に反すること」です。 特に運動競技などのルールに違反すること」を「反則」といいます。
「矛盾」は「むじゅん」と読みます。 「矛盾」の意味は、「2つの物事が食い違ってつじつまが合わないこと」です。 「どんな盾でも突き通す矛」と、「どんな矛も通さない盾」を同時に販売していた商人の話が由来になっている言葉です。 話の前後関係が合わないというような場面で「矛盾している」と使用します。
「抵触」の対義語は「遵守」です。 「遵守」は「じゅんしゅ」と読みます。 「遵守」は「法律や道徳・習慣を守り、従うこと」です。 「遵守」は「人の考えややり方を尊ぶ」という意味合いの強い言葉です。 例えば、「幼いこどもは親の言うことを遵守する」というような使い方をすると、「幼いこどもは親の考えや、やり方を尊ぶ」というような意味合いになります。 つまり、「子供は親の言うことや、やり方を信じ、教えを守る」というようなニュアンスです。 「抵触」は、「法律に反すること」を意味している言葉なので、「従う」という意味の強い「遵守」は対義語であるといえます。
「抵触」の英語表現を見ていきます。 「法に触れている」という意味ならば「illegal」を、「矛盾している」という意味ならば「contradictory」を使います。
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