「弊害」という言葉をご存知でしょうか。「弊害をもたらす」「弊害が生じる」「弊害が出る」などと聞いたことがあると思います。「弊害」を使ったことがあるという方も多いかと思いますが、正しい意味を理解して使えているでしょうか。曖昧に意味をイメージして使用しているという人は意外にもたくさんいます。言葉を間違って使ってしまうと相手に誤解を与えてしまうので、きちんと使いこなしたいですよね。そこで今回は「弊害」の意味や使い方、「障害・支障」との違い、類語について解説していきます。
「弊害」は<へいがい>と読みます。 「弊」は音読みで「ヘイ」、訓読みで「ついえる」と読みます。 「弊」は「たるんで生じた害」を意味します。 「害」は音読みで「ガイ」、訓読みで「そこなう」と読みます。 「害」は「順調な生存の妨げになるもの。災い」を意味します。 「弊害」の意味は「害となる悪いこと。他に害を及ぼす物事。害」です。 他に悪い影響を与える物事・何かの物事に伴って生じる害悪を表します。 「弊害」の「弊」とよく間違えられやすいのが「幣」という漢字です。 「幣」は音読みで「ヘイ」、訓読みで「ぬさ・みてぐら」と読みます。 「幣」は「神前に供える布。贈り物。通貨」を意味します。「紙幣」「幣物」「貨幣」などと使われます。 「幣害」としてしまうと意味が変わってしまうので間違えないように注意しましょう。
物事に悪い影響を与えるものを「弊害」と言います。 ある物事が作用したことによって、別の害が起きる・物事に悪影響を与えるものが現れる場合に「弊害」を使います。 例えば、「薬物の使用は身体に様々な弊害をもたらす」といった場合は「薬物の使用は身体に様々な害悪を持ってくる。身体に害を及ぼす」という意味になります。 「悪い影響を与える」「害悪を及ぼす」というマイナスな意味合いで使うので、「たくさん勉強することは大きな弊害をもたらす」といったようには使いません。 言い回しとしては、
などが使われることが多いです。
例文
「障害」の意味は、
です。 物事の成立や進行の邪魔をするもの・また、妨げることを表します。 「障害を乗り越える」「障害となる」「障害が残る」などと言います。 「弊害」は「害となる悪いこと。他に害を及ぼす物事」 「障害」は「ある物事を行うのに、さまたげとなるものや状況」 「弊害」と「障害」の言葉の最も大きな違いは、「弊害」には「悪いこと」というニュアンスを含みますが、「障害」という言葉自体には「悪いこと」という意味合いを含みません。あくまでも「何かの妨げ」という意味です。妨げが結果的に誰かにとって悪いことになる可能性はあります。
例文
「併」は音読みだと「ヘイ」、訓読みだと「あわせる・ならぶ・ならべる」と読みます。 「併」は「二つ以上のものを合わせる。いっしょにまとめる。同列に並ぶ」を意味します。 「併」を用いた言葉には、「併合・併殺・併設・併読・併進・併存」などがあります。 「併害」は「へいがい」と読みます。しかし、実際には「併害」という言葉は存在しません。 「併害を伴う」「併害を及ぼす」「併害が生じる」は間違いです。「併害」は「弊害」と混同されて使われています。 「併害」は「弊害」の間違いとしてよく使われがちですが、存在しない言葉なので間違えないようにしましょう。
「支障」は<ししょう>と読みます。 「支障」の意味は「さしさわり。さしつかえ。故障」です。 「支」は「つかえる。さしさわり」、「障」は「じゃまをする。じゃま。さしさわり」を意味します。 事をなす妨げとなる物事・じゃまになるものを表します。 「支障をきたす」「支障が生じる」「支障なく行う」などと言います。 「弊害」は「害となる悪いこと。他に害を及ぼす物事」 「支障」は「事をなす妨げとなる物事。じゃまになるもの」 よって、「弊害」と「支障」の違いの違いは、「弊害」は「悪い」という意味合いを含みますが、「支障」という言葉自体には「悪い」という意味合いはありません。 「弊害」と「障害」の違いに似ています。
例文
害悪 (意味:害となる悪いこと。害) 「あの人物は害悪である」 悪弊 (意味:悪いならわし。悪習) 「長年に渡った悪弊をようやく絶つ」 不都合 (意味:都合が悪いこと。便利の悪いこと) 「さいわい、不都合はない」 毀傷<きしょう> (意味:そこないきずつけること) 「どこもかしこも毀傷された」 禍害<かがい> (意味:災難。わざわい) 「禍害が発生した」 ダメージ (意味:痛手。打撃。損害) 「だいぶダメージを受けた」 厄難<やくなん> (意味:わざわい。災難) 「今年は何かと厄難が多い」 惨禍<さんか> (意味:いたましいわざわい) 「戦争の惨禍が未だに残っている」 茶毒<とどく> (意味:害毒をなすこと。害毒を流すこと) 「あいつは社会を茶毒するものだ」
恩恵 (意味:めぐみ。なさけ) 「様々な恩恵を受ける」 恩情 (意味:なさけある心。恩愛の心。いつくしみ) 「恩情あるはからいを受けた」 恩義 (意味:報いるべき義理のある恩) 「恩義を受けたことは忘れないだろう」 報恩 (意味:恩に報いること。恩返し) 「あの人に報恩をする必要はない」 恩顧<おんこ> (意味:なさけをかけること。ひいき) 「恩顧を受けた記憶はない」 成果 (意味:成し得た良い結果。できばえ) 「良い研究成果をもたらした」 賜物<たまもの> (意味:結果として生じた良いことやもの) 「努力の賜物で上手く行うことができた」 授かりもの (意味:神仏などから賜るもの。天から与えられたもの) 「授かりものをいただく」
「弊害」は英語で、
になります。「adverse」「negative」「determinal」はどれも「有害な」という意味の形容詞です。 「...に弊害がある」は「have an adverse effect on...」といいます。 「...に弊害を生む」は「produce an adverse effect on...」となります。 「effect」単体では原因から直接引き起こされる「結果」という意味で、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使います。反対語は「cause」になります。「side effect」で「副作用」という意味になります。 「effect」という英語は堅い言葉で、ビジネスシーンで使用するのが基本です。 例文です。
Starting a new project in-house will produce a negative effect on the earnings in the short term.
短期的には社内で新規事業をすることは、売上に弊害をもたらすだろう。
「in-house」で「社内の、社内で」という意味になります。
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「弊害」について理解できたでしょうか? ✔︎「弊害」は「害となる悪いこと。他に害を及ぼす物事」を意味 ✔︎「弊害を及ぼす」「弊害をもたらす」「弊害がある」などと使う ✔︎「弊害」の類語には、「害悪」「不都合」「毀傷」などがある ✔︎「弊害」の反対語には、「恩恵」「報恩」「賜物」などがある