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「本望」と「本意」の意味の違いと使い分け

「本望」と「本意」という言葉をご存知でしょうか。「本望だ」「本意を遂げる」などと使います。日常会話でもよく聞く言葉ですよね。では、「本望」と「本意」は何か違いはあるのでしょうか。どちらも「本」という字を含んでいたり、字面が似ていることからあまり違いはないように思ってしまいます。しかし、これらには明確な違いがあります。正しく使うためには、しっかりと意味を知っておくことが必要です。そこで今回は「本望」と「本意」の使い分けについて解説していきます。違いを正しく知って、上手く使い分けできるようにしましょう!

「本望」と「本意」の違い

「本望」・・・元々の望み 「本意」・・・本当の気持ち

「本望」と「本意」は、「本」という漢字が共通していますし、「望」と「意」の漢字の意味もどことなく似ている感じがしますが、意味が異なりますので注意しましょう。 「本望」は「もとからこうなればよいと思ういた事」という意味になります。 一方で「本意」は「嘘偽りのない本当の気持ち」が意味になります。 意味が異なりますので、使い方や使用場面は必然的に違ってきます。

「本望」の意味と使い方

「本望」は<ほんもう>と読みます。 「本」は音読みで「ホン」、訓読みで「もと」と読みます。 「本」は「当の。この」を意味します。 「望」は音読みで「ボウ・モウ」、訓読みで「のぞむ・もち」と読みます。 「望」は「こうなってほしいと思うこと」を意味します。 「本望」の意味は、 1.当初からの望み。かねてから抱いている望み 2.以前からの望みがかなって満足であるさま です。 「もともと抱いている望み」という意味から、転じて「望みが叶い嬉しく思う」という意味でも用いるようになりました。 例えば、登山家が『山で死ねたら本望だ』なんて発言しているのを聞いたことがあると思います。これは他の人からしたら良くないと思うことでも、本人にとっては良いと思っているさまを表します。 言い回しとしては、

  • 本望だ
  • 本望を遂げる
  • 本望を達する

などとなります。 「本望」の類語には、「甘心」「満足」「会心」「留飲」「喜び」「補償」「サティスファクション」などがあります。

例文 「当初からの望み」という意味

  • 若い頃に書いた作品を多くの人に読んでもらえれば本望です。
  • バドミントン部は初めて全国大会出場を決め、本望を遂げた。
  • 事を行うためには色々な苦労が必要となるけれど、好きな事をして死ねるなら本望だ。
  • 誰かに暴力を振るわれるのは好まないが、君から殴られるのであれば本望だ。

「望みがかなって満足である」という意味

  • こうしてみなさんの前で話をできるだけで本望です。
  • 何年も練習し努力を重ねた結果、優勝することができて本望だ。
  • 希望していた部署に決まるなんて、さぞ本望だろう。
  • もし、彼と会えることができるのであれば本望だ。

「本意」の意味と使い方

「本意」は<ほんい>と読みます。 「本」は音読みで「ホン」、訓読みで「もと」と読みます。 「本」は「本当の。正しい」を意味します。 「意」は音読みで「イ」、訓読みで「こころ・おもい・おもう」と読みます。 「意」は「心の中で思っていること。気持ち」を意味します。 「本意」の意味は、 1.正直な気持ち。本当の意図や考え 2.元々の考え。本来の気持ち です。 「本意」には2つ意味がありますが、主に1つ目の意味で使うことが多いです。 ある物事に対しての、その人の嘘偽りのない思いや考えを表す場合に「本意」を使います。嘘ではなく、本当に心から思っていることを表します。 言い回しとしては、

  • 本意をただす
  • 本意を得る
  • 本意をつかめない
  • 不本意
  • 本意を遂げる

などとなります。 「本意」の類語には、「深意」「底意」「真意」「胸中」「心中」「本音」「内心」「腹の内」「心の内」などがあります。

例文 「正直な気持ち」という意味

  • さっきの彼女の発言は、本意から出た言葉ではないと思いたい。
  • 相手の考えていることがいまいち推測できず、本意がどの辺にあるのか分からない。
  • そんなに訂正してしまうなんて、彼らの本意ではないだろう。
  • 故障者が多く出るシーズンで、不本意な年であった。
  • 不本意ながらも、仕方がないと思い承知してしまう。
  • 彼は色々な都合によって医者になる夢を諦めたが、本意ではない。

「元々の考え」を意味

  • ようやく勝利するという、本意を遂げることができて安心した。
  • 本意を遂げることは簡単そうに思えて、実は難しいことなのだ。

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