「叡智」という言葉をご存知でしょうか。「人類の叡智」「自然の叡智」などと聞いたことがあるかもしれません。「叡智」は何となく字面から、難しそうなイメージがありますよね。また、「叡智」の他にも「叡知」「英知」といった表記があります。これらは何か違いがあるのでしょうか、「知恵」や「知識」といった似た言葉とは何が異なるのかなどと疑問に思う点が多いですよね。そこで今回は「叡智」の意味や使い方、類語、対義語、「英知・知恵・知識」との違いについて解説していきます。
「叡智」は<えいち>と読みます。 「叡」は音読みで「エイ」と読みます。 「叡」は「かしこい」「聡明なこと」を意味します。 「智」は音読みだと「チ」、訓読みだと「さとい」「ちえ」と読みます。 「智」は「物事を理解する能力」を意味します。 「叡智」の意味は
となります。 物事の本質を見通して考えることができる、優れた知恵を表します。 「叡」は天子の行いに冠して敬意を表す語とされているので、「智」と合わせると「天子・皇帝などの知恵」という意味になります。ですので、「叡智」は”神のように優れた知恵”というニュアンスになります。 しかし、「叡智」はただの「優れた知恵」という意味で使うことが多いです。 優れた知恵や深い知性を持っている、高い認識能力を持っているという場合に「叡智」を使います。 よく使われる言い回しとしては「叡智を結集」「叡智の結晶」などがあります。 「叡智を結集」は「優れた知恵が一つにまとまり集まること」、「叡智の結晶」は「優れた知恵が積み重なり、他のある形をとって現れること」を表します。 また、「叡智界」という言葉もあり、これは「最高の認識能力である知性によってだけ捉えられる超感覚的な世界」を意味しています。
例文
「英知」と「叡智」はほとんどの辞書で併記されています。 「英知」と「叡智」はどちらも、「優れた知恵や知性」という意味ですが、ニュアンスが少々異なります。 「英知」は「人類の英知」「英知に優れた人」といったように使われます。 「英」は「すぐれている。すぐれた人」、「知」は「物事を見抜く力がある。理解する能力」を意味します。 「英知」は「人の優れた知識や知恵、それを活用した能力」というニュアンスです。 「叡智」のように、「神がかった能力」というニュアンスは含まれません。 例えば、人間の人知が及ばない事柄については「神の英知」ではなく「神の叡智」といった方が適切です。
「智」は音読みだと「チ」、訓読みだと「さとい」「ちえ」と読みます。 「智」は「物事を理解する能力」を意味します。 「智」は元々は、「矢」「口」「云」を組み合わせた別の漢字でした。「矢」「口」「云」は、神に祈る時に使うものを組み合わせた漢字です。 「智」は”さとい”とも読めることができ、「祈りで神の力を授かり、悟る」という意味が含まれます。 「英智」は「英知」と同じようなニュアンスになります。
「知」は音読みだと「チ」、訓読みだと「しる」と読みます。 「知」は「物事の本質をしる」「物事を見抜く力がある」を意味します。 「知」は「矢」と「口」の合字で、「言葉をすばやく聞く」という意味です。 「知」は儒教からきている漢字で、「智」と近いニュアンスがあります。仏教用語の中では、煩悩を打ち消す精神、祈りの意味も含まれます。 また、「知」は「智」よりも動詞的な要素があると言われています。
「知恵」の意味は「物事の理をさとり、適切に処理する能力」です。 具体的に応用していくことを表します。 「知恵を働かせる」「知恵がつく」「皆さんの知恵を拝借」などと言います。 例えば、「バイクに乗るとき、ヘルメットのひもが緩いと危ない」と知っていたとして、何にも対策をしなければ危険な状態のままです。ただ、ひもではなく伸縮性のよいゴムを使用した、頭にぴったりと合うヘルメットを購入すれば、安全にバイクに乗れます。 このように、身についている・知っている事柄を応用して、利益になるように工夫することを「知恵」と言います。
例文
「知識」の意味は「ある事項について知っていること。また、その内容」です。 「知識」は、何かについて知っていることを表します。 例えば、自動車に乗っていて、よそ見をして、結果として事故を起こすとします。当たり前のことですが、「自動車を運転中によそ見をすると危ない」ということが分かります。 他にも、授業などで計算の解き方や特定の公式を学んだり、歴史の年号を暗記したりしますね。 このように、様々な経験を通して知った事実やその内容のことを「知識」と言います。
例文
聡明 (意味:物事の理解が早く賢いこと。また、そのさま) 「聡明な青年である」 利口 (意味:要領よく抜け目のないこと) 「利口よく立ち回る」 分別 (意味:道理をよくわきまえていること。物事の善悪・損得などをよく考えること) 「彼女は思慮深く分別がある」 般若<はんにゃ> (意味:悟りを得る智慧(ちえ)・真理を把握する智慧) 才気 (意味:よく気がつき、巧みに物事を処理する知的能力) 「才気みなぎる作品である」 明達 (意味:聡明で道理をわきまえていること。また、そのさま) 「生まれながらにして明達である」 明哲 (意味:聡明で物事の道理に通じていること。また、そのさまやその人) 「彼は明哲である」
凡智 (意味:平凡な知恵。並の才能) 「彼は至って凡智である」 平凡 (意味:その他大多数の事物と、たいした違いのないこと) 「平凡な毎日を過ごす」 人並み (意味:能力や行為、生活などの水準が多くの人たちと同程度であること) 「彼女の歌唱力は人並みである」 月並み (意味:新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと) 「月並みな例えである」 一般的 (意味:特殊な事物・場合についてでなく、広く認められ行き渡っているさま) 「一般的な考えである」 陳腐 (意味:古くさいこと。ありふれていて、つまらないこと) 「陳腐なセリフである」
「叡智」の英語は、
などが当てはまります。 ()内に、それぞれの単語の持つニュアンスを書いておきました。 「叡智を結集する」は、
などと言います。
Concentrating our wisdom is the key to our success.
叡智を集結することが成功へのカギだ。
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「叡智」について理解できたでしょうか? ✔︎「叡智」は<えいち>と読む ✔︎「叡智」は「深遠な道理をさとりうる優れた才知」「優れた知恵」という意味 ✔︎「叡智を結集」「叡智溢れる」などと使う ✔︎「叡智」の類語には、「知恵」「知識」「聡明」などがある