「いちおう」の意味は、十分満足であるとは言い切れないが、最低限の状態にはなっていることです。例えば、「いちおう完成している」などと使います。「とりあえず」の意味は、本来とるべき対応は後回しにして、最優先でできる何かを行うことです。例えば、 「とりあえず友人に連絡をする」などと使います。
▶︎「いちおう」・・・十分満足であるとは言い切れないが、最低限の状態にはなっていること ▶︎「とりあえず」・・・本来とるべき対応は後回しにして、最優先でできる何かを行うこと
「いちおう」の意味は、
です。 十分とは言えないものの、最低限の条件は満たしているさまを表しています。 「いちおう」は漢字だと「一応」もしくは「一往」と書きます。一般的には「一応」と書くことが多いですが、本来は「一往」と書くのが正しいです。 「一様」と書かれていることがありますが、これは「同一のこと、同様」と全く別の意味なので注意してください。 万全な状態ではないものの、多分大丈夫であろうという場合に「いちおう」を使います。 例えば、「いちおう出来上がった」「いちおう見直してみる」「いちおう完成した」などと言います。 このように、「いちおう」は「やることはやったけれど微妙だ」という意味合いで、曖昧なイメージの言葉です。 「いちおう」は「いい加減」というニュアンスが含まれているため、ビジネスシーンでは使いません。 目上の人に向かって「いちおう確認しました」などと言ってしまうと、「テキトーに確認した」と捉えられる可能性があります。
例文 「ひととおり」という意味
「念のため」という意味
「とりあえず」の意味は、
です。 十分な対処は後回しで最優先で何かをやること・先のことは考えず、現在の状況だけを問題とすることを表します。 漢字だと「取り敢えず」と書きます。 本格的な対応は後回しにして何よりも最優先で行うという場合と、先のことを考えないでできることをするという場合に使います。 例えば、「とりあえず片付ける」「とりあえず座って」「とりあえずビールください」などと言います。 このように、「とりあえず」は「現時点では...」という意味合いで漠然としたイメージの言葉です。 「とりあえず」は「気楽に。中途半端。片手間程度に」というニュアンスが含まれるため、ビジネスシーンで「とりあえず確認しました」などと言ってしまうと、言い逃れしている・責任逃れしていると捉えられる可能性があるので使うべきではありません。 「時間をかけてはやらなかったが」「ベストではないが」というマイナスな印象を与えてしまいます。
例文 「たちまちに」という意味
「さしあたって」という意味
「いちおう」と「とりあえず」は「いい加減に。中途半端に」というニュアンスが含まれていて、曖昧な表現のため、ビジネスシーンではNGだということが分かりました。 では、ビジネスシーンではどのような言葉を使えば良いのでしょうか? 「いちおう」「とりあえず」は「念のため」に言い換えます。 「念のため」は「いっそう注意をうながし、たしかめるため。不足の事態に備えて、予め準備をする」を意味します。 「信用しているけれど、いっそう確実なものにするため。念には念を入れて」というニュアンスになります。 漢字だと「念の為」と書きますが、一般的には「念のため」と表記することが多いです。 「念のため」自体は敬語ではありませんが、目上の人に使っても問題ありません。 例えば、「先日、お客様からいただいたクレーム内容を、念のためご報告いたします」は正しい表現ですが、これを「とりあえず」に言い換えてしまうと、非常に曖昧で幼稚な印象を与えてしまいます。 「念のため」は、連絡・確認・報告・依頼・催促などと様々な場面で使うことができます。 実際どのように使うか、例文で確認しましょう。
例文
「いちおう」は英語で「somewhat(なんとなく)」「just in case(万が一)」などになります。 「とりあえず」は英語で「for now」「first of all」などと言います。
「いちおう」は、十分満足であるとは言い切れないが、最低限の状態にはなっているときに使う言葉です。「とりあえず」は、十分な対処は後回しで最優先で何かをやること・先のことは考えず、現在の状況だけを問題とするときに使う言葉です。
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