「蔑ろ」という言葉をご存知でしょうか。「蔑ろ」「蔑ろにする」などはニュース番組をはじめ、映画や小説にもよく登場する言葉です。「蔑ろ」と聞くと、なんとなく言葉の意味をイメージできる人は多いでしょう。しかし、具体的にどういった意味なのか、何を表す言葉なのかしっかりと答えられる人は少ないと思います。よく使う言葉なのに、意味を正しく理解していないと少し残念ですよね。そこで今回は「蔑ろ」の意味や使い方、類語、「蔑む」との違いについて解説していきます。
「蔑ろ」は<ないがしろ>と読みます。 「蔑」は音読みだと「ベツ」、訓読みだと「さげすむ」「ないがしろ」と読みます。 「蔑」は「ばかにする。無視する」を意味します。 「蔑ろ」の意味は
となります。 「無いに等しいもの」という意で、「侮り軽んずること・冷たくあしらうこと」を表します。 「蔑ろ」は「あっても無いかのように侮り軽んずる」という意味で使うことが多いです。 古い時代には、主に「しまりのない・だらしのないさま」という意味合いで使われていました。 元々、「蔑ろ」は「無きが代」と記述されていました。 「代(しろ)」とは「身代金」などと使われているように、意味は”代わりになるもの”です。 「代」に「無きが代(なきがしろ)」と「無い」を付け足すことで、「代用の必要はない」という意味になり、そこから「必要のない人」という意味で、人や物事を無いに等しいくらいに軽く見ることを表す言葉になったと言われています。 このことからも分かるように、「蔑ろ」は良い意味ではありません。
「蔑む(さげすむ)」の意味は「みくだす。みさげる。軽蔑する」です。 他人を自分より能力・人格の劣ったもの、価値の低いものと見なす、軽蔑し馬鹿にすることを表します。 「蔑むような目つきで人を見る」「蔑むように笑う」などと使います。 「蔑ろ(ないがしろ)」は「人やものを無いかのように扱う・無視する」という意味なのに対して、「蔑む(さげすむ)」は「他人を自分よりも下と見なして、馬鹿にすること」を意味します。 「蔑」を用いる言葉に「蔑視」「蔑称」「軽蔑」「侮蔑」などがあるように、「蔑」には「馬鹿にする」「人を見下す」というマイナスな意味合いが含まれます。 「蔑」を用いた語句を紹介します。
「蔑視(べっし)」==> 相手をあなどって見くだすこと 「蔑称(べっしょう)」==> 相手や第三者、またはその動作や状態をさげすんでいう言い方 「軽蔑(けいべつ)」==> 卑しいもの・劣ったものなどと見なして、馬鹿にすること 「侮蔑(ぶべつ)」==> 見下してさげすむこと 「賤蔑(せんべつ)」==> 卑しめさげすむこと 「凌蔑(りょうべつ)」==> 他人を馬鹿にしてはずかしめること 「蔑如(べつじょ)」==> さげすむこと。ないがしろにすること
例文
「蔑ろ」は、本来は大切にするべき・尊重されるべき人やものに対していい加減に扱う行為を示します。 ですので、「蔑ろ」は「あっても無いかのように侮り軽んずる・冷たくあしらうこと」を表すときに使います。 例えば、亭主が夜遅くまで仕事をして帰ってきたら誰も出迎えてくれずに皆寝てしまっている、休みの日に朝早く起きたら何も言わずに家族がどこかへ出掛けてしまっているといった状況を、「亭主が蔑ろにされている」と表現することができます。 他にも、「毎日の水やりを蔑ろにすると、植物はすぐに枯れてしまう」とした場合は「毎日の水やりを軽んじて行わないと、植物は枯れてしまう」という意味になります。 「蔑ろ」の使い方としては、
などとなります。
例文
「蔑ろ」の類語を紹介します。
粗略 (意味:物事の扱い方などが丁寧でないこと) 「ゴミ処理を粗略にする」 卑しむ<いやしむ> (意味:品のない・劣ったものとして、馬鹿にすること。軽蔑する) 「彼の曲がった根性を卑しむ」 おろそか (意味:いい加減に済ませたり、軽く扱ったりして、真面目に取り組まないさま) 「遊ぶことに夢中になってしまい、勉強がおろそかになる」 なおざり (意味:いい加減にしておくさま。本気でないさま) 「寝坊してしまったから、今日の化粧はなおざりにする」 差し置く (意味:そのままにしておく。放っておく) 「何を差し置いても、そのパーティーには参加したい」 無視する (意味:あるものを無いがごとく見なすこと。存在価値を認めないこと) 「信号を無視して、横断歩道を渡ろうとする」 軽視する (意味:軽く考えて、その価値や影響力を認めないこと) 「今の若い人は学問を軽視する傾向がある」 見くびる (意味:相手を低く見て馬鹿にする) 「随分と相手を見くびったやり方である」 侮る<あなどる> (意味:人を軽く見て馬鹿にする) 「相手を侮って油断する」 疎んじる<うとんじる> (意味:嫌ってよそよそしくする。遠ざけて親しまない) 「部外者を疎んじて、冷遇する」
「蔑ろ」の反対語を紹介します。
尊敬 (意味:他人の人格・行為などをとうとび敬うこと) 「先生に尊敬の念を抱く」 尊重 (意味:価値あるもの、尊いものとして大切に扱う) 「大切なのは、自分とは違う意見を尊重することである」 畏敬<いけい> (意味:崇高なものや偉大な人を、おそれうやまうこと) 「彼女に畏敬の念を抱く」 大切 (意味:もっとも必要であり、重んじられるさま。重要であるさま) 「これは家を購入する上で、大切な条件である」 大事 (意味:価値あるものとして、大切に扱うさま) 「彼女は私の大事な友人である」 慈しむ<いつくしむ> (意味:目下の者や弱い者に愛情を注ぐ。可愛がって大事にする) 「飼っている犬を慈しむ」 丁重 (意味:注意が行き届いていて丁寧なこと。また、そのさま) 「壊さないように丁重に扱う」 慎重 (意味:注意深くて、軽々しく行動しないこと。また、そのさま) 「慎重に検討を重ねてから答えを出す」 重用 (意味:その人を重んじて、重要な役に用いること) 「若手を重用する」
「蔑ろ」の英語は、いくるか考えられます。
などです。
You should not neglect your studying since you're a college student.
大学生なのだから、学業を蔑ろにすべきではない。
科学的に正しい英語勉強法
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「蔑ろ」について理解できたでしょうか? ✔︎「蔑ろ」は「ないがしろ」と読む ✔︎「蔑ろ」は「あっても無いかのように侮り軽んずる」「冷たくあしらう」という意味 ✔︎「蔑む(さげすむ)」とした場合は、「他人を自分よりも下と見なして馬鹿にすること」を意味 ✔︎「蔑ろ」の類語には、「粗略」「疎んじる」「見くびる」などがある