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「芳醇な香り」は間違い?「芳醇」の正しい意味と類語「豊潤」との違いとは?

「芳醇」の意味は「香り高く、味が良いこと」です。主に酒に対して使います。「芳醇」自体に「香りがよい」という意味が含まれているため、「芳醇な香り」は厳密には二重表現になり誤用です。「豊潤」は「ゆたかでうるおいのあること」で「豊潤な肉体」「豊潤な土地」など全く違う使い方をします。

「芳醇」とは

「芳醇」の読み方は「ほうじゅん」

「芳醇」の読み方は「ほうじゅん」です 「芳」は音読みで「ホウ」、訓読みで「かんばしい」「よし」と読みます。 「醇」は音読みで「ジュン」、訓読みで「もっぱら」「あつい」と読みます。 「芳醇」の漢字は「芳純」と書くこともあります。

「芳醇」の意味は「香り高く、味が良いこと」

「芳醇」の意味は「香り高く、味が良いこと」です。 「芳」の意味は「かんばしい、良い香りがする」です。 また「評判が良い」といった意味もあります。 「醇」の意味は「混じりけのない酒、味の濃い酒」「混じりけがない、清い」です。 薄めていない、よく熟したお酒のことを指します。

「芳潤」は同音異義語

「芳潤」は「ほうじゅん」と読み、「かおりが高く、うるおいのあること」を指します。 この言葉は現代ではほとんど使いません。 『太平記』には「文は漢魏の芳潤に漱 (くちすす) いで万巻書を暗じ給ひしかば」と一節があります。 これは、「中国の漢魏時代の質の高い文学を口ずさんで、多くの書物を暗記してるので」という意味です。 「芳潤」を比喩的に使い「豊かな」という意味で、文学を形容しています。

「芳醇」の使い方と例文

「芳醇な香り」は厳密には二重表現で間違い

「芳醇な香り」とよく使われる表現ですが、これは厳密に言うと二重表現となるため間違いになります。 「芳醇」に「香り高い」といった意味合いが含まれるため「香り高い香り」となってしまいます。 良い香りのワインを表す場合は「芳潤な香りのワイン」ではなく「芳醇なワイン」と使いましょう。 ただ一般的によく使われている表現であり、絶対に使ってはいけないというほどではありません。

「芳醇なワイン」などと主に酒に対して使う

「芳醇」は主にお酒に対して使います。 「芳醇な酒」「芳醇なワイン」と使うのが一般的です。 他にもお酒以外の飲み物に使われることもあります。 「コーヒー」や「抹茶」など、香りが高いものに使われます。

例文

  • 20年寝かしたワインはとても芳醇だった。
  • 芳醇な酒とクセの強いチーズがよく合う。
  • このお店は、甘くて芳醇な梅酒がとても美味しい。

「芳醇」と「豊潤」の違い

「豊潤」の意味は「豊かでうるおいのあること」

「豊潤」も「ほうじゅん」と読みます。 意味は「豊かでうるおいのあること」です。 みずみずしい様子を表します。 よく使われる言い回しには、

  • 豊潤な果実
  • 豊潤な土地
  • 豊潤な音色
  • 豊潤な資源
  • 豊潤な肌
  • 豊潤な肉体

などがあります。

「豊潤」の例文

  • 豊潤な土地で育まれた野菜がたっぷり使われています。
  • 同じ楽器を使っても、先生が奏でるととても豊潤な音色になる。
  • 豊潤な肌を目指し、スキンケアを高級なものに変えた。

「芳醇」の類語と対義語

「コク」「濃厚」「リッチ」は味とにおいの両方に使う

「芳醇」の類語の中で味と匂いとどちらにも使える言葉を紹介していきます。 ・コク:深みを感じさせるうまみや、そこに良い香りや食感などを加わったたもの 「コクがある」「コクのある」「まろやかなコク」などと使います。 ・濃厚:味や色が濃いこと、こってりとしているさま 主にソースやタレ、スープなどに「濃厚ソース」「濃厚スープ」などと使います。 ・リッチ:味わいや香りが豊かで濃いこと 「リッチ味わい」「リッチな○○(食品名)」などと使います。

「馥郁」「香り高い」はにおいに対して使う

「芳醇」の類語の中で匂いに使える言葉を紹介していきます。 ・馥郁(ふくいく):良い香りが漂っているさま 「馥郁とした」「馥郁たる」などと使います。 ・香り高い:いいにおいがする、芳香 「香り高い抹茶」「香り高いコーヒー」など名詞につけて使います。 ・芳香(ほうこう):いい匂い、かぐわしい香り 「芳香剤」とよく使われていますよね。

「醇味」「美味」「甘美」「珍味」は味に対して使う

「芳醇」の類語の中で味に使える言葉を紹介していきます。 ・醇味(じゅんみ):こくのあるお酒の味、美酒の味 ・美味(びみ):味がうまいこと、うまい飲食物 「おいしい」を漢字にすると「美味しい」です。 ・甘美(かんび):味が程よく、甘くておいしいこと 「甘美な菓子」「甘美なデザート」などと使います。 ・甘露(かんろ):甘くておいしいこと、非常においしいこと ・珍味(ちんみ):珍しい味、めったに味わえない変わったおいしい飲食物

「芳醇」の反対語は「淡麗」

「淡麗」は「たんれい」と読みます。 意味は「お酒の口当たりがさっぱりとしていること、癖がないこと」です。 ビールなどでもよく使われていますよね。 さっぱりしてクセはないですが、「淡麗」も良い意味で使われています。

「芳醇」の英語

rich(リッチ)

「香りが豊かな」という意味の英語は「rich」です。 「rich」は「豊潤」という意味でも使うことができます。 英語では「芳醇」も「豊潤」も「rich」だと覚えておきましょう。

This wine has a rich fruity flavor.

このワインは芳醇なフルーティーな香りがする。

This area is the richest arable land in the country

この地域は、全国で最も耕作に適した豊潤な土地です。

mellow

「熟す」という意味の動詞には「mellow」があります。 「熟してまろやかになる」という意味です。 人に対して使うと「ドゲがなくなり、丸くなる」という意味になります。 「mellow」は形容詞として「まろやかな」という意味でも使うことができます。

まとめ

「芳醇」とは「香り高く、味が良いこと」を意味します。 「芳醇」は主にお酒に対して使う表現です。 「芳醇」と似た言葉に「豊潤」があります。「豊潤」は「ゆたかでうるおいがある」という意味で、「豊潤な土地」などと使います。

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