「行き当たりばったり」とは「一貫した計画や予定がなく、その場の成り行きに任せること」を意味する。「行き当たり」は進んで行って突き当たる、つまり、行きづまるの意。「ばったり」は突然出会うさま。よって、唐突と壁に直面し窮することを指す。正式な読み方は「ゆきあたりばったり」で、「いきあたりばったり」は口語読み。
「行き当たりばったり」の読み方は「いきあたりばったり」です。 「ゆきあたりばったり」が正式な読み方で、現在では「いきあたりばったり」が一般的です。 「行き当たりばったり」の意味は、「今後のことをあまり深く考えず、その場その場のなりゆきに任せること」です。
「行き当たりばったり」という言葉は、「行き当たり」+「ばったり」の組み合わせで出来ています。 「行き当たり」は「進んでいった先でさらに先に進みにくい場面につきあたる」という意味です。 「ばったり」は「物事が急に途絶えるさま」という意味です。 これらの言葉を組み合わせると「物事が行きづまり途絶えてしまう」という意味になります。 この意が転じて、「事前の準備なしに、なりゆきに任せること」という意味となります。 また、「行き当たりばったり」は、
などと書くこともあります。
「行き当たりばったり」は、事前準備なしに何かに臨むことを表す時に使います。 基本的にネガティブなニュアンスで使われることが多い慣用句です。 「行き当たりばったりな○○」「行き当たりの▲▲」の形で使うことが一般的です。 「行き当たりばったり」の主な言い回しは、
などがあります。
「行き当たりばったり」は基本的にネガティブな意味合いがありますが、結果としてそれがポジティブになることもあります。 下記の例文は、「行き当たりばったりな人生」「行き当たりばったりな旅行」自体がポジティブな意味合いではなく、それらが結果として良かった、というニュアンスになります。
例文
「行き当たりばったり」と同じ意味の言葉は「出たとこ勝負」「ぶっつけ本番」「場当たり」です。 「出たとこ勝負」や「ぶっつけ本番」の意味は、「事前に準備することなしに、いきなり物事を行うこと」です。 「場当たり」の意味は、事前に準備することなく、その場の思いつきで物事を行うこと」です。
「行き当たりばったり」と似ているが微妙に意味合いが違う慣用句に、
などがあります。 「向こう見ず」は、「結果のことを考えずに乱暴な行動をとる」という意味です。 「行き当たりばったり」と計画性がない点では同じですが、「向こう見ず」は乱暴な行為に対してのみ使う点で異なります。 「その場しのぎ」「お茶を濁す」は「その場をごまかす、うまく取り繕う」です。 これらも計画性のなさは共通していますが、「行き当たりばったり」には「適当にうまくやる」という意味合いはありません。 上記の3つの表現はどれもネガティブな文脈で使用します。
「行き当たりばったり」と同じ意味だが、ポジティブな文脈で使う類語に
があります。 「臨機応変」の意味は、「その場その場の状況や変化に応じて適切な処置を施すこと」です。 「当意即妙」の意味は、「その場の状況や変化に適応してすばやく機転をきかせること」です。
例文
「行き当たりばったり」の対義語は「用意周到」という四字熟語です。 「よういしゅうとう」と読みます。 「用意周到」は、「準備が十分に整っていて手抜かりのないこと」という意味があります。 「用意」には「物事を行う前に、予め準備すること」という意味があり、「周到」は「細かい所まで注意が行き届いていて抜けや漏れがないこと」という意味があります。
例文
「行き当たりばったり」の英語として「Case by case」を使う人がいます。意味は「個々の状況に応じて、適切な対応をすること」です。 しかし、「case by case」は和製英語でネイティブは使わない表現です。 「行き当たりばったり」の英語は、
などです。 「hit-or-miss」は直訳すると「ヒットとなるか、もしくは失敗に終わるか」です。 「一か八か」「でたらめな」「無計画」なというニュアンスで使われます。 似た表現に「hit-and-miss」がありますが、こちらは「当たり外れ」という意味になります。 「play it by ear」を直訳すると「耳で聞いて演奏する」となります。 元々は「楽譜を見ないで即興で演奏する」という意味があり、その意が転じて「臨機応変にやる」という意味で使われるようになりました。 「willy-nilly」は「無計画に、思いつきに」といったニュアンスがあります。 「willy-nilly」「will I,nill I」 「will he, nill he"」の短縮形と言われています。 「will」は「〜しよう」と意志を、「nill」は「ne + will」で「will」の否定形です。
The campaign was rather a hit-and-miss affair.
選挙戦はどちらかというと当たり外れが大きいものでした。
I can't make a decision yet. Let's just play it by ear.
まだ決められません。とりあえず臨機応変にやろう。
He threw her clothes willy-nilly into a drawer.
彼は手当り次第に自分の服を引き出しに放り込んだ。
いかがでしたか? 「行き当たりばったり」について理解は深まりましたか? ✔読み方は「いきあたりばったり」「ゆきあたりばったり」 ✔意味は「先の事を考えず、その場の成り行きに任せる」 ✔事前準備なしに何かに臨むことを表す。基本的にネガティブなニュアンスで使う。 ✔類語は「ぶっつけ本番」「お茶を濁す」「臨機応変」など ✔対義語は「用意周到」 ✔英語表現は「hit or miss」など