「公務」「職務」「業務」という言葉をご存知でしょうか。「公務に就く」「職務を全うする」「業務を遂行する」といったように使います。では、それぞれの意味についてしっかりと理解しているでしょうか。この三つの言葉は日常会話でも使うことが多いですよね。ただ、三つとも非常に似ているので、あまり違いはないように思いますが、実はそれぞれ異なります。よく使われている言葉なので、しっかりと区別したいですよね。意味を覚えれば、すぐに使い分けすることができます。そこで今回は「公務」「職務」「業務」の使い分けについて解説していきます。適切に知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
「公務」・・・おおやけの務め、国家や公共団体の務めやそこで雇われている公務員の務め 「職務」・・・仕事として各社員がそれぞれ取り組む務めや役目 「業務」・・・仕事として各部署がそれぞれ取り組む務めや役目
「公務」は「公的な仕事、公務員の仕事」を意味します。 「業務」と「職務」の意味は似ていますが、微妙に意味合いが異なります。 「業務」は、「ビジネスをする上でやるべき仕事」という抽象的な意味を持つ言葉であるのに対して、「職務」は「個々人が担当する仕事」という意味の言葉になります。 「業務」の方が広く使われ、意味的には「職務」を内包します。
「公務」は<こうむ>と読みます。 「公」は音読みで「コウ」、訓読みで「おおやけ・きみ」と読みます。 「公」は「国や官に関係していること」を意味します。 「務」は音読みで「ム」、訓読みで「つとめる・つとまる」と読みます。 「務」は「手段を尽くして行うべき仕事や役目」を意味します。 「公務」の意味は、
です。 個人ではなくて世間一般に関係する仕事、特に国家や公共団体の仕事を表します。皇族の活動も「公務」と言います。 「公務を行う」「公務に就く」「公務を志す」「公務多忙」といったように使います。 「公務員」だったら「国もしくは地方公共団体の務めを担い、国民全体に奉仕する人」を意味します。 「公務員」には「地方公務員」「国家公務員」「国際公務員」があります。 「公務所」だったら「国や公共団体によって設置された、公務員が仕事を行うための場所」を意味します。 「公務」の類語には、「役務」「国務」「政務」「執務」などがあります。
例文
「職務」は<しょくむ>と読みます。 「職」は音読みで「ショク・シキ」と読みます。 「職」は「本来行うべき役目や仕事」を意味します。 「務」は音読みで「ム」、訓読みで「つとめる・つとまる」と読みます。 「務」は「手段を尽くして行うべき仕事や役目」を意味します。 「職務」の意味は、
です。 各社員が担当している仕事、おのおのが受け持っている作業を表します。会社においては、部署ごとの中でそれぞれが担当する仕事を指します。 「職務を遂行する」「職務を怠る」「職務に当たる」「職務を全うする」といったように使います。 例えば、販売部でもAさんは店舗の維持、Bさんは在庫の管理、Cさんはイベントの企画など、各々仕事が異なります。 このように、部署の中でも細かく仕事が分かれることを「職務」と言います。 「職務」の類語には、「仕事」「担当領域」「役目」「作業」「職分」などがあります。
例文
「業務」は<ぎょうむ>と読みます。 「業」は音読みで「ギョウ・ゴウ」、訓読みで「わざ」と読みます。 「業」は「生活していくためにするべき仕事」を意味します。 「務」は音読みで「ム」、訓読みで「つとめる・つとまる」と読みます。 「務」は「手段を尽くして行うべき仕事や役目」を意味します。 「業務」の意味は「事業や商売などに関して、日々継続して行われている仕事」です。 継続して行われている仕事、各部署で行われている役目を表します。 「業務に励む」「業務を遂行する」「業務を全うする」といったように使います。 例えば、食品メーカーだったら営業だけでなく、何か物を開発したり、その物を販売することが必要となります。このように、販売部・製造部・営業部・開発部・広報部・人事部・総務部・経理部などがそれぞれ行う仕事を「業務」と言います。 「業務」を用いた「業務上過失致傷罪」という言葉があります。 これは「業務の上で必要なことをせずに、それによって人を死傷させること」を表します。
例文
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