「行く」と「往く」という言葉をご存知でしょうか。「学校へ行く」「電車で往く」といったように使います。では、それぞれの意味についてきちんと理解しているでしょうか。どちらも「いく」「ゆく」と読みます。「行く」は普段から使うことが多いですが、「往く」はあまり使いませんよね。この二つには何か違いはあるのでしょうか。正しく使うためには、意味についてしっかりと知っておくことが必要です。そこで今回は「行く」と「往く」の使い分けについて解説していきます。正しく覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「行く」・・・ある目的地や他の場所へ向かって進むこと、物事を進めること 「往く」・・・ある目的地や他の場所へ向かって進むこと
「行く」と「往く」はどちらも「目的地へ向かうこと」を意味しますが、細かい違いがあります。 「往く」は「元の場所へ戻ることを前提として、目的地へ向かう」というニュアンスになります。 「行く」は「戻ることを前提として目的地に向かう」以外にも、「目的地に向かったまま帰らない」という意味合いも含まれます。 ただ「往く」を使うことはほとんどなくて、一般的には「行く」を使うことが多いです。
「行く」は<いく>もしくは<ゆく>と読みます。 奈良・平安時代から「いく」あるいは「ゆく」と読まれていました。元々は「ゆく」が多く使われていましたが、今現在は「いく」を使うことが多くなっています。 現在では、「いく」は普段使い、「ゆく」は改まった場面で使われているイメージとなります。 「行く」の意味は、
です。 目的地や他の場所に向かって移動すること、ある場所を通過することを表します。例えば、「学校に行く」「美容院に行く」「東京から京都へ行く」「道行く人」といったように使います。 手紙や電話がある場所にくるという意味でも、「電話が行く」「通知が行く」などと用います。 「行く」は人の動作だけではなくて、ものの様子を表す場合にも使うことができます。 この場合は「研究が上手く行く」「納得が行く結果」といったように用います。「行く」を使うことで、物事がある段階に達すること、実現することを表せます。
例文
「往く」は<いく>もしくは<ゆく>と読みます。 「往く」の意味は、「今現在いる場所から出発して、目的地まで移動すること」です。 「往く」は元々は「往ぬ」という言葉で、「向かう、時が過ぎる、死ぬこと」を意味していました。 「行く」と同様に、目的地や他の場所に向かって移動すること、ある場所を通過することを表します。「プールへ往く」「スーパーへ往く」「電気屋さんに往く」といったように使います。 「往く」はただ目的地まで向かうことではなくて、元の場所の戻ることを予定して目的地まで向かうことを表します。 「往路」と「復路」という言葉があるように、「往く」の対になる言葉は「復」となります。例えば、「バスで往き、帰りは電車で帰ってくる」といったように使います。 このように、「往く」は方向を表す場合に使う語となります。 「往く」は「物事が上手く往く」「頑張って往く」などと、「ある方法で物事を進めること、気持ちが満たされること」という意味で使うことはできません。
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