「またの機会に」という言葉をご存知でしょうか。何かに誘われたというような場面で角がたたないように、やんわりと断ることができる便利な言葉ですが、使用する際には相手に不快な思いをさせないために注意が必要です。今回は、「またの機会に」の意味や正しい使い方を 例文つきで解説します。また、英語表現や中国語表現も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「またの機会に」は、飲み会など、何かの誘いを受けて断りたいといった場合に、誘いをやんわりと断るときの決まり文句として使用されるフレーズです。 ビジネスシーンなどで何かに誘われたときに「気持ちが乗らない」「都合が悪くていけない」といった場合に、「行けません」と無愛想に断ってしまうと角が立ってしまします。 「またの機会に」は、「今回は無理ですが、また別の日に」というニュアンスが含まれているので、非常に肯定的な断り方であるといえるでしょう。
「またの機会に」を、漢字で表記すると「又の機会に」となります。 「又」は、訓読みで「また」と読む漢字で、「また・そのうえ・ふたたび・さらに」という意味があるので「又の」で「別の」「他の」「次の」という意味で使用することが可能です。 したがって、「又の機会に」で「別の機会に」「他の機会に」「次の機会に」という意味になることがわかります。
「またとない」という表現には、「二つとない・これ以上のものはない」「二度とない」という意味があり、「またとない機会」は、「二度とない機会」という意味で使用される言葉です。 例えば、「商品の半額セールはこの時間帯のみ!このまたとない機会に、ぜひお買い求めください」 といったように、「もう二度とないチャンス」といったような意味で使用することができます。 従って、このように「また別の機会に」と「またとない機に」は意味の異なる言葉であるため使い分ける必要がありますので、混合しないように注意してください。
例文
相手からの誘いなど、お声がけを断る場合は、「またの機会にぜひお願いいたします」が定番のフレーズとして使用されます。 「お願いいたします」は、挨拶として「お願いします」、依頼するときに「◯◯お願いします」といったように使用することができる言葉です。 「是非」は、「心を込めて強く願う様子」を言い表した言葉です。 この場合は、相手に敬意を示して「次の機会を心から願っていますのでよろしくお願いします」といったニュアンスで相手に伝えることで誘ってくれた相手を配慮する表現になります。 「言う」の謙譲語である「申す」を使用して、「お願い申し上げる」という表現をすることもありますが、非常に堅苦しい表現であるため、直接お誘いをお断りするような会話の中で使用する場合であれば、「お願いいたします」としたほうが自然であると言えるでしょう。
例文
「またの機会がございましたら、何卒よろしくお願い申し上げます」だとより丁寧な表現になります。 「何卒」は、「どうぞ」をより堅く表現した言い回しです。 「期待する」というニュアンスが含まれていて、相手に何かを強くお願いする場合に用いる表現となります。依頼の強調表現になります。 「申し上げます」は、「言う」の謙譲語である「申す」を使用した言葉でなので、「何卒よろしくお願い申し上げます」で「どうぞよろしくお願いします」という意味の丁寧な表現になります。 「何卒」を使用することにより、改まった文章にはなりますが、上述しているように話し言葉として使うと、相手に仰々しい印象を与えてしまうので注意しましょう。
例文
「またの機会に」は、
というように、「お声がけ/お誘い/ご一緒〜」などを後ろにつけた言い回しで使用することも可能です。 使い方を例文を参考にしてください。
例文
「またの機会に」の後ろには、
といった表現を続けると、実際に待望している意味合いが含まれるので、印象がよくなります。 断られたとしても、またの機会が来ることを楽しみにしていることが伝わってくれば、次の機会を楽しみにしてくれているならまた誘ってみよう」というような前向きな気持ちになりますね。 相手を嫌な気持ちにさせない為にも、肯定的なニュアンスでお断りをするということが大切です。
例文
「またの機会に」という表現は、敬語表現ではありませんので、目上の人に使う場合は使い方に注意しないと、「失礼だな」と思われてしまう可能性があります。 例えば、目上の人に対して「すみませんが、今日は予定があるのでまたの機会に」といったように、敬語表現を含めずに使用するのはNGです。 同等の立場である同僚や、友人間である場合は問題ありませんが、上司など目上の人には必ず、「今回は都合により参加することができませんが、またの機会によろしくお願いいたします」など、前後の文章に必ず敬語表現をいれましょう。 「またの機会に」の使用例文は、上述していますのでそちらを参考にしてください。
「またの機会に」は、
など、様々な場面で使用できる便利な言葉で他社とやりとりをするときなど多用している人もなかなか多いのではないでしょうか。 しかし、「またの機会に」という言葉をデキる人は言わない説があります。 それは、本当にデキる人は「またの機会に」と有耶無耶にすることなく
ことができるからであると考えられます。 「またの機会に」と言ってしまうと、なんとなく社交辞令で終わってしまいがちなのですが、それではチャンスを逃してしまうのと同じことですよね。 デキる人は、「またの機会」を待たずに、自ら作り出すことができるからこそチャンスを手にすることができるのです。
上述したように、本当に「またの機会」を望むのであれば、「またの機会に」で終わらせてしまうのではなく、日時を確認するなど自分から「機会」を作ることが大切です。 「またの機会に」だけで終わらせてしまうと「社交辞令」だと思われがちですが、自ら日時を確認することで、前向きな姿勢が感じられ、印象が良くなります。
「次の機会に」という断り方をしてしまうと、断れるのは今回限りとなりますので注意しましょう。 「次の機会に」だと、次に同じように誘われたときに断ってしまうと「この前次って言ったよね・・・?」と思われてしまうことがあります。 つまり、「次の機会に」だと、「次はOKです」という意味に捉えられてしまう可能性があるということです。 「次って言ったからまた誘ったのに」と相手を不愉快な気持ちにさせてしまうことがあるので、「次の期会に」を頻繁に使用することはオススメできません。
「またの機会に」と相手に断られた場合は、その旨を一旦受け止めた返信をしましょう。 相手に詳しい理由などを聞く必要はありませんし、「そこをなんとか!」としつこくお願いをする必要もありません。 「〜につき承知いたしました」と納得したことを伝えるのが一般的な返信の仕方となります。
「来れない・参加できない」といったことに対して承知したことを伝えた上で、さらに
などの言葉を結びとして付け足すとベターです。 相手からの返信にこちらも「またの機会に」と返信をすることで、「またの機会に」と思っている相手に共感していることを伝えることができます。 また「次回お会いできるのを楽しみにしています」でも、次回を期待する前向きな姿勢を伝えることができるので好印象であると言えるでしょう。
では、恋愛でやり取りをしている場合に「またの機会に」と言われた場合はどうでしょうか。 恋愛でデートの約束や、お食事に異性を誘ったときの返信で「またの機会に」と言われた場合は、社交辞令であり、誘ってくれた人を傷つけないために当たり障りのない断り方をしたと考えるべきです。 本当に行けなくて残念だと思い、またの機会を願っているのであれば「今月は予定が詰まっていて厳しいので来週あたりはいかがですか?」というように代案を出す場合は前向きな返信をすることでしょう。
「またの機会に」に言われたしまった場、脈なしであることが考えられますが、そこで諦めずにもう一回はトライしてみましょう! 「社交辞令だ」と自分が思い込んでいるだけで、相手は本当に都合が悪いだけだったかもしれませんし、何回か誘っていくうちに、「一回くらい食事に言ってもいいかな」と思ってもらえる可能性があります。
何回か声をかけて、それでも断られたら諦めましょう。 何回も「またの機会に」と言われてしまうのなら、それは完璧に「社交辞令」であると言えるでしょう。 しつこくしてしまうと、気になる人に嫌われてしまうだけです。 1回〜3回誘ってそれでも「またの機会に」と言われてしまうようであれば、引き際も大事なので一度引いてみて、暫くしてからまたアタックしてみると良いかもしれません。
「見送る」という表現には、
といった意味があります。 「今回は見送ることにします」の場合の「見送る」は「計画をしていたことの実行を延ばす」または、「せっかくのチャンスですが見逃します」といった悔しさを感じるニュアンスで使用されています。
例文
「また今度」は、「またの機会に」を砕けた表現にしたものです。 「また」には「再度」という意味もありますが、断る場面での「また」は「今回ではなく、この次」という意味になります。 自分と同等の立場の人間や、目下、友人といった間柄である場合など「またの機会に」では少々堅苦しさを感じるときは「また今度」を使用しましょう。
「またご縁がありましたら〜」は、「またの機会に」の「機会」を「ご縁」に言い換えた表現です。 「ご縁」は、「そのうようになるだろう巡り合わせ」というような意味があります。 つまり、「またそのようなチャンスがあれば」というニュアンスで使用されています。
・今回は参加することができないのですが、またご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
「また何かの折には」は、「またの機会」の「機会」を「折」に言い換えています。 「折」には「過ぎゆくときの中の、区切られたある時点・機会」という意味があります。
例文
「ぜひご一緒させていただきたいのですが〜」は、「ぜひ一緒に行かせてもらいたいのですが」という残念な気持ちを「いただきたいのですが〜」という謙譲語を使用して丁寧に言い表しています。 本当は断りたくないけれどという前向きな気持ちを伝えることで、相手を不愉快な気持ちにしてしまうことを避けることができるクッション用語です。
例文
「お誘い大変ありがたいのですが〜」は、誘ってもらったことに対して「ありがたいと思っている」という感謝の気持ちを表現するクッション言葉です。 「ありがたい」という表現は、「ありがとうございます」という感謝の気持ちを砕けた表現にしているものなので少々丁寧さに欠けると感じる人もいます。 きちんと敬うべき目上の人などに使用する場合は、一度
といったようにきちんとお礼の言葉を述べたほうが印象がいいでしょう。
例文
「誠に」は「本当に」という意味があり、「誠に残念ですが」とすることで、「残念に思っている気持ち」を強調することができます。 「本当に残念なのですが・・・」という残念な気持ちを表すクッション言葉です。
例文
またの機会によろしくお願い申し上げます。
「心苦しい」は、「相手に申しわけなく、すまない気持ちでいっぱいである」という断ることに対する申し訳無さを言い表したクッション言葉で、相手の気持ちに答えることができないという意を伝えるときの前置きとして使用されます。
例文
「またの機会に」の英語は、
となります。
I'll call you some other time.
またの機会に電話します。
"Will you join us tonight?" - "Maybe another time!"
「今夜来ますか?」-「またの機会に!」
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「また機会があれば」の中国語は
となります。 「以后」は「今後」という意味です。 「后」は「後」の略字です。 「下次」は「次回」という意味です。 「机」は「つくえ」という意味ではなく、「機」の略語です。 よって、「机会」=「機会」です。 「有」はそのまま「ある」の意味で、英語の「have」にあたります。 してがって、「以后有机会」で「今後機会があれば」、「下次有机会」で「次回機会があれば」の意味になります。
「またの機会に」について理解していただけましたか? ✓「またの機会に」は誘いをやんわりと断るときの決まり文句 ✓「またの機会に」の漢字は「又の機会に」 ✓「またの機会にぜひお願いいたします」が定番の使い方 ✓「またの機会に」は敬語ではないので、前後を敬語表現にして使う ✓「またの機会」を本当に望む場合は、日時を確認すべし など