「お試しください」という言葉をご存知でしょうか。食べ物の試食や洋服の試着など様々な場面で耳にすることがあるのではないでしょうか。今回は、「お試しください」という言葉の意味と正しい使い方を、注意点も含めて解説します!また、英語表現も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「お試しください」は、「試してください」という意味で使用される言葉です。 「試す」という言葉に接頭語の「お」をつけて、「ください」という丁寧語をつけた表現です。 「試す」という言葉には、「実際はどうであるかを調べる・確かめる」という意味で使用される言葉です。
「お試しください」は、ビジネスで商品やサービスを実際に体験してもらうときに使用する言葉 です。 説明だけでは伝わりにくい、写真だけでは伝わらないといった場合に「実際に使ってみたり、体験してもらうことってありますよね。 そういった場面で使用されるのが「お試しください」という表現です。
「食べ物を実際に食べてもらう」という意味での「お試しください」は、「ご賞味下さい」「召し上がってください」と言い換えることが可能です。
「ご賞味」は「ごしょうみ」と読みます。 「賞味」は「ほめて味わうこと」を意味している言葉で、「ご賞味ください」といった場合は、「美味しいので、是非食べてみてください」という意味合いになります。 つまり、「試しに食べてみてください」という言葉の言い換えであることがわかります。
「召し上がる」は、「食べる」「飲む」の尊敬語です。 つまり、「食べてみて下さい」という表現を尊敬語にしたものが「召し上がってみてください」になります。
「ご賞味ください」を使用した例文
「召し上がってみてください」を使用した例文
「お試しください」は、すでに敬語表現です。 「お試しください」は、上述したように「試す」という表現に接頭語の「お」に、「ください」という丁寧語をつけた表現です。 相手が「試す」ということに対して敬意を示した表現をしているため、この場合の接頭語の「お」は、「お(ご)〜ください」で尊敬語として使用されているということがわかります。
「お試し下さい」という表現でも丁寧な表現であるため、目上の人にも使用することが可能ですが、「ぜひお試しください」「どうぞお試しください」という言い回しを使用すると丁寧さがまします。
「ぜひ」という言葉には、心を込めて強く願う様子を表現する意味合いが込められています。 したがって、相手に対して心から「試してみてほしい」と思っている気持ちを伝えることができるので丁寧さが増します。
「どうぞお試しください」の「どうぞ」には「相手に物事を勧めたり、承知・許可を与えたりする気持ち」を表現しています。
例文
「ください」が「くれ」という命令形を尊敬語にした言葉であるといったことから、「〜ください」という表現にはぶっきらぼうなイメージを受ける人もいます。 しかし、「ください」を「くださいませ」とすると柔らかい印象になります。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」「丁寧な気持ちを込めて挨拶する意」を表します。 したがって、「くださいませ」は「丁寧な気持ちを込めて相手に何かを依頼・懇願すること」を意味します。 本来「くだいませ」という表現は、女性だけが使う”女性語”ですが、男性は使用してはいけないというわけではありません。 状況に応じて使い分けましょう。
「お試しいただければと存じます」「お試しいただきたく存じます」「お試しいただければ幸いです」だとより丁寧です。
「お試しいただければと存じます」「お試しいただきたく存じます」は、「もらう」の謙譲語である「いただく」という表現に、「思う」の謙譲語である「存じる」を使用した表現です。 二重敬語のように感じる人もいるかもしれませんが、「〜してもらえれば」「〜してもらいたい」という言葉と「思う」をそれぞれ謙譲語にしたものであるため、二重敬ではありません。
「お試しいただければ幸いです」の「幸いです」は、「自分にとって嬉しいことです」「〜であれば幸せになります」といった意味になります。 つまり、「試してもらえると、嬉しいです」という意味になり、「〜してください」と頼むよりも「〜していただければ幸いです」といった方が、柔らかい印象になります。
「お試しください」を、「お試しいただきますようお願いいたします」「お試しくださいますようお願い申し上げます」という表現にすると「試す」ということを相手にお願いをする依頼表現になります。 「お願い申し上げます」と「お願いいたします」の違いは 「お願い申し上げます」が「言う」の謙譲語である「申す」を使用している言葉 「お願いいたします」が「する」の謙譲語を使用している言葉 となります。 微妙なニュアンスの違いはあっても、意味は同じなので「お願い申し上げます」「お願いいたします」どちらを使用しても間違いにはなりませんが、「お願いいたします」と「お願い申し上げます」では、「お願い申し上げます」のほうが丁寧さを感じられる表現であると言えます。
「お試ししてください」という表現は誤用になりますので注意してください。 なぜ「お試ししてください」が間違った表現であるかというと、「試す」という動詞にさらに「する」という動詞続けているからです。 「試す」がすでに動詞であるため、「する」をつける必要がないのです。 誤って使用してしまうことがないよう注意してください。
「お試しください」を「お試し下さい」と補助動詞を漢字にして使用してしまうのは誤用です。 「下さい」と漢字で表記する場合は、
といったように、「物をもらう」という本動詞として使用する場合です。 「下さい」は英語で「give」という「与える・あげる」という意味がある単語になります。 「お試しください」の場合は、何かをお願いする場面で相手に敬意を示す補助として使用しているので平仮名で表記することが正しいです。
「お試しください」を「お試しになってみてください」と言う人もいますが、この表現は誤用ではありません。 しかし、「お試しください」ですでに敬語表現であるにもかかわらず、「〜なってみてください」としてしまうのは、少々クドい印象をうけます。 誤用というわけではありませんが、「お試しください」を使用したほうが自然であると言えるでしょう。
「お試し」は英語で「sample」といいます。日本語でも「サンプル」といいますよね。 「お試しセット」は英語で「sample pack」といいます。「sample set」とは言わないので注意です。
「お試しください」は基本は「Please try it.」でOKです。 服の場合は、「Please try it on.(ご試着ください)」となります。「try on」で「〜を試着する」の意味になります。 「try it」=「give it a try.」「give it a shot」などと置き換えることも可能です。
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「お試しください」について理解していただけましたか? ✓「お試しください」の意味は「試してください」 ✓「お試しください」はビジネスで商品・サービスを実際に体験してもらう時に使う ✓「お試しください」はすでに敬語(尊敬語) ✓「お試ししてください」は誤用なので注意 ✓「お試し下さい」と補助動詞に漢字を使うのも誤用 など