嬉しい気持ちをビジネスシーンで表現する際、「嬉しいです」とそのまま表現してもよいのでしょうか?「嬉しいです」はたしかに敬語ですが、丁寧さに欠ける言い回しです。そこで今回は「嬉しいです」の敬語の言い換えを網羅的に紹介していきます。
「嬉しいです」の敬語の言い換えを解説していきますが、実は「嬉しいです」はすでに敬語です...! 敬語には大別して尊敬語(目上の人の行為をうやまう)、謙譲語(目上の人に対する自分の行為をへりくだる)、丁寧語(単に丁寧に表現する)の3種類があります。 「です」は指定の意を表す丁寧語(「だ」の丁寧語)なので、「嬉しいです」は敬語ということになります。 「嬉しい」は形容詞です。形容詞には敬語はありませんので、語尾に付ける「です」によって、「嬉しいです」は敬語表現となっています。
「嬉しいです」は正しい敬語ですが、ビジネスシーンで目上の人に対して使う場合は、少し丁寧さに欠ける表現です。 「です」は敬語ですが日常会話でも頻繁に使用するため、かしこまった意味合いが薄れてしまい何となく稚拙な印象を与えてしまう可能性があります。 加えて、「です」は指定・断定の役割をする助動詞なので、直接的で少々強意的です。 また、「嬉しい」という感情は目上の人に対して自分が抱くものなので、できれば謙譲語を使いたいものです。 これらの理由から、「嬉しいです」は上司や取引先など目上の立場の相手に対しては使用しない方が無難と思われます。
語尾に使う丁寧語には他にも「ございます」があります。 「ございます」は「あります」をより丁寧にした丁寧語です。 「嬉しいです」の言い換えには「嬉しゅうございます」という言葉も存在します。 しかし、これは大和言葉でかなり古めかしい響きのある日本語なので、ビジネスには適しません。この言い換えもビジネスシーンでは使わない方がよいでしょう。
「嬉しいです」を「嬉しく思います」と言い換えが可能です。 「です」の代わりに「思います」を使うといくらか柔らかい印象になります。 しかし「思います」も「思う」の丁寧語なので、「嬉しいです」と敬語の丁寧さ度合いは変わっていません。 「嬉しく存じます」だと謙譲表現となり、ビジネスシーンで目上の人に対して問題なく使うことができます。 「存じます」=「存じる」+「ます」で成り立っています。「存じる」は「思う」の謙譲語で、「ます」は丁寧語です。 「嬉しく存じます」には、単に「こころよく楽しいと思う」という意味の場合と、「〜してくれたらありがたい」という依頼の意味の場合があります。 「大変嬉しく存じます」という強調表現もよく使われます。
例文
「嬉しい限りです」と言い換えることもできます。 「嬉しい限りです」は「です」が丁寧語なので、「嬉しいです」と丁寧さの度合いは同じです。 しかし、「嬉しい限りです」という表現は日常生活では使われない表現ですので、「嬉しいです」よりかは堅い日本語となります。 「嬉しい限りでございます」「喜ばしい限りでございます」とするとなお良いでしょう。
例文
「嬉しいです」は感謝の言葉に言い換えることもできます。 まずは「感謝」という言葉を使った「嬉しいです」の言い換えを紹介します。
などがあります。 「いたす」は「する」の謙譲語、「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。 どちらも謙譲語ですが、どちらがより丁寧かはなかなか判断が付かないところです。「する」のと「いう」のはどちらの方が謙虚さがあるか、ということになります。「する」のは相手がいないとできませんが、「いう」のは一人でもできるので、「申し上げる」の方が丁寧さが微妙に強いという意見が多数派です。
などの言葉で感謝の気持ちを強調することができます。
例文
「ありがたい」という言葉を使い感謝の意を表すこともできます。
などと言い換えことができます。 上記でも説明しましたが、この場合も「ありがたく存じます」が謙譲表現なので最も丁寧な敬語となります。
「御礼申し上げます」は「お礼を言わせていただきます」の謙譲表現です。 手紙やメールの挨拶文や結びの言葉として使われることが一般的です。ビジネスシーンでも日常的には使用しません。 また、スピーチや謝辞などフォーマルな場面でも使われます。
例文
「恐縮」の意味は「恐れ入ること、申し訳なく思うこと」ですが、感謝の意を伝えるときに使うことができます。
などの表現があります。 「恐縮」は単体では感謝のニュアンスが弱いので、「ありがとうございます」「感謝申し上げます」などの言葉と一緒に使うことが多いです。
例文
「恐れ入る」の基本の意味は「迷惑をかけて申し訳なく思う」で、そこから転じて「心が苦しいほど、ありがたく思う」という意味で使います。 「恐れ入ります」を感謝の意味で使うのは、上司など目上の人が何かを手伝ってくれたり、お褒めの言葉をくれたりなど、申し訳ないという気持ちが入り混じっているときです。
例文
「痛み入ります」の意味は「相手の親切に恐縮し感謝すること」です。 「痛み入ります」は「恐縮です」「恐れ入ります」などと同義語です。 「お心遣い痛み入ります」「ご厚情痛み入ります」「お気遣い痛み入ります」といったようにも使えます。 また葬儀や身内に不幸があった際などに、「この度はご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」と言われたときの返答として、「お悔やみ痛み入ります」「ご丁寧に痛み入ります」といったように用いることができます。
例文
と言い換えとことも可能です。 上記でも説明しましたが、「です」より「ございます」の方が丁寧なので、ビジネスシーンでは極力「ございます」を使うようにしましょう。 「幸甚」は「幸い」を堅く言い換えた言葉で、ビジネスシーンでしばしば使用される言葉です。 「幸甚の至り」とは「この上なくありがたい」という意味になります。あまり多用すると不自然なので注意です。
「何よりです」は、「何より嬉しいです」の「嬉しい」の部分が省略された慣用表現になります。 「何より」というのは、「他の物事よりも優れていること、この上なくまさっていること」を意味します。 相手の喜びや興奮に共感して、自分も喜ばしい気持ちを表現するときに使う言い回しになります。
例文
「光栄」の意味は「名誉に思うこと、栄えあること」です。 ビジネスシーンで「嬉しいです」というと少し稚拙な響きがあるので、「嬉しいです」の代用として「光栄です」を使うと便利です。
例文
「嬉しい」の英語は「glad」です。 「happy」は稚拙な響きのある語なので、ビジネスシーンでは「glad」を使うことが多いです。
I'm glad to hear that.
そう言っていただいて嬉しいです。
「〜していただけたら嬉しいです」と依頼表現にするには、「I would appreciate if you could...」を使います。
I would greatly appreciate it if you could reply as soon as possible.
なるべく早く返信いただけると嬉しく存じます。
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